冬も本格的になり、波止では身近なターゲットである根魚たちが元気になり始める。いろいろな釣りの中でも比較的簡単で、初心者でも釣れてしまう。しかもタックルも比較的安価でそろえやすく、もちろん食べてもとってもおいしい魚たちだ。今回は人気の根魚たちを、冬の波止から攻略する方法を紹介したい。
狙える魚種
この時期代表的に狙う魚はカサゴだ。
アグレッシブなファイターで、小型でもなかなかの引きを楽しませてくれる。
他にもメバル、ムラソイ、タケノコメバル、アイナメなどさまざまなターゲットがいる。
基本的なポイント
根魚というくらいだから、当然何もない場所にいるわけではない。
海の中の障害物に身を潜めている。
今回は基本となるポイントをいくつか紹介しよう。
堤防際
基本中の基本は足元だ。
堤防の際には根魚がいることが多い。
特にコンクリート(ケーソン)の継ぎ目は甲殻類が住みやすく、好ポイントになるため必ず探っておきたいポイントだ。
テトラ
テトラはまさに根魚のマンションといってもいいほどの好ポイント。
本体夜行性である根魚たちは、奥深くに隠れていることが多い。
入り組んだテトラの穴を狙うので根掛かりなどのリスクはあるが、その分リターンは大きい。
ゴロタ
岩などが重なり合った場所で、その隙間に潜んでいることが多い。
水深20cmほどの岩のすき間にも潜んでいることがあるので、チョウチン釣りのような要領で狙うこともある。
タックル
ブッコミ
ブッコミ釣りは、沖のカケアガリや障害物に潜む根魚を、仕掛けを投げて狙う釣り方。
根魚はエサをくわえると、自分のすみかの岩の隙間などに一気に戻りテコでも出てこなくなる。
いわゆる根に潜られたというヤツだ。
そこで胴のしっかりしたサオで、根魚を一気に底から引き離す必要がある。
具体的には短めの磯ザオの3号程度、あるいはシーバスロッドやエギングロッドも使える。
投げる釣りなので、当然リールはスピニング。
ミチイトは2~3号を100mほど巻いておこう。
仕掛けは胴つき1本バリがお勧め。
詳しくは仕掛け図を参照にしてほしいが、先オモリ式で根掛かりのリスクを減らし、底付近を丁寧に探ることを意識したい。
探り釣り
主に堤防の際、ケーソンの継ぎ目を探るときに使うが、できるだけ短めのものがいい。
お勧めはクロダイ用のイカダザオ。
鋭敏な穂先で食い込みを妨げず、バットがしっかりしているので良型の根魚にも対応できる。
リールは小型両軸リール。
イカダのクロダイ用の上向きリールやバス用ベイトリールでもOKだ。
仕掛けは胴つき2~3本バリか、中通しオモリを使った先バリ1本のミャク釣りスタイルのどちらか。
釣りやすいのは胴つきだと思うが、ここは好みが分かれるところ。
穴釣り
テトラなどの隙間に仕掛けを落として狙う釣り方。
近年では大型量販店に「穴釣りセット」としてサオ、リール、仕掛けがセットになった安価なものがある。
このセットで十分釣れるので、1からそろえる場合はお勧めだ。
今ある他のタックルでも応用できるのでそちらを紹介しよう。
サオについてだが、バスロッド、イカダザオ、ちょい投げザオと意外になんでもできてしまう。
長さは150~170cmまでが扱いやすいだろう。
リールは、スピニングリールからベイトキャスティングリール、イカダ用リールとなんでも大丈夫。
軽くて小さなリールが扱いやすい。
ラインだが、根掛かりが多いので細いラインよりも2号以上の太いラインを使おう。
仕掛け
足元、テトラの隙間などを狙うのに便利なのがブラクリ。
ラインにただ結ぶだけの簡単な仕掛けだ。
ただし根掛かりのリスクも高い。
価格も比較的安価なので釣行の際にはたくさん用意しよう。
エサ
ムシエサ
アオイソメやイシゴカイなどが一般的。
海釣りの代表的エサで万能と言えばこれだ。
1匹丸々ではなく、5cmほどに切って使うといい。
どんな魚にも相性が良いため、根魚以外にも多種な魚が掛かることが多い。
オキアミ
こちらも海釣りではメジャーで、甲殻類を好む根魚にはもってこいのエサだ。
尻尾からハリを刺して使おう。
ただし、軟らかいためフグ、ベラなどのエサ取りに弱いのが難点。
カツオのハラモ
エサ持ちが非常に良く、エサ取りにも強い。
1~2cm角に切り取って使おう。
ただし時間がたつとにおいがなくなり集魚性が落ちるので、こまめに交換した方がいい。
障害物が多い穴釣りに最適だ。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>