釣り人たるもの釣り上げた魚のサイズはどうしても気になってしまうもの。では、はたして今までにどのくらいの大物が、日本そして世界で仕留められているのでしょうか。今回は、公式の計測方法について紹介します。
(アイキャッチ画像撮影:webライター・伊川蓮)
正確に記録とされているもの
実は、現在各地で釣り上げられている魚達の記録をすべて網羅しているデータは存在しません。
というのも、釣りの記録というのはかなり個人的なもので、記録を計測する前に解体して食べてしまったり、中にはリリースしてしまい記録として残っていないケースがかなりの割合で存在しているからなんです。
記録を管理している団体
そんな中、使用するタックルや仕掛けにルールを設け、公正なルールに基づいて記録を統括しているのが、日本国内ではジャパンゲームフィッシュ協会(JGFA)であり、世界中の記録を統括しているのがInternational Game Fish Association(IGFA)です。
その中で登録されているのが現在正確な記録として認定されたものと言っていいでしょう。
計測方法は様々
ただ、JGFAやIGFAに記録されていない大物が釣られていないかと言えばそんなことはなく、さまざまな団体、メディアによって大物が紹介されています。ただし釣り上げられた魚の計測方法はかなり多岐にわたっています。
実寸と言って、実物の長さを計測したもの。拓寸という魚拓に写した魚の長さを計ったもの。他には重量で計測したもの等々と計測方法が様々で、はたしてどれをもって記録と言っていいのか実はかなりあいまいなところです。
3つの計測方法
ちなみに魚の計測方法をここで簡単に3つ説明します。ここでは拓寸ではなく、実物の魚体を用いた計測法となります。
①全長…吻(ふん:魚の頭の先)から尾鰭(おひれ)の最も長い部分を結んだ長さ(正確には尾鰭を畳んで最も長くさせて計測する)。
②尾叉長(びさちょう)…吻から尾鰭のくびれた部分までを結んだ長さ。
③体長…吻から尾鰭の付け根(鰭になっていない部分)までを結んだ長さ
となっています。
余談ではありますが、タツノオトシゴのような尻尾がクルリと曲がったような魚の場合、全長はどうやって計ると思いますか?
これが尻尾を伸ばすのではなく、曲がったなりで計測するようです。
魚種判定も重要
加えて各魚における正確な魚種も区分けされなければ公平とは言えませんよね。
例えば大物釣りの憧れのターゲットとして知られるクエやロウニンアジなどが、私が子供の頃にはクエはモロコ、ロウニンアジはカッポレと釣り人に呼ばれていたのですが、その中には数種類の近似種も併せて同じ名前で呼んでいました。しかしこれらすべてを同じ土俵の上に乗せるには無理があります。
本物のクエは大きくなってもせいぜい50㎏くらいなのに対して、近似種のマハタや、ハタ最大の種であるタマカイなどは優に100㎏を超えてきます。
それを以前はすべて同じカテゴリーのなかで語っていたんです。
釣り上げた後にサイズが変わる?
もう一つは釣り上げた魚自体も実は長さ、重さが時間と共に変化してゆくのをご存知ですか?
これは大きな魚であればあるほど大きく変化するんです。基本は釣り上げた直後が最も長さがあり、重量もあります。釣り上げた時にはメーターちょうどだったのが、帰宅して計ってみると2㎝くらい縮んでいた…なんてことはよくあります。
美味しく食べようとナイフで絞めたり氷水に漬けて持ち帰ったとしたら、さらにサイズは小さくなっているはずです。重さも体内の水分が抜けるため、時がたつにつれて軽くなっていく傾向があります。
記録魚をご紹介
さて、いろいろ小難しいことを書いてしまいましたが、次回は、記録が残っている魚達をいくつかご紹介していきます。ちなみにここではJGFAに必ずしも登録はされていないものの、記録として残っているものも出していく予定です。
<藤村/TSURINEWS・関東編集部>