12月28日、兵庫・神戸第7防波堤(通称・7防)に釣行した。この日は、前情報以上にサビキで大型アジが釣れ盛り、ルアーやノマセでブリが上がるなど、これまでの大阪湾の冬景色とは全く様相が違っていた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・伴野慶幸)
TPOに応じた道具選びが秘訣
28日の好釣果の陰には、魚の良い群れが回ってきた以外にも、釣果を伸ばせた要因があった。ターゲットはデカアジで、釣り場は竿下、タナは水深のある海底ぎりぎり狙うという諸条件を、総合的に踏まえたサビキとタックル選びが功を奏したと思っている。
当日の工夫を紹介
当日選んだサビキは、フラッシュ仕様の目立つサバ皮のハリ6号で、幹糸6号、ハリス4号の太仕掛けだ。タックルは磯竿5号5.4mに、道糸4号を巻いた両軸リールをセット。まきエカゴはサビキの上下それぞれに付けるダブル方式とし、上カゴとサビキの間にクッションゴムを介した。
つまり、魚体が大きくても絡みにくく耐久性のあるサビキを、最短で竿下の海底ぎりぎりに降ろし、上下からまきエサをサビキの周りにまとわせて連掛けを狙い、巻き上げの際にはテンションを極力小さくしてバラシを避けるという工夫をしたのだ。
結果、周りは一投ごとに1尾のところを、私には2連、3連と魚を掛けたタイミングもあり、バラシも1尾だけと、釣果を伸ばす事に成功した。
オールシーズンでサビキ釣りを楽しみたいなら、万能竿、スピニングリール、ウキとプラカゴ付きのサビキセットいう定番の組み合わせだけではなく、TPOに応じたサビキとタックル選びを試してみてはどうだろうか。
情報が一層決め手に?
TPOに応じたサビキとタックル選びとなると、そのTPOの元となる情報を的確につかむ事も大切だろう。釣りに関する情報は、TSURINEWSをはじめとした釣り専門メディアのほか、釣具店や渡船店、釣り人個人からと、様々な所から発信されている。
ネット社会の今、情報は簡単に入手できるが、それを的確につかむのは釣り人自身。発信者は誰(どこ)、何時の情報、ターゲットの種類、釣果の数や型、潮、時間帯、場所、釣法、タックル、エサ、タナと、情報の切り口は多項目にわたる。
さらに残念な事に、一部のマナーの悪い釣り人のおかげで、釣り禁止エリアは徐々に増えており、ルールが守られた上での情報なのかも見極める必要がある。
簡単そうで難しい要素
サビキで釣るのはアジやサバ、イワシなどの回遊魚なので、同じ波止でもピンスポット単位で釣果が大きく違ったり、短期間で釣れなくなってしまう事もしばしばある。まして近年の釣況は、過去の例に当てはまらないケースも出てきている。
たかがサビキと言うなかれ。サビキ釣りこそ、釣れている時に、釣れる場所に行って、釣れる魚を釣りに行くという、簡単そうで実は難しい要素を秘めている釣法だと思う。2020年の大阪湾のサビキ釣りは「情報」が一層決め手になるのではないだろうか。
<伴野慶幸/TSURINEWS・WEBライター>