宮崎県からメジナが消えた? 実釣&釣具店へのヒアリングから考察

宮崎県からメジナが消えた? 実釣&釣具店へのヒアリングから考察

宮崎県のメジナ釣りで不調が続いている。例年であれば、日向灘の沖磯は悪くても700~800g程のサイズが2、3枚は釣れる。今年の様に1枚も釣れない、やっと釣れても手のひらサイズという事は無かった。宮崎の磯に40年以上も上がり続けている私の父も、こんなことは初めてだと言う。実釣をまじえて考察してみよう。

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(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)

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楢﨑 人生

廃人、42歳厄年、獅子座A型。趣味はヘラ浮子作り。泣かれる身内もないけれど、死ぬのは嫌でございます。

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メジナ不漁以外に今冬の宮崎で起こった異常状態

今冬の宮崎では例年と異なる状況がいくつかあった。

オオニベの大量接岸

まず筆頭は日本記録の更新もあったオオニベの大量接岸だろう。しかしオオニベのエサとなるイシモチは不調だった。これはオオニベが大量接岸してイシモチが喰われて減った、または普段とは異なるエリアに身を潜めた可能性もあり、さらに実際にはオオニベとイシモチの間には何の因果関係も無いかもしれない。いずれにせよオオニベがよく釣れていたのは事実だ。

タチウオが釣れ続く

次に3月現在になってもショアからのタチウオが好調だ。このまま盛期まで維持しそうな程のご機嫌な釣果報告が聞かれる。本来なら初夏から晩秋までがショアでのタチウオシーズン。水温とベイトに例年との差が出ているのだろうか。

イカ釣りが不調

さらに青物の大量接岸によるイカ釣りの不調。オオニベ同様、青物の接岸理由は不明だが、イカ釣りをする人達は青物がイカを喰うのでイカが釣れないと主張する。だがイカの不漁は昨年から続いている様なので、冬に青物が大量接岸した事がとどめになっただけで実際には別に原因があるのだろう。

こうしてみるとフィッシュイーターに関する事案ばかり上げられる。フィッシュイーターとベイトは切っても切れない関係なので、実際にはベイトの大量発生、大量接岸などが起こっているのだろう。そしてベイトのエサとなるプランクトンも関係しているかもしれない。宮崎の海、日向灘で歯車がいくつか狂い、様々な魚や生物に影響を及ぼし、その一端がメジナの不漁だ。主要因は不明だが、小さな事象がいくつも重なって現在の状況となっているのは事実なのだ。

黒潮の影響

では、黒潮の影響はどうだろうか。釣り人達は口々に『今年は黒潮が沖へ遠ざかっている』『今年は黒潮が接岸し過ぎている』と真反対の意見を持っているようだ。また『海水温が高い』『海水温が低い』とこれもまた統一性が無い。

気象庁のホームページでは過去38年分の海流と海面水温の詳細が調べられる。38年分全てを確認してみたが、今年の黒潮は平均的な流れで、沖へ遠ざかったり逆に接岸し過ぎたりはしておらず、また水温も平均的だ。潮流も水温もあまりに平均的過ぎて参考にならない。不漁の原因として最も可能性が高いと思われた黒潮の影響は否定された。

リベンジなるか。メジナが釣れるまで諦めたくない

メジナは年中釣れる魚だが、やはり『寒グレ』と呼ばれるシーズンに40cm以上、欲を言えば50cm以上を上げ、枚数も良型揃いで10枚以上は釣りたい。リミットは桜の季節までだろう。桜が散ればイシダイ釣りが待っている。それまでにメジナ前線の南下が間に合うか。例え間に合わなくても釣れるまで諦めたくない。釣り師としての意地を見せたい。

取材協力店舗一覧

最後になりますが、今回情報提供をして下さった大分県、宮崎県、鹿児島県の釣具店各店舗様に改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

釣りのポイント 宮崎恒久店
釣りのポイント 延岡店
釣りのポイント 鹿児島与次郎店
釣りのポイント 大分高城店
キャスティング 鹿屋店
かめや釣具 南宮崎店
かめや釣具 鹿児島姶良店
かめや釣具 城南店
つりぐのBB 川内ムラタ店
フィッシング海遊館
タックルベリー 日向宮崎店
水間釣具店(鹿児島県志布志市)
谷口釣具店(鹿児島県南さつま市)
谷口釣具店(鹿児島県肝属郡)
青井釣具店(鹿児島県肝属郡)
小松つり具店(鹿児島県日置市)
園田釣具店

<楢崎人生/TSURINEWS・WEBライター>

▼この釣り場について
一八宏丸
出船場所:油津港