三重県・紀伊長島沖。アオリイカやアカイカでは一大人気フィールドだが、ジギングやタイラバでは穴場的存在だ。今回はジギングメインで出船している紀伊長島港の綾玲に乗船し、同エリアのジギングにおけるポテンシャルを探った。
当日のプラン
6月13日午前4時半、紀伊長島港に到着すると、黄色い船体の綾玲がすでにエンジンをかけてスタンバイ中。急いでタックルを下ろし、車を指定駐車場に止めて船に乗り込む。
船長にこの日のプランを聞くと、まず70m前後の深場でマダイや根魚を狙い、その後20m前後のシャローでスーパーライトジギング。こちらのターゲットはイサキや根魚だ。
港を出て30分ほどで最初のポイントに到着。このエリアの特徴としては、とにかく船が少ないこと。漁師さんの船も含めて、見渡す限り見えるのは数隻のみだ。
船長によれば、「こっちはとにかく船が少ないですよ。あと特徴として熊野灘に面しているので魚種がとにかく豊富。年によってはカツオがすぐ近くのポイントで釣れたりする」とのことだ。
ドテラ流しで探る
またこちらでは船をドテラ流しで狙うことがほとんど。ドテラ流しとは船を横流しにし、潮や風に任せて広範囲を探っていく流し方。広大なポイントにおいて、最も効率的に探ることができる。船の流れる速度に合わせてジグの重さを選ぶが、この日は微風だったのでそこまで重いジグを使うことはなかった。
さて、水深68mで投じたのはTGベイト120g。ボトムを取って30m付近までシャクり上げてくる。このエリアでははやりのスロージギングが主流になっているとのことだが、実は私自身スローの経験はほとんどなく、タックルもジグも普段釣行している日本海や伊勢湾仕様のもの。いわゆる通常のライトジギングタックルだ。
50cm超のヒラメがヒット
何とかなるやろ精神で探っていると、ほどなく中層で何かがまとわりつく感触が。素早くフォールさせると、ラインがフケて直後に重みが乗った。鋭い横走りを見せて上がってきたのは、40cm以上はある極太のゴマサバ。久しく見なかったサイズのサバだ。
素早く中乗りさんが首を折って絞めてくれ、たっぷり氷を注ぎ込んでくれたクーラーに収めてくれた。
さらにその後サバ以上に重量感のあるヒット。中層だったのでマダイかと思ったが、三段引きがない。浮かせてきたのは50cmを優に超えるナイスなヒラメだった。
さらにポイントを80mラインに移し、タイラバに切り替えると40cm弱のきれいなマダイもヒット。
スーパーライトジギングへ
その後エソの猛攻にさらされたため、浅場に移動しスーパーライトジギングに切り替えた。
こちらは小型主体ながらアカハタがコンスタントにヒット。驚いたのは幻の魚であるクエが2匹もヒットしたこと。1匹はリリースサイズだったが、もう1匹は40cm近いまずまずサイズ。
さらにオオモンハタも交じり、にわかににぎやかになってきた。スーパーライトの本命と目されるイサキは時期尚早で顔は見られなかったが、漁師さんはすでに水揚げしており、ジグでの釣果も時間の問題だろう。