港町で新鮮な魚料理を食べるときにメニューの中でたまに見る「なめろう」という文字。どんな料理なのか。そしてこの料理はどこで発祥したのか。「なめろう」の詳細についてと簡単レシピもご紹介します。
(アイキャッチ画像出典:PhotoAC)
キホンのレシピ
では、一般的ななめろうのレシピをご紹介します。
なめろうのプレーンとも言えるレシピですので、ここからアレンジして、自分オリジナルの最高のなめろうを目指してみてください。
材料
・アジ:(2尾分) 4枚
・薬味
・長ねぎ:1/2本
・大葉:2枚
調味料
・すりおろしニンニク:小さじ1
・すりおろし生姜:小さじ1
・味噌:大さじ1
・醤油:小さじ1/2
作り方
1、長ネギはみじん切りにし、 アジは三枚おろしにして皮を剥ぐ。
2、アジの身をザク切りにする。
3、まな板のアジと長ねぎ、全ての調味料を包丁で混ぜながら細かくたたく。
4、アジの身がペースト状になるまで細かくたたき、アジと追加した薬味、調味料がうまく馴染んで、粘り気が出てきたらOK。
5、お皿に大葉を敷いてなめろうをのせて完成。
ワンポイントアドバイス
なめろうという料理は、たたきと違い、身の形状がなくなるまで細かくたたき潰すことが特徴です。
本場の千葉県では包丁にべったり張り付くまでミンチにします。これは細かくすることで、各食材から旨味を出すためだからと言われています。
アジは必ず新鮮な物を使い、 皮をしっかり剥いておくと口当たりがよりよくなります。また調味料にニンニクを使う事でさらに漁師飯感がアップしますよ。
なめろうのアレンジレシピ
房総半島の沿岸部周辺にはなめろうを使ったアレンジ郷土料理が他にも存在します。
焼いたら「さんが焼き」
南房総の漁師料理に「さんが焼き」と言うものがありますが、一言で言うと「なめろう焼き」。
漁師が山へ仕事に行くときに、アワビのからにあまったなめろうを入れて持っていき、山小屋で蒸したり焼いたりして食べたことから、「山家(さんが)焼き」と呼ぶようになりました。
味噌入りの氷水で溶いたら「水なます」
なめろうに味噌を溶いた氷水を注いだ料理を「水なます」と言います。
魚を使った冷たい味噌汁といえば、同じような料理として「冷や汁」を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、「冷や汁」は焼いた干物を使用するのに対して水なますは生の新鮮な魚を使用するのが特徴です。
さっぱりとさらさらっと食べられるので、夏にオススメの一品です。
出汁をかけたら「孫茶(まごちゃ)」
あたたかいご飯の上に、なめろうを乗せ、お出汁をかけて食べるのがなめろうのお茶漬けを「孫茶(まごちゃ)」と言います。
漁師が船の上でまごまごせずに素早く食べられるように考案された料理という説や、あまりにも美味しいため、「孫にも食べさせたい」という思いから「まご茶」と名付けられたという説があります。
熱いお出汁を注ぐことで、なめろうに少し火が通り、また違った食感や風味を楽しむことができます。
<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>