関西の日本海方面では、冬場の水深80m以深の中深場でメダイ狙いが人気。引きが強烈で、怪力の持ち主でもある。今回は大型メダイを釣るための2つの釣法を解説したい。
(アイキャッチ画像撮影:TSURINEWS関西編集・松村)
テンビンフカセの釣り方
テンビンの下にオモリを打たない3ヒロ程度の仕掛けがなびき、自然にエサが漂うのを演出する釣り。さらに、テンビンに付けたまきエカゴからポロポロとまきエサのオキアミが流れ出て、仕掛けに沿って流れるので、まきエサとさしエサの同調が自動的にできる。
メダイ釣りでは定評のある京都・網野の丸田丸・田末船長に聞くと、引きが強烈なので仕掛けはマダイや青物狙いよりもかなり太め。具体的にはハリスは10号、エダスには12号を使用し、ハリは細くても伊勢尼14号、通常はヒラマサ14号を薦めるそうだ。
メダイ釣りで重要な役目を果たすのが、クッションゴム。テンビンの中をクッションゴムが通ったパイプ製のクッションテンビンを使用するか、ステンレステンビンなら、テンビンの上下に2.5mm径で長さ1mのクッションゴムをダブルで付ける。オモリは潮の速さによってもかえるので、水深から考えて80~100号が基本となる。
田末船長は「釣り方としては最初はテンビンを海底から仕掛け分上げたタナからスタートするのはマダイ釣りなどと同じだが、メダイは寄ってきても、食い出すまでに時間がかかるため、あまり頻繁にタナをかえずに我慢の釣りをした方がいい」と話す。
胴突き仕掛けの釣り方
胴突き仕掛けはオモリが最下部にあり、縦に伸びる幹糸の途中からエダスを出すスタイル。まきエカゴは仕掛けの上部に付け、カゴと道糸の接続部分にクッションゴムを入れる。
マダイ釣りのようにあまり広いタナを探る必要がないので、仕掛けは3本バリ程度に止めておき、エダ間は2ヒロ前後でOK。こちらもハリスは12号以上、幹糸は10号以上を使用する。
胴突き仕掛けの場合は、オモリが着底したタナがもっとも深い設定で、そこからエサ取りの具合によって徐々にタナを調整していくが、テンビンでの釣り同様、あまり大きくタナをかえる事はないと言う。
アタリとアワセ
掛かれば竿がひん曲がるほどに突っ込み、激しい引きが延々と続くのがメダイ釣りの醍醐味だが、実は食ってくるまでにごく小さな「エサ取りかな」と言うくらいの前アタリが出る事が多い。この前アタリの後に、いきなり突っ込む事が多いのでしっかりと穂先に集中して構えたい。
また、いきなり食ってくるパターンとしてはまきエサをカゴから振り出して竿を置いた瞬間などもアタリの出るタイミングだそうだ。
どちらも竿がしっかりと入り込んでからアワせればいい。この時にシッカリとハリを口に掛けたい。実はメダイには、鋭いザラザラとした歯があり、飲み込まれると強烈な引きと相まって、ハリス切れを起こす事があるためだ。
やり取りでの注意点
やり取りでの注意点もある。竿は竿受けに掛けたままでもいいが、竿の角度を保つために、グリップを持って少し持ち上げて角度を付けておくと竿の弾力が十分に生かせる。また竿受けに掛けたまま、電動で巻きっ放しはよくない。
マダイなら浮かせてくると浮き袋が膨らみ、抵抗が弱くなるし、青物なら暴れているウチに、頭が上を向けば上へと泳ぐので簡単に距離を縮める事ができるタイミングがある。
対してメダイは常に底へ、底へと突っ込む続けるので、強い引きが浮かせるまで続く。案外、口周りが柔らかいので竿の弾力を生かしてやり取りをしないと口切れでバラしてしまう事もある。
ドラグ調整が命
最後にメダイのとのやり取りではリールのドラグ調整も非常に重要だ。最近の電動リールはドラグ性能もしっかりしているので、時々は手で糸を引っ張ってみて少し力を入れて引っ張ればドラグが滑くらいに調整しておきたい。あまり緩く設定するといつまでも上げられないし、強すぎれば強烈な引きでバラす事につながる。
苦労して釣り上げたメダイは、しっかりと血抜きをして締めてクーラーへ。1度食べれば病みつきになると言うメダイの料理方法は刺し身、フライ、天ぷら、鍋、塩焼きなど多種多様。この冬はメダイ釣りにチャレンジしてみませんか?
<松村計吾/TSURINEWS関西編集部>