出汁の決め手といえば「鰹節(かつおぶし)」。今は削られたものが売られているので、節そのものを見たことない人もいるのでは?今回は、自宅で簡単に鰹節を作る方法を調べてみました。ちょっと時間が掛かる根気がいる作業ですが、ぜひトライしてみて下さい。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
本枯節は4カ月もかかる
高級な本枯節は、今回の記事の工程で作った裸節をかび付け庫に運び、温度と湿度を管理することにより、十数種類のかつお節カビを節の表面に繁殖させます。
1回のカビ付けには約2週間かかり、温度や湿度が徹底管理された場所でカビを付け、それを天日干しし、乾燥させた後ブラシなどで丁寧にカビを取ります。
これを数回繰り返すことで、節はより熟成され、香りはますます良くなり、うまみ成分の含有量も増えていきます
最初はカビの色が緑色ですが、数回繰り替えすとその色はどんどん茶色に変わってきます。だんだんとカビが生えなくなってくるので、そこまで熟成させたらやっと本枯節の完成です。
ここまで来るのに最低でも約4週間の時間を要します。本枯節は生産者の技術と努力の結晶といっても過言ではありません。
保存方法
さて、今回作った荒節ですが、一度に使い切ることは難しいと思いますので、季節に応じた保存を心がけると風味や旨味が損なわれずに済みます。また、荒節(裸節)は、枯節に比べると乾燥度が低いため、常温で置いておくと青カビや虫が発生する可能性が非常に高くなるため注意が必要です。
必ず、密封できる袋に入れ、冷蔵庫で保管するようにして下さい。
余った魚は荒節に
例えば釣ってきた魚が余ったり、切り身が安く売っていたら、荒節を作ってみるのもいいかもしれません。
日本では、マガツオではなく、その他にもソウダガツオや、マグロ、ムロアジ、ゴマサバ、ウルメイワシなどでも「~節」を作っています。
釣ってもあまりおいしくないことで有名なソウダガツオを使った宗田(ソウダ)節は鰹節の中では非常に高級品とされています。
もし、調理する時間に余裕があったら、リリースするのではなく、是非一度自分好みの鰹節を作ってみてはいかがでしょうか?
<近藤 俊/サカナ研究所>