伊藤さとしのプライムフィッシング【粒戦細粒はわき役なの?:第1回】

伊藤さとしのプライムフィッシング【粒戦細粒はわき役なの?:第1回】

伊藤さとしのプライムフィッシング。テーマは「粒戦細粒はわき役なの?」。粒戦の発売から数年後、同じペレット顆粒の粉砕バージョンが発売された。今では当たり前のようにセットのバラケ等に使われているこのエサを、今一度見つめ直してみよう。今回は特徴などについて。

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(アイキャッチ画像提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)

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粒戦細粒とは

『粒戦細粒』とは、そもそもどのようなエサか。公式サイト・へら鮒天国から抜粋してみよう。カテゴリーは集魚・調整材。読んで字のごとく、『粒戦』を細かく粉砕したもの。つまり成分は粒戦と同一で、粒子の大きさだけが異なるということ。

「だったら『粒戦』を買ってきて自家のミキサーで粉砕すればいいじゃん」実は昔に記者もやったことがあるが、細かくなり過ぎて粉のようになってしまった。しかも妻に黙って台所のミキサーを使ったものだから、あとでこっぴどく叱られた。

伊藤さとしのプライムフィッシング【粒戦細粒はわき役なの?:第1回】未体験の人はぜひ使ってみよう(提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)
伊藤 さとし

「ははは。よくあることだね。それでもし上手に粉砕できるなら、メーカーからわざわざ細粒なんて出さないでしょう。どうぞご自分で砕いてくださいって言うよね。一般の人には砕くのが難しいからこそ、あえて細粒を発売したのだからね」

 

『粒戦』の細粒バージョンが必要だったからでしょうか?

伊藤 さとし

「誰しもが必要かと聞かれたら”?”マークだけど、そういうニーズが少なからずあったんだよ。とくに管理釣り場のセット釣りをメインにやっている人からね」

 

粒戦細粒の特徴

特徴は何でしょう、また『粒戦』との違いは?

伊藤 さとし

「究極はペレット顆粒だってことだよ。つまり麸エサじゃない。あとは麸エサのように溶けてなくならない(かなりの時間を要するが、次第に溶けることもある)。それと比重かな。粉砕しているとはいえペレットだから、比重は麸系に比べれば圧倒的に重いよね。そして集魚性。ペレット独特のあの臭いで魚をかき集める」

 

ですが、それなら『粒戦』と特徴は変わらないのでは?

伊藤 さとし

「そうだね、ここまでは。大きな違いはやはり粒子の大きさだよ。では聞くけど、たとえばこの2種を同時に水中に投げ入れたとすれば、落下速度が速いのはどっち?」

 

それは『粒戦』でしょ。

伊藤さとしのプライムフィッシング【粒戦細粒はわき役なの?:第1回】実釣はチョウチンセット(提供:週刊へらニュース 伊藤さとし)

落下速度でアピールに違いが出る

伊藤 さとし

「ご名答。では落下速度が異なると水中ではどういう現象が起きる?」

 

『粒戦』が先に沈み、あとから『粒戦細粒』が追いかける。

伊藤 さとし

「ただ追いかけるだけかな?」

 

と言いますと?

伊藤 さとし

「たとえば水流があったらどうなる?」

 

それは流されるでしょうね。

伊藤 さとし

「同じ流され方になるかな?」

 

オーッ!なるほどなるほど。確かに落下速度が速い(重い)ほうが直進性は増しますね。

伊藤 さとし

「分かってきたようだね。水中には魚がいるのだから、たとえ流れがなくても水流は発生している。そこに『粒戦』と『粒戦細粒』を放り込めば、前者のほうがよりまっすぐ速く落下するけど、軽い細粒のほうは水流の抵抗を受けて、そこにとどまったりゆっくり落ちていくと想像できるよね」

 

つまり魚に対するアピールの仕方が異なる。

伊藤 さとし

「まあ水中のことだから正確にはどうこうとは断言できないけど、このエサの落下の仕方が異なることだけは確かだから、必要ならそれを利用しようという考えのもとに『粒戦細粒』が生まれたと言っていいだろうね」

 

それでは次号からは実践編として『粒戦細粒』を、よりかみ砕いて解説をお願いします。

伊藤さとしのプライムフィッシング【粒戦細粒はわき役なの?:第1回】粒戦と粒戦細粒の特徴(作図:週刊へらニュース 編集部)

次回も「粒戦細粒ってわき役なの?」です。

<週刊へらニュース 伊藤さとし/TSURINEWS編>

▼この釣り場について
三和新池
この記事は『週刊へらニュース』2020年3月6日号に掲載された記事を再編集したものになります。