強烈な引きとその風格で磯の王者とも言われ、磯釣り師から人気のターゲットのイシダイ。実は船のカカリ釣りでも狙えることをご存知だろうか?今回、神奈川県の伊仁丸にて釣り仲間と船を仕立てて初挑戦してきた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部 渡辺)
伊仁丸でイシダイカカリ釣り
船からイシダイを狙う場合、ウィリー等のコマセ釣りで狙う事が多いが、イガイやヤドカリ餌を使用したカカリ釣りのイシダイ専門船が出ているとの噂を聞き今回挑戦してみることに。
1月12日の日曜日、珍しい同釣り物が看板の剣崎・間口港「伊仁丸」を友人4人と仕立てた。予約時に初挑戦の旨を船長へ伝え、タックル&仕掛け&エサ全てを船宿で準備いただくことに。道具の流用も検討したが、やはり専門のタックルが良いとのことだ。
イシダイカカリ釣りのタックル&仕掛け
釣行当日、7時頃に間口港へ着き伊仁丸へ乗船。用意されたロッドは極先調子で、「9対1」ならぬ、「9.5対0.5」といったところか。穂先だけが柔らかく、それ以外はイシダイのパワフルな引きに耐えられる極太仕様で、カワハギ竿をかなりパワーアップさせたような感じの竿だ。
リールはドラグのないバイキングリール、仕掛けは三叉の三角スイベルに通しの二本針仕掛けと25~30号のオモリを付けたものが配られた。
エサは「オニヤドカリ」
船に乗り込むとオケが置いてあり、その中に大量のサザエが入っていた。これが今日のエサか、と思ってよく見てみると、なにか出ている。「違う!ヤドカリだ!」
そう、主にサザエなどに宿借りをする大型のヤドカリ『オニヤドカリ』が当日のエサだ。どうやって針に付けるか検討もつかない。そもそもどうやって引っ張り出すのだろうか?不安を抱いたまま船は出船。
エサの付け方と釣り方
7時半頃出船すると、航程10分程のポイントで、船長が丁寧に場所を探ってアンカリング。アンカリング後は船長から釣り方のレクチャーがあり、まずは餌のオニヤドカリの針付けから。
オニヤドカリの殻をハンマーで叩き割り本体を出す。その後、ツメと脚を取って頭を軽く潰し、潰した頭と尾の両先端から二本針を刺す。言葉にすると、なかなかもって残忍な行為だ…。
釣り方は底から付かず離れずの所謂「ゼロテンション」で待つのが基本のようだが、この日は潮が早いのでオモリは底に置いておくイメージで良いとのこと。イシダイのアタリはツンツンと餌をついばむような前アタリが先ずあり、竿を下げるなどして糸を送り込んでいくと針を口に加えてグイっと引き込むような本アタリに繋がる。本アタリがあったらイシダイの硬い口に針を通すため大きくアワセるのがコツのようだ。
アタリ活発でゲストから登場
見よう見まねでエサを付けて仕掛けを投入。底を取ると、すぐに様々な魚信が繊細な竿先に表れる。まず船中に登場したのは、良型カサゴにイシガキダイにアカハタなど。私にもカサゴが掛かり、イシダイ以外の他魚が活発なようだ。
中には船長曰く「イシダイっぽい」というツンツンとしたアタリがあるものの、どれがイシダイのアタリなのか、そして、どのアタリにアワセを入れるべきなのかの判断は初心者には難しい。YouTubeで予習してきた大きなアワセを積極的に入れるも、タイミングが合っていないようで竿が空を切るばかりだ。