地域や時期などで、釣り方が異なるメバル。以下ではそれぞれエサの違う釣り方3種、エビメバル、サビキメバル、イワシメバルを紹介。どれも独特の釣趣がある。誘い方やタックルを確認して楽しんでみては。
エビメバルは海底をイメージして探ろう
東京湾で2月からスタートするエビメバルは、江戸前を代表する釣りとして人気。
タックル
図参照。キャストすることもあるので長い竿は使いづらい。
長くても2.7m前後が好適。
エサ
エサはモエビと呼ばれる淡水エビが主流。
エサ用のオケに海水が混ざると弱りやすいので注意。
淡水エビとはいえ、海中でもしばらく生きており、体が透明のうちは使用できる。
死んで体色が白くなったら交換のタイミング。
付け方は、まず付け根の第一節を残すように尾羽根のみを切り取り、そこにハリを刺す。
通常は腹側にハリ先を抜くが、エビが小さい場合は丸まりやすいので背中側に抜いてもいい。
海中でくるくる回転しないようにまっすぐつけることが大事。
釣り方
タナはほとんど海底付近。
底に着かず離れずの位置にオモリをキープする。
しかし、魚の活性が低かったり、水深が浅い場合は根の中に潜んでいることが多いため、仕掛けを根の中に送り込んでエサを沈めることもある。
オモリが着底したら、ゼロテンションで竿先をキープ。
ゆっくり降下してくるハリが沈みきって停止するまで、10~15秒待つ。
アタリがなければゆっくり竿を立てて誘い、新しい場所に仕掛けを入れ替える。
広くポイントを探るキャストも有効。
この場合、さらにイトをたるませ、縦の仕掛けを斜めに使う釣り方が功を奏する場合もある。
消波ブロック帯など、障害物周りを狙うことも多く、海中をイメージして変化のある場所を狙うことが大切。
アタリはいきなり竿先をバタバタたたくことが多いが、低活性時はイワシメバル同様、少し竿先をフワフワっと動かす程度のことも。
強くアワせるとスッポ抜けるので、ここは我慢。
ゆっくり竿を立て、メバルが自らハリ掛かりするのを待つ。
障害物にぴったり居着いた魚は一度バレると再びヒットする可能性は低い。
大型狙いこそアワセは慎重に。
誘い上げの最中、モタれるアタリを感じたときも同様に対処する。
ハリ掛かりさせたら魚をうまく泳がせてエサを躍らせ、積極的に多点掛けを狙うと楽しさが倍増。
多点掛けが痛快サビキメバル
動くものに積極的に反応する習性を利用して、魚皮などのサビキ仕掛けといった疑似餌で釣るのも面白い。
タックル
図参照。ハリ数が多く仕掛け全長が長くなるため、3m前後の竿が使いやすい。
サビキはサバ皮などを使ったものが多い。
釣り方
サビキ仕掛けで釣れるメバルはシラスを捕食している可能性が高く、中層まで浮き上がることが多い。
中層までのタナを意識して、底から1~2m、時には5m上まで探るといい。
高活性時は船長からタナの指示があることが多く、指示ダナ上限に仕掛けの中心がくるようすると上ダナでのヒットが増え、遊泳力に優れる大型の確率が上がる。
仕掛け投入後、タナの2m前で止めて、50cm刻みで段をつけながら落として仕掛けをアピールさせるのが効果的。
アワセは向こうアワセでOK。
テンションが変わらないように、イトを張りながら泳がせて追い食いを待つ。
イメージ的には下のハリに1尾目を掛け、群れの中に暴れる仕掛けを引っ張っていく感じで操作する。
次つぎにメバルが飛びつくと仕掛けの暴れが継続されてチャンス。
取り込み
多点掛け時は一気に船内に取り込み、エサ置きの棚やバケツに魚がクロスしないよう広げておいて上のハリから順番に魚を外す。
ハリを船外に出しておくとオマツリが防げる。
活性が低く、我慢の釣りになった場合はオモリをゼロテンションに。
時折、ごくゆっくりと大きく持ち上げ、タナを取り直す動作を繰り返す。
これでもアタリが遠い場合はオマツリに注意しながら少しイトフケをだして仕掛けを斜めにするとヒットの可能性が上がる。
エビエサが配られている場合は、サビキ仕掛けに1~2匹付けるといいこともあるのでお試しを。
スリリングな駆け引きが楽しいイワシメバル
相模湾などで盛んな活イワシエサのメバル釣り。
食い込むまでのワクワク感や駆け引きが面白い。
ヒラメやカサゴといったゲストもひんぱんに竿を曲げてくれる。
タックル
図参照。エサを弱らせず、しっかりと食い込ませるために胴調子竿がいい。
イワシが自由に泳げる50~80cmと長めのハリスの仕掛けが特徴。
絡みやイトヨレ防止にヨリトリビーズや小型サルカンを使用する。
エサ
活イワシは目をふさぐと静かになるので両目を軽く押さえて装餌する。
ハリを下アゴから上アゴを縫うように刺し、口が開かないようにする。
移動中、下バリはハリ付けしたまま海水をはったバケツで生かし、上バリはポイント到着後に付ける。
釣り方
仕掛けを投入。
このとき、一気に落とし込むとエサが弱るのでリールのスプールを指で抑えるサミングでブレーキをかけながら落とし込む。
ベラにエサを取られたり、カサゴが掛かる場合はタナが低いので、タナを上げて静かに待つ。
海底の起伏が激しい場所では30秒に1回くらいの割合でゆっくりと竿を立てて誘い、アタリがなければタナを取り直す。
アタリは波の上下とはわずかに違うモタレが竿先にでることが多く、焦らずにそのままハリ掛かりして引き込むのを待つのがキモ。
潮や船の流れが速い場合は竿先を送り込むといいが、送りすぎてオモリが急激に下降し、魚がエサを離すことがある。
竿先のテンションを一定に保ちながらイトを送る。
ハリ掛かりすると強烈な引きが伝わる。
持久力はないので竿でタメて静かになってから巻き上げる。
このとき、根に潜られないようにしばらく泳がせると追い食いしてくることがある。
ただし、メバルが泳がなくなると追い食いしないので、次のアタリがなくても巻き上げるようにする。
最後に
メバル釣りに根掛かりはつきもの。
仕掛けや替えバリ、オモリの予備は十分に用意したい。
根や障害物周りでヒットしたとき、根掛かりかと思ったら急に巻き上げられるようになったという場合には、魚が根に潜って出てきた可能性が高い。
根掛かりしたと思っても最後まで諦めないほうがいい。
季節がら、寒さが身にしみるので、防寒対策を万全にして、好みの釣り方で早春のメバル釣りを楽しんでほしい。
<週刊つりニュース関東版編集部/TSURINEWS編>