ヘラブナ釣り『チョウチンウドンセット』のキホンを解説 秋はタナを釣れ

ヘラブナ釣り『チョウチンウドンセット』のキホンを解説 秋はタナを釣れ

11月が近づくと管理釣り場では水温が徐々に下がり、両ダンゴでヘラブナを釣ることが難しくなってくる。そこで今回は、この時期にお勧めしたい『チョウチンウドンセット釣り(上バリにバラケエサ、下バリに食わせエサ)』を説明したい。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 APC・伊藤晃

アバター画像 TSURINEWS編集部

淡水の釣り ヘラブナ釣り

チョウチンウドンセットの釣り方

ウキをサオの穂先から30cmぐらいの位置にセットして、まずはウキのエサ落ち目盛りを決めていくが、目盛りの付いたトップ4分の1ぐらい沈んだ位置でいいだろう。だいたいトップの付け根から2~3目盛りになるかと思う。

次に、食わせエサだけを付けた時の目盛りも確認しておくと、バラケエサが残っているのかどうかの目安にもなる。基エサを3分の1ぐらい小分けにして、残りにはぬれたタオルなどをかけて乾燥を防ぐ。エサの打ち始めは小分けしたエサを10円玉ぐらいの大きさに丸めて、ウキが深くなじむよう丁寧にエサ付けする。ウキが沈没してしまうぐらいの方がいいだろう。

ウキがナジまないのは、ハリがエサのセンターに入っていないか、エサ付けの圧力が弱い可能性が高いことも考えられる。特にハリのチモト(ハリスが結んであるハリの上部)はきれいに圧力をかけてほしい。

チョウチン釣りの場合は、ウキの位置が穂先のすぐ近くにあるので、ウキが沈没したらサオを持ち上げて、ウキのトップが半分ぐらい出るまで持ち上げてやればいいだろう(これを「立誘い」と言う)。何度も練習して3回前後立誘いしたら、ウキのトップが出たままになるエサの大きさと圧力を覚えよう。

ヘラブナ釣り『チョウチンウドンセット』のキホンを解説 秋はタナを釣れおすすめのウキ各種(提供:週刊つりニュース中部版 APC・伊藤晃)

仕掛けのバランス

11月はまだ活性があり、バラケエサの近くに寄ってくるヘラブナが多いので、基本的にはバラケエサをしっかりナジませることがポイントだ。

ヘラブナ釣り『チョウチンウドンセット』のキホンを解説 秋はタナを釣れ秋のヘラブナ(提供:週刊つりニュース中部版 APC・伊藤晃)

ハリスの長さ

20分前後エサ打ちしてもアタリが出ない場合や、カラツンが連続する場合には、下ハリスの長さを変えてみるといい。下ハリスは35cmぐらいからスタートし、アタリが少ない場合は5cmずつ長くして、カラツンやスレが多い場合は5cmずつ短くすることが多い。セオリー通りうまくいかないときには、逆の対応をしてみると、ヒット率が上がることもある。

バラケエサのタッチ

釣れない原因がバラケエサにあることも多いので、下ハリスの調整で駄目な場合は、バラケエサのタッチ(硬さ)や持たせ方を変えてみよう。

簡単に言うと、ヘラブナを寄せたいときは、水分が少なく比重の軽いエアーを含んだボソタッチのエサが良く、ヘラブナが寄り過ぎたり上ずりを修正したい場合は、水分が多く比重がありエアーが抜けている、しっとりタッチのエサがいい。

ボソタッチにしたいときは、使っているエサに基エサを足したり、麩を足すことでパサパサした硬いエサになる。しっとりタッチにしたいときには、水の入ったボウルに手を入れ、ぬれた手でかき混ぜることによって、水分が多くて軟らかいエサになる。

持たせ方を変えるときは、エサの大きさや形と圧力を変えて、ウキが上がってくるまでの時間に変化をつけてみる。エサを小さめにするなら1円玉ぐらいになると思う。真ん丸に付けるのが一番エサ持ちも良く、涙型や俵型で全体に圧力をかけるか、チモトだけ圧力をかけるのかでも、ウキのナジみ方が大きく変わる。

バラケエサを早く抜くといっても、一度はトップの先端ぐらいまでウキがナジむようにしたい。その時の状況に合わせて、落下速度や量の変化を想像しながら調整したい。

慣れるまでは、ハリに付けたエサを目の前に落として、どんなバラケ方をするのか確認してみるといいだろう。ウキの動きを見ながら次のエサは小さくしてみようとか、少し軟らかくしてみようと考えながら、小さな修正を繰り返していくのがヘラブナ釣りの難しいところでもあり、面白さでもある。

秋はタナを釣れ!アタリの取り方

「秋はタナを釣れ」と言われることもあり、朝晩の気温の上下による水温の変化や水中の酸素濃度などによって、その日その時でヘラブナのタナも変わりやすい。8尺ザオでも50cmから2mぐらいまでタナが探れるので、アタリが少ない場合はウキの位置を変えてみるのも試してみたい。

肝心なアタリの取り方は、小さくても力強いブレーキのあるアタリを中心に狙っていく。本アタリではなく、前アタリや糸ズレのアタリもたくさん出ると思う。大きくウキが沈んでも勢いがなかったり、ズルズル入っていくようなアタリは見送った方がいい。

個人的には、バラケエサを食っても全く問題ないと思っているので、早いタイミングのバラケエサが残っている深ナジミ状態のアタリでも、強いアタリは積極的に取っていく。

早いアタリといっても、ウキがナジむ前のアタリは上ずりの原因になりやすいし、カラツンの確率が高いので見送った方が無難だろう。

理想的なウキの動きとしては、ウキが立ったら適度に受けが出ながらナジんでいき、ヘラブナの触りでウキが返ってきたら、エサ落ち目盛りが出る前にカチッと強く落とすパターンだ。

ワンポイントアドバイス

ヘラブナ釣りにおいて、エサの手直しはとても重要で、エサを変化させる場合は少しずつにしよう。

例えば、軟らかくするためエサに手水を打つ場合には、指に水を付けてかき混ぜるだけでも、その水滴で十分に効果がある。エサ付けの圧力に変化をつける場合は、チモトを押さえる回数を3回から5回にする程度でいいだろう。

水中でハリにエサが残っている時間が5秒前後変わるだけでも、ヒットするかカラツンになるのかの分かれ目にもなる。大きく変化すると、正解の状態を通り越してしまい、アタリがなくなってしまうことも多い。

11月は、ほどほどにヘラブナの活性があり、セット釣りを始めるには最適な季節だと思うので、いろいろ試してほしい。

ヘラブナ釣り『チョウチンウドンセット』のキホンを解説 秋はタナを釣れ秋は釣行するにもナイスなシーズン(提供:週刊つりニュース中部版 APC・伊藤晃)

お勧め釣り場:朝日池

朝日池はリニューアルオープンして桟橋が新しくなり、トイレなどもきれいになった。水深3~5m近くのポイントが多く、チョウチン釣りもしやすい。25~30cmぐらいが中心だが、35cmを超えるようなヘラブナも放流されているので、強い引きが楽しめるだろう。

朝日池(岐阜県海津市海津町本阿弥新田247)

▼この釣り場について
釣り場:朝日池
料金:一日1500円、半日1000円
電話番号:0584(53)4027

<週刊つりニュース中部版 APC・伊藤晃 /TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2019年10月25日号に掲載された記事を再編集したものになります。