大人にはあまり関係ないが、そろそろ春休みシーズン。暖かくなり始めて、子どもたちが船釣りに初挑戦するには最適の時期。親子釣行のハウツーを紹介しよう。
未来の釣り人と海へ出かけよう!
釣り船の魅力。
それはまず、船長のポイント選びに任せて釣りに集中できること。
そして船長や女将さんとの何気ない会話のやりとりや、乗合船なら、ほかの釣り人との交流も思い出に残る。
金メダルを目指す求道者のように自身の釣技アップに専念する人がいれば、レンタルタックルで気ままに竿を出す人もいる。
いろいろな人生模様を垣間みるのも船釣りの特長のひとつだろうか。
ボート釣りや陸っぱりに比べて経費はかかるが、釣れる、釣れないに関わらず楽しめる切り口は数多くある。
特に幼少期の子どもにとっては、沖に出るだけでも特別な体験になること間違いない。
では、子どもと初めて行く船釣りは、いつ、どのタイミングでどんな釣りがいいのだろうか。
二度とない「初体験」を成功させて、「また行きたい!」と言わせたい。
ここでは、私が身をもって試し、まずまず成功した(と思われる)ので、いくつかのキーワードを紹介したい。
今回、挑戦したのは、6歳の息子。
これまでに釣り堀でコイやキンギョ、ニジマス、川でテナガエビやボートのハゼ、ワカサギ、海上釣り堀などを経験済み。
テレビで船釣りを見るたびに「行ってみたい」と言うくらいのポテンシャル。
釣りが未経験で、いきなり船釣りというのもいいが、時間には限りがあるので、船に乗ってから慌てないように、ある程度は竿やリールの扱いに慣れておいたほうがより楽しめると思う。
用意周到で釣行したのは2月16日(金)。
東京湾金沢八景の弁天屋から午後ライトアジに乗船した。
天気予報では晴れのち曇りで、最高気温10度、最低気温3度。
予報通り、高気圧に覆われて風はほぼない状況。
この釣行予定を選ぶにあたって私が意識したのが【1】6歳児、【2】平日、【3】気温・無風・午後の3点。
【1】6歳児
6歳児息子の場合は、5歳と6歳とでだいぶ落ち着き具合が変わり、「これなら4時間の乗船でも大丈夫」という感触があった。
もちろん個人差はあるが、身長という点も大きな要因。
息子の身長は110cm。
同船の胴の間は舷高が70cm。
落水することはないが、竿を持って操作するにはやや高くギリギリのラインだろう。
これも釣行のタイミングを検討するのには大事な点。
【2】平日
平日初めての船釣りで失敗を避けるなら、極力空いている確率が高い平日の乗合船が一番の狙いめ。
オマツリを気にせず広々と釣り座を使えるなら、それだけで最高の状況。
親が有給で平日の休暇が取れるなら、子どもも保育園や幼稚園で休みを取りやすい。
平日釣行を選ぶなら、小学校に入る前の6歳児、3月あたりがベストだと思う。
小学生の子どもなら、春・夏・冬休みに親が有給を取って平日釣行というのも理想的。
【3】気温・無風・午後
気温寒ささえ我慢できれば1月でもいいし、暖冬の年なら時期を選ばなくてもいいかもしれない。
子ども用のしっかりした防寒、例えばスキーウエアなどを持っていればいつでも釣行できそう。
成長の早い子どものこと、我が家では、そういった類いのものを持っておらず、寒さが和らぐ2月中旬以降を予定していた。
ちょうど当日は風が弱い予報で、最高気温が10度だったので、選んだ次第。
このころともなれば、三寒四温で暖かい日が増えてくる。
その午後を狙って行けば、普段の防寒着程度でクリアできる気温になる。
私が目安にしたのが10度。
10度以上なら、なお嬉しいが、そうなると南西風が強くなったりして、逆に釣りづらさがでてくることがある。
気温の面でいえば、子どもが小学生の場合、夏休みの平日に釣行するのも手だが、逆に暑すぎることもあるので、一長一短。
これからの春休みシーズンのもう一つの利点は、気温が上がりすぎない時期なので、ボックス型のクーラーを使わなくても保冷して持ち帰れる点。
当日、私たちは電車釣行で、保冷バッグを持参。
船宿でクーラーボックスを借り、引換の氷と海水を入れて、釣ったらそれで氷絞めする。
下船時に魚と氷を保冷バッグに入れれば、荷物がかなりコンパクトになる。
小さい子どもと行く場合は、手をつながないといけない場面があるので、キャリアにクーラーを積んで、というのがやりづらい。
両手を空けて動けるほうが何かと便利。
というわけで、まだ肌寒い日はあるが、逆に電車釣行ならこういう利点もある。
ぜひ、「子どもと船釣りを」と思っている親御さんはチャレンジしてみてほしい。
<東京・青砥一生/TSURINEWS編>