林良一が解説するエリア別カワハギ攻略法は5回目。今回は、東京湾外海・千葉南中部エリアおける、カワハギ攻略の特徴と釣り方を解説する。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 林 良一)
関東エリアの特徴
金谷エリア
港周辺にカワハギの好ポイントが点在していて、初秋にコッパが群れだすと大釣りのチャンス。
また、金谷と久里浜を結ぶ東京湾フェリーの航路も好場所で、その縁やカケアガリを狙うといい。
勝山エリア
勝山港前はなだらかな砂地で、浅場に消波ブロックやカジメがある。
浮島周りは急峻な根周りとなり大型が多い。北側の保田沖は、なだらかな砂地にツブ根が点在する。
館山、洲の崎エリア
千葉側では一番南に位置するポイントで、おおむねなだらかな砂地にツブ根が点在している。
基本的なカワハギの釣り方で素直に食ってくることが多く、入門や、釣りに迷いが出た時にリセットする時にいいかもしれない。
東京湾外海&千葉南中部の釣り方
これらのエリアでの、砂地やツブ根周りの釣り方をクローズアップして解説する。
ツブ根とは
根とは磯が海に入り込んだような岩礁帯を指すが、磯と地続きではなくても海の中には根が存在する。
海底から隆起してできる島を想像してほしい。その島が、海面に出ることなく海中にあるのが根であり、その規模が小さなものが「ツブ根」と呼ばれている。
急峻であれば根掛かりの危険はともなうが、砂地にある粒根はそう険しくないものが多い。キャストして広く探り、根掛かりを回避しながらの釣りが展開できる。
誘い
まずは船下を狙ってみる。アタリが無い場合はキャストして広く探ってみるのも一手。仕掛けが数十m離れた場所の海底から釣りをスタートさせることになるが、まずはその定点で誘いをかけてみる。
仕掛け上部の中オモリや集器を揺らし、それに付随してミキイト~ハリス~エサが揺れて誘いになる。
アタリ
アタリがあったら一瞬、仕掛けを送る。カワハギの摂餌態勢である前傾姿勢を取らせ、エサを吸い込んだところで聞きアワセにはいる。
アタリが無いようなら
そのまま仕掛けをズル引きしたりサビいたりしながら、手前へと移動させる。
または、ラインを巻き込み一気にロッドを跳ね上げリールを数回巻いて、仕掛けを振り子状にカーブフォールさせる。これにより、カワハギの目の前に仕掛けを横切るように通して興味を引かせ、オモリ着底直後に訪れるアタリに備える。
オモリについて
カワハギ釣り教室ではよく「中オモリの適正な号数は?」という質問を受ける。中オモリの号数は、水深と二枚潮などを含めた潮の速さに密接に関係する。
オモリの号数を決める目安はこうだ。
1.オモリが着底している状態でロッドを水平にする。
2.ロッド操作で竿先を1mくらいストンと下げる。
3.ここで、水面と竿先の間のラインのたるみが取れる時間を計る。
たるみが取れないようなら中オモリが軽く、海底にある仕掛けはほぼ垂直を維持していることになる。
反対にすぐにたるみが取れるようであれば重すぎるかもしれないので、0.5号ずつ軽くしていく。重い方が仕掛け操作は楽だが、その分アタリをスポイルしてしまうことになる。
林良一プロフィール
2012DKO優勝。カワハギはもちろんのこと、アナゴやフグ、タチウオなど東京湾のテクニカルな釣り全般に精通。
数々の経験と独自の理論を基に「RYO‘S METHOD」を確立。釣り教室や、仕掛け作り教室、実釣会などを多数開催し、メーカーなどの垣根を超え多くの釣り人が訪れる。
<週刊つりニュース関東版 林 良一/TSURINEWS編>