晩秋の波止は魚種も多彩で高活性だ。夏から釣れ続いている魚も居れば水温が徐々に下がってきて活性が上がってきた魚も居る。家族で、グループで晩秋に釣りを目いっぱい楽しむための沖波止の利用法&この時期の大阪湾沖波止で狙いたい魚を紹介していこう。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集部・松村)
沖波止(沖堤)の魅力
波止釣りとひと言で言っても岸から突き出た波止や漁港、大型港湾部、そして沖に独立して浮かぶ一文字と呼ばれる沖波止や、船でないと渡る事ができない護岸など、形状や地形はさまざまだ。大阪湾でも周囲をぐるりと巡るように船で渡って釣りができる波止が並んでいる。
沖に位置する波止は潮通しもよく、港湾の奥にまで入り込まない魚が回遊したり、船を使う分、敷居が高いのか岸の釣り場ほど人が常に入らない事もあって魚影も濃い。大物、小物問わず楽しめることが、晩秋の沖波止の魅力なのだ。
沖波止の概要
沖波止と定義するのは船で渡る(渡船)護岸である。これには独立したコンクリートケーソンの波止もあれば、大きな埋め立て地の一角で岸からは行けずに、直接釣り場となる護岸へ船で渡して貰う波止などいろいろあるが、総じて沖波止と呼んでいる。
この釣り場で釣りをするなら、まずは渡船の利用法を知っておく必要がある。渡船は出船する場所が決まっていて、渡るべき波止も決まっている。渡る事ができる波止の数はそのエリア(渡船区と言う)によって違うが、それぞれに名前、名称が決まっていて、釣り人が渡る場所をある程度決定できる。
渡船屋の詳細
沖堤防へ渡る場合の注意点と渡船屋の利用方法について簡単に説明しよう。
時間が決まっている
そして、渡る時間や迎えに来る時間なども決まっている。電車やバスに乗って目的地に向かうようなものなので、まずは時間にルーズな人は乗り遅れたり、迷惑がかかるので気を付けたい。
「平日は5、6、7、8時に出船」と言ったようにあらかじめ船が出る時間が決められているので、その時間にきっちりと準備ができて船に乗り込めるような時間配分が必要だ。
渡れば必ず迎えもあり
電車やバスと違うのは渡してくれれば、必ず迎えに来てくれる点。迎えの時間も決まっているので、帰りの船の時間を決めて帰り支度をする。注意したいことは、特に帰りの時間だ。「その日の最終」には必ず乗り込んで帰着しないと、行方不明の扱いになり事件、事故扱いに発展する可能性があるためだ。
渡船利用の流れ
渡船の場合は、予約が不要な事が多く、出船の時間を確認したら、その時間に合わせて受け付けに行き、人数などを申し込む。受け付けで料金を支払ったら、案内されるままに船に乗り込む。初めての場合は「初めての利用です」とはっきり言っておくと、親切に案内してくれる。
渡る場所が多くて分からない場合は、船長や受け付けの人に、釣りたい魚、用意した釣り具などを伝えて、渡る場所のアドバイスを受けるのが手っ取り早い。
トイレは事前に確認
ちなみに女性がもっとも心配するのはトイレだろう。トイレは沖の波止には設置されていない事がほとんど。渡船に乗り込む前に済ませておく事と、船にもトイレが設置されている場合があるので、確認をしておこう。船が定期的に見回りに来て(後の時間の送りなど)くれた時に、船長に「トイレを借ります」と言えば、トイレが済むまで護岸に着けたままにしておいてくれる渡船も多いので、現場に船が着く時間も確認しておくといい。
波止に上がれば通常の波止釣りとなんらかわりなく釣りが楽しめるが、忘れ物は厳禁。と言うよりも取りに帰る事はできないので荷物はしっかりとまとめて船に乗り込みたい。
荒天での撤収も考えておく
出船前に帰りの時間を知らせるケースや、着いた船ならいつ乗り込んでも帰港してくれる場合もあり、その辺りも出船時に確認しておこう。また、急な天候悪化で早く撤収する事もあるので、天気が怪しくなってきたら、いつでも釣りを止められる準備をしておく事も大切だ。
救命具の貸し出しもある
当たり前の事だが、救命具の着用が必須になってくる。乗船時、そして沖の波止での釣りでは、いつ落水するか分からない危険と隣り合わせなので、慣れているからと言って非着用は厳禁。渡船店には救命具を無料で貸し出してくれる場所も多いので、事前に確認しておこう。借りた救命具は下船後、回収される。