ゲーム性の高さと強烈な引き、さらに食味の良さで大人気になったルアーターゲット『サワラ』。原木中山の林遊船の釣況と、ルアーサワラの基本的な攻略法をお伝えしたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版 APC・奥野忠弘)
東京湾湾奥のルアーサワラ
一昨年、昨年と秋から初冬にかけて東京湾奥に大群が押し寄せ、そのゲーム性の高さと強烈な引き、さらに食味の良さで大人気になったルアーターゲット・サワラ。
今年は例年より早く、8月下旬より湾口から湾奥まで広範囲でベイトを追い回していたが、最近は東京湾の最奥のエリアに集結し、たくさんの釣り人を熱くさせている。
10月下旬の釣況
10月の下旬は、大型船からの青物ルアー五目。平日にもかかわらず、サワラフィーバーに乗り遅れまいと集まったアングラーは12人。さらに、チャーターボート2隻も満員で大盛況だった。
通常は7時半出船だが、この日は濃霧のため8時半。沖に出ると霧は晴れたが、“霧がでる=風が無い”ということ。この釣りでは鬼門になるベタナギのピーカンだ。さらに潮止まりの時間帯が重なって、トリヤマやサワラのハネは単発で、厳しい時間が続く。しかし、上げ潮が動き出した瞬間に一気に魚の活性は上がった様子で、あちこちでトリヤマが発生、そこを直撃して80cmをキャッチ。
魚が沈んでトリヤマが落ち着いたら、40gのジグをキャスト。着底後、早めのワンピッチジャークを試すと、宙層でガツンとイナダがヒット。トリヤマを探しながらランガンして、84cmサワラとイナダをキャッチ。
同船者も後半に続々と同魚をゲットしていく。前回サワラ10尾を手にした常連・押久保さんはサワラ5尾キャッチ。皆が大満足するキャスティングゲームになった。
11月3日の釣況
11月3日(日)は16人を乗せて出船。この日もナギ倒れの雰囲気が濃厚だったが、船長が早い判断でランガンしたおかげで、初挑戦の小山さんが早々にゲット。「還暦をすぎました。マイボートを持っているのでずっと狙っていましたが釣れなくて。人生初となるサワラを釣らせてもらえてよかったです」と破顔一笑。
サワラやイナダ、これまで釣れたことがないエリアで指4本級のタチウオが連発。移動のたびにポツポツとルアー五目便らしい釣果はでていたが、胴の間の私はシーバスが入れ食いでも、青物のアタリには恵まれなかったが、終了間際の13時半に、巨大なトリヤマとサワラのハネが発生。
急行して、フルキャスト。高速トゥイッチで誘いをいれるとガツンとヒット。強烈なファイトで船長の差し出すネットに収まったのは大本命の極太サワラで、船長と笑顔で握手を交わしながらのガッツポーズ。
さらに、このチャンスで、同級を4連チャンし、9回裏の一発逆転ホームランな気分。ここで、ほとんどの人がこの魚をキャッチ。石田さんや常連・立川さんには良型のタチウオ。
阿部さんはこのエリア初となるイナワラをゲットし、超エキサイティングで、ドラマチックな楽しい一日になった。
ルアーサワラの魅力
表層で逃げ回るイワシなどを高速で追いまわして捕食しているサワラは、その移動速度の速さや目の良さのため簡単には釣れない分、ゲーム性が高く興味を持って挑戦する人は多い。
全身がトロの様になった脂ノリノリの大型は、食味が最高なので、普段はルアーをやらない釣友から度々レクチャーの依頼がある。
基本的な釣り方
基本的な釣り方は、広範囲に動いている魚の居場所をみんなで見つけることから始まる。
サワラのハネの密度が高いポイントや、トリヤマ、潮目などをラン&ガンするスタイルがメイン。
ルアーのアクション
船が止まって合図がでたら、その方向に向けて、なるべく早くなるべく遠くにルアーをキャスト。活性が高い個体は表層を泳いでいることが多いので、着水後は、ミノーならすぐに早巻きや連続トゥイッチ、ストップ&ゴーなどいろいろな誘いで様子をみる。
ジグやバイブレーションの場合
メタルジグやバイブレーションなら、着巻きでアタリが無ければ、5~20秒ほどカウントダウンして、同じく早巻きや連続トゥイッチでリアクションバイトを誘発する。
ルアーローテーション
他のルアーターゲットと同じく、ルアーの大きさや色でもアタリの出方は違うので、こまめにルアーローテーションをすることが有効。
最近はかなり群れが固まってきており、いい群れに当たれば連続ヒットが可能。船長とルアーを信じて、キープキャスティングすることが「価値ある1尾への近道」だと思う。