管理釣り場の魅力が数釣りなら、野釣りの魅力は何といっても大型狙い。野釣りといえば春の乗っ込みのイメージが強いが、これから秋にかけては初心者でも扱いやすいタックル&エサで大型が狙える好シーズンだ。今回はそんな秋の野釣りの準備編として、エサ、タックル、ポイント選びを紹介する!
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・土屋直人)
秋は野釣り入門の好機
蒸し暑い夏はいつまで続くのだろうと思っていたら、数週間前から気温が下がり、朝夕は半袖では肌寒さを感じるようになってきた。あっという間に夏が終わり、秋が始まった。
ヘラブナ釣りにおいて活性が高いのは、水温に比例して真夏になる。「最盛期=数が釣れる時期」だが、型となるとまた別の話。
管理池ではあまり実感することは少ないが、ダムや湖といった野釣り場で尺半(45cm)上の一発大物を狙う釣り人にとっては、秋は絶好のチャンスの時期といえる。
なぜなら、ヘラブナは冬に向けて体力をつけるために荒食いをするのだが、その一方でジャミや小型のヘラの活性は、水温とともに大型より先に下がるためだ。この時間差を利用すれば、この時期は大型が狙うことが可能になる。
今回はガチガチの巨ベラ狙いというよりは、初心者でも扱いやすいタックルやエサを使った、ダムや湖など野釣り場での大型狙いを紹介したい。もちろん、大型の実績バッチリなので、ぜひ実際に試してほしい釣り方だ。
大型はマッシュポテトを好む⁈
やはり、大型狙いのエサはマッシュポテトが基本になる。これは迷信ではなく理にかなっている。
なぜなら、グルテンは繊維がマッシュフレークを包み、他の魚や小型でも吸いやすいエサになってしまう。せっかくの大型が近くに居ても、先に小型が釣れてしまい場所が荒れると、大型が警戒して口を使わなくなってしまうからだ。また、ダンゴエサも魚を寄せる力が強いため、同様の現象が起こってしまう。
一方、マッシュポテトはサラサラとバラけ、粒子が細かく魚を寄せにくい。また、繊維質がハリに残らないので、ハリ掛かりさせようと思えばエサを塊のまま吸わせる必要がある。そのため、ある程度の大きさの魚でないとエサにアタってこない。
実際にグルテンやダンゴだとジャミでウキが動き過ぎていたが、マッシュにかえると大人しくなるのはよくある現象だ。近くに居る魚をとにかく反応させるのがグルテンやダンゴなら、マッシュはジャミや小型を避けて大型に口を使わせる。そんなイメージになる。
マッシュベースの宙釣りで大型狙い
基本的に野釣り場でこの時期大型を狙う場合には、水温の安定している深場がポイントになるため、宙釣りが基本。野釣り場は足元から傾斜になっているため、底に着いたとしても、根掛かりやコイが掛かるなど釣りにくい要素が多い。狙うタナは様々で、前日はタナ1.5m付近がよかったが当日は3.5mがよかったなどもある。ウキの動きを見ながら探っていこう。
エサはマッシュポテトをベースにダンゴエサを少しブレンドしたものを使う。このダンゴエサを使う理由は寄せなどではなく、粘りや、重さ、開きの加減を使いやすいエサにするのが目的だ。マッシュポテトだけを使ったエサは練り加減や水加減を安定させづらく、なかなかテクニックがいる。そこでマッシュポテトをベースにダンゴエサをブレンドしたエサをオススメする。
タックル
私は大型狙いの釣り方の中では比較的ライトタックルでスタートする。管理池に行き慣れた方でもそこまで違和感なく使用できるタックルからまずは始めて、小型や中型が釣れてしまい大型が釣れにくい場合や、ジャミなどでウキが動き過ぎる場合にはタックルを大きくしていく。
サオ
サオは、15尺~21尺。ある程度硬さがあり、しっかりしたものを使おう。軟らかいと大型とのやり取りはもちろん、エサやウキが重い分、振り込みがしにくくなってしまう。長さは魚が跳ねる(もじり)位置や周りとの兼ね合いで決める。基本は深場に入る長さ。
ウキ
ウキは、タナ3mでボディ14cm。これを基本とし、タナ深くなったりジャミが多い場合は大きく、浅くなったり活性が低ければ小さくしていく。トップは中太のパイプかPCムクを使用する。
ミチイト
ミチイトは、1.5号。視認性がいいものを使う。基本的に2m以上のタナでサオが15尺以上の場合は、そこまで太いものは必要ない。タナが浅い場合や障害物の周りを狙う場合は、ワンランク太いものを使う。
ハリス
ハリスは、0.8号。長さはタナ2mの場合は上50cm下75cmを基本に前後10cmほどかえていく。深くなれば長く、浅くなれば短く。また、カラやスレが多い場合は管理池同様に短くする。
ハリは、太軸の13号。ジャミが多ければ18号まで大きくしていく。マッシュベースのエサは軽く、視覚的にヘラにアピールさせるためにエサが大きくなってしまう。ハリが小さいと振込の時にエサが取れたり、エサ持ちが悪くなってしまうのだ。
エサ
エサは、徳用マッシュ400cc +藻べら100cc +カルネバ100cc +水400ccで50回ほど練り、浅ダナ一本100ccを入れてほぐす。これを半分に小分けして使用する。
狙うポイントやタイミング
野釣りでの大型狙いにとってかなり大切になってくるのは、ポイント選びとタイミングだ。ポイントは基本的にはワンドの入り口にある岬など比較的水通しがよく、水深があるポイントになる。これは最初に言った通り、水温が安定する場所だからだ。また、タイミングは雨での増水やある程度の濁りがキーワードになる。ダムのWEBサイトなどで貯水量を確認するといい。
次回は
次回はあると便利なグッズから実際の釣り方、ダムの紹介まで野釣り場での大型狙いをさらに解説したい。いい時期になってくるので、ぜひ大型を狙ってダムや湖に釣行してほしい。きっと思い出に残る大型が迎えてくれるだろう。
<土屋直人/TSURINEWS・WEBライター>