【東日本編】12月に旬を迎える海の幸5選 漁期2ヵ月のカニとは?

【東日本編】12月に旬を迎える海の幸5選 漁期2ヵ月のカニとは?

日本は四方を海に囲まれた島国であり、季節や場所によってスーパーに並ぶ魚介類も様々。冬は産卵や寒さに備えて脂が乗り太った美味しいサカナがたくさんいます。今回は、なかでも12月に旬を迎える東日本のサカナを紹介します。

(アイキャッチ画像作成:TSURINEWS編集部)

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目次

2019年もあとわずか

季節はもう年の暮れ。寒い季節は家にこもって、温かい鍋を肴に熱燗を……と行きたいところですが、残念ながらそうもいかない師走の時期。

ですが、忙しい12月を乗り切れば、楽しいお正月が待っています。

ということで、今回はお正月に向けて、12月が旬の魚をご紹介! 

年の初めは豪華なサカナを食卓に揃えてみてはいかがでしょうか。

12月の北海道の旬:『マグロ』

日本人が最も好きなサカナといえば、やはりマグロ。なかでも、マグロの王者ホンマグロ(クロマグロ)は“お正月用のマグロ”としてお求めになる方も多いのではないでしょうか。

近年では年明けの初荷で行われる初競りの価格が大変注目されており、2019年の価格は、なんと1本3億円という、まさに初夢のような価格がつきました。

2020年には、令和で初の初競りが豊洲で行われますが、一体いくらの値がつくのか注目です!

代表的な食べ方

運よく国産ホンマグロが手に入ったとしたら、まずはなんといっても【お刺身】で濃厚なうまみを舌で堪能しましょう。

たとえ赤身であっても、口の中にあふれるパワフルな味わいは、どんな魚にも真似ができない、まさに冬の王者と呼ぶべきおいしさです!!

【東日本編】12月に旬を迎える海の幸5選 漁期2ヵ月のカニとは?本マグロのお刺身(出典:PhotoAC)

12月の東北地方の旬:『カキ』

冬の味覚は数あれど、カキだけは外せないという方も多いのではないでしょうか。ぷりぷりとした新鮮な生ガキに、サクサクと貝からカキのうまみがほとばしるカキフライ、そして熱々のカキ鍋……想像するだけでたまりません!

ちなみに、加熱用のカキと生食用のカキの違いは鮮度の差ではなく、浄化という工程を通っているかそうでないかの違いです。

「浄化槽を通していないから加熱用のカキのほうが生で食べてもうまい」などという俗説がいまだに多く出回っていますが、そういった行為はノロウィルスに感染するなど、大きなリスクを伴います。絶対におすすめしません。

生食は生食用で、鍋やフライは加熱用と、料理によって最適なカキを使い分けるのが、おいしいカキを堪能するコツです。

ちなみに、カキの産地としては北海道や広島などの産地が有名ですが、あくまでも個人的に好きなカキの産地は身が大きく、甘くてクリーミーな宮城県です!

【東日本編】12月に旬を迎える海の幸5選 漁期2ヵ月のカニとは?どんな食べ方でも美味しいカキ(出典:PhotoAC)

代表的な食べ方

前述したように、どのような食べ方をしてもおいしいカキ。今回はカキを酢漬けにした【カキのピクルス】をご紹介します。

大根おろしを使って洗ったカキをオリーブオイルと白ワインで炒り煮にし、市販のピクルス液に漬け込むだけで贅沢な味のピクルスのできあがり。こちらもリッチな晩酌のお供にぴったりです。

12月の北陸地方の旬:『セイコガニ』

北陸の冬に食べられるカニといえば、カニの女王とも呼ばれる越前ガニ!

そんな越前ガニのなかでも珍重されるのが、小さな雌カニのセイコガニです。

『セコガニ』とも呼ばれるその小さなカニは、食べるところが少ないセコいカニということではなく、むしろ濃厚でねっとりとした卵を持った、非常に貴重で美味なカニです。

セコガニは資源保護のため、漁期が非常に短く設定されています。

約2ヶ月しか獲ることができないたいへん貴重なカニですので、この時期を逃すとまた1年食べれれなくなってしまうのでお見逃しなく!

【東日本編】12月に旬を迎える海の幸5選 漁期2ヵ月のカニとは?この時期しか食べられないセイコガニ(出典:PhotoAC)

代表的な食べ方

セイコガニの最もおいしい食べ方は、なんといっても茹でたカニにかぶりつく【塩ゆで】。ですが、カニを茹でたら脚が取れてしまったという苦い経験をお持ちの方もいらっしゃるはず。

これはカニをいきなり熱いお湯に入れると生きたカニは自分の身を守るために脚を切り離してしまうために起こってしまいます。

なので、茹でる30分ほど前には真水に浸けて、シメておくのをお勧めします。真っ赤に茹で上がったら、濃厚な内子と外子、カニ味噌の濃厚なうまみがあなたを待っています!

12月の関東地方の旬:『スミイカ』

新鮮で肉厚なスミイカ(コウイカ)は、高級なお寿司屋さんやイタリアンレストランなどでしか出会えないイカです。

『コウイカ』とも呼ばれる由来にもなっている特徴的な甲羅は、烏賊骨(うぞっこつ)という漢方薬に利用されます。

こちらは甲殻を焙って砕き粉末にしたものを用い、胃薬や湿布薬として効果を発揮するとのこと。

【東日本編】12月に旬を迎える海の幸5選 漁期2ヵ月のカニとは?身がとても分厚いスミイカ(出典:PhotoAC)

代表的な食べ方

コウイカはなんといっても、お刺身がおすすめ。肉厚な身なのに食感は非常に柔らかく、しっとりとした甘さが口いっぱいに広がります。

ですが、今回おススメするのは、卵黄やみりんなどを塗って、美しく焼き上げた【黄金焼き】。

おせち料理などと並べても遜色のない贅沢な一品です。お正月の肴のひとつとして、いかがでしょうか。

12月の東海地方の旬:『寒ザワラ』

近年、ルアーフィッシング対象魚としても人気を集めているサワラ。

魚へんに春と書いて「鰆」と読むことから、春だけの魚と思われがちですが、冬の寒ザワラは脂が乗っており、静岡県・御前崎では『波乗り鰆』とも呼ばれるブランドサワラもいるほど。

ですが、サワラの鮮度が落ちるスピードはとても速く、生で食べられる鮮度のサワラは豊洲市場でも真っ先に料亭に流れてしまうため、スーパーなどではあまり見かけない高級魚です。

もしも、見つけたのならおいしい寒ザワラを食べるチャンスかもしれません!

代表的な食べ方

サワラは表面をあぶって、カツオのたたきのようにして食べる【サワラの土佐造り】が絶品! さっぱりとした刺身に、香ばしい香りと皮ぎしの脂が身に染み込んだうまみが、抜群のハーモニーを醸し出します。

【東日本編】12月に旬を迎える海の幸5選 漁期2ヵ月のカニとは?焦げ目が美味しい土佐づくり(出典:PhotoAC)

年明けまで忙しい仕事が続く今の時期。

だからこそ自分たちへのご褒美として、お正月にはちょっと贅沢なサカナを肴にしてみてはいかがでしょうか。

<塩味鷹虎/サカナ研究所・WEBライター>