東京湾西部は関東の一級スポットが点在している。今回は、その東京湾西部におけるカワハギ攻略の特徴と釣り方を解説する。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 林 良一)
東京湾西部カワハギポイント特徴
東京湾の観音崎と富津岬を結ぶ線の南側から、剣崎と洲の崎とを結ぶ線までの外海エリアは、神奈川側には、剣崎、久里浜、下浦など。千葉側は館山、洲の崎、勝山、金谷、竹岡など、関東のカワハギ釣りの一級ポイントが点在している。
今回は神奈川側の主要釣り場について解説。
久里浜、下浦、鴨居
久里浜港を出て南のアシカ島、金田湾一帯。
砂地の平場が主だが、ところどころ粒根が存在する。このエリアでは、シーズン初期こそ反応はないが、徐々にアタリが増えだし釣れ盛る。
久里浜港から北の鴨居沖は、なだらかな砂地に岩盤のような平らな根が点在している。
剣崎(けんざき)沖
剱埼(つるぎさき)灯台の東~南側一帯。水深10mを切る浅場から50m以深と、水温次第で幅広い場所が狙える大場所。
初夏には産卵場所となり、6~7月には、同沖を自主禁漁とする遊漁船が多い。
潮の速いエリアで遊泳している魚が豊富なためか、筋肉質の魚がよく見られる。
海底形状は複雑な根周りが多い。
剣崎沖の攻略法
潮が速く、根周りの剣崎沖では、あたかもアンカーを入れたように、ポイントの上に船を止めて釣る場合、ミチイトが斜めに出て釣りづらいだけではなく、根掛かりにも直結する要素を多く含んでいる。
だが、個人的には大好きな場所で、そういった環境を攻略して、筋肉質で遊泳力のある魚を速い潮を割って釣り上げるのは爽快だ。
根周りの攻略
根周りなので、オモリが着底したら、底を切って宙を狙ってみる。根掛かり防止になるが、根の荒い海底ではカワハギは根の頂上付近を結んだ変化に富んだ見えない面を遊泳していることがあるため。
オモリをヒラウチさせて誘う
まずは、オモリが着底したら1mほど底を切り、その場でオモリをヒラウチさせる。ヒラウチとは、ロッド操作でオモリを海中で暴れさせること。トップガイドは定点に止まったまま、ロッドの胴中がムチを打つように、連続してしなったり戻ったりを繰り返すアクションを加える。
すると、好奇心の強いカワハギは、ヒラウチ状態のオモリに興味を示し接近、エサを発見し摂餌するといったイメージ。
アタリ
アタリを感じたら穂先を少し下げ、魚を下に向かせてハリ先からエサを食わせ、直後聞きあげるとハリ掛かりしてロッドが大きく弧を描く。
根掛かりの避け方
また、特に潮の速い日は宙に浮き切らないことがあるので、底を狙うが、何度も書いているように根が荒い場所であるので、根と根の間に深く入ってしまった仕掛けは目立たず、それゆえアタリがなくなると考えられる。
そこで「根歩き」といって、イトはなるべく立てた状態で、根にオモリがコンタクトしては少し離すことを繰り返し、根掛かりを避けながら釣ることも頭に入れておきたい。
解禁直後は浅場で大型のチャンス
毎年解禁直後の8月は、浅場で型が釣れる可能性が高く、自己記録更新を狙える時期となるので、チャレンジしてほしい。
林良一プロフィール
2012DKO優勝。カワハギはもちろんのこと、アナゴやフグ、タチウオなど東京湾のテクニカルな釣り全般に精通。
数々の経験と独自の理論を基に「RYO‘S METHOD」を確立。釣り教室や、仕掛け作り教室、実釣会などを多数開催し、メーカーなどの垣根を超え多くの釣り人が訪れる。
<週刊つりニュース関東版 林 良一/TSURINEWS編>