若いころは、林道から渓まで20分も30分もかけて渓流釣りに入ったものだが、年とともに、入りやすくてしかも安全で、なおかつ釣れて……という、超ぜいたくな釣り場を探すようになってきたのは事実。そんな、ぜいたくな釣りをさせてくれるので、通っているのが、和歌山県熊野川支流の四村川ではないだろうか。
数が釣れるのが魅力
四村川の横には国道311号が走っており、右に左にと流れがのぞき込めるぐらいの距離。
国道から離れた場所に川筋が見える所もあるが、ほぼ隣接しているといっても過言ではない。
それに、大きな石があるでもなく、石から滑って転落という最悪のケースもほとんどない。
それでいて、アマゴは数釣れる。
水深自体、深いポイントがそんなにないので、サイズこそ大きくて20cmクラスしか望めないが、数が釣れるのが魅力だ。
国道から少し横の旧国道に支流が流れ込む大瀬では、過去にいい思いをしたことがある。
支流との合流点は深い淵を形成しており、仕掛けを放り込めば、ダメなときももちろんあるが、数尾はヒットしてくることが多いので、外せないポイント。
しかし、そのときは、1投目からズボッと目印を引き込むアタリが出て、それこそ最大クラスとなる20cm級がヒット。
「解禁早々エエのんが釣れた」と喜び、ビククーラーに入れた。
次の流しも、そして次の流しも同サイズがヒットし続けた。
結局アタリが遠のいたのは、10尾を超えてからだった。
1カ所でこれほど数を釣ったのも初めてだが、釣れるサイズに驚きを隠せなかった。
そんないい思いはその時だけなのだが、いい思いは忘れられず、ついつい入ってしまう自分がいる。
メーンは四村川本流
支流はすぐ大きなエン堤となり、エン堤までは釣りがほぼできないくらい。
メーンはもちろん四村川本流。
川幅いっぱいの流れがあるので、滑るのを注意しながら、ソ行しなくてはいけない。
両脇が道路に挟まれた格好となるので、上がる場所がなく、大岩のある大淵まで来たらUターンしている。
上部には覆いかぶさる木も少なく、狭い感じは受けるが、6.3mのサオは十分に振れる。
いつの日か、ぶち当たる大淵の上流へ行ってみたいと思っているのだが、なかなかその条件には巡り合えていない。
流れ込む支流は、エン堤の上流に行けば釣り可能になるが、こちらは木が覆いかぶさる場所もあり、短めのサオが有利となる。
<安田明彦/TSURINEWS編>
熊野川漁協