「アジングロッド」とは近年流行中のアジをルアーで釣る「アジング」専用のロッドのことだ。今回はそんなアジングロッドを流用して楽しめる釣りを5つご紹介。
ロッドのタイプで使い分け
アジングロッドを他の釣りに流用するにあたって、まずは持っているロッドの適合ルアーウェイトを見てみよう。ロッドの適合範囲内のルアーやオモリを使う釣りであれば大雑把に言えば流用が可能だ。
個々のアジングロッドのスペックによって向いている釣り、向かない釣りが出てくる。長さも重要になるが、「掛け調子」か「乗せ調子」も向き不向きの指針になる。アジングの場合、ロッドの調子自体はルアーの操作や感度を重視した釣りのため、先調子のものが多く、ティップの種類で「掛け調子」か「乗せ調子」か分かれることが多い。
チューブラータイプ
高弾性な「チューブラーティップ」を採用しているロッドは「掛け調子」が基本。ルアーアクションを付けやすく、アタリが分かりやすい反面。アタリを弾きやすいためしっかりとアワセを入れて掛けていく必要がある。
ソリッドタイプ
ティップに弾性が低く柔らかい「ソリッドティップ」を採用しているロッドは「乗せ調子」の場合が多い。食い込みが良いため向こう合わせで魚がかかりやすいのが特徴だ。ただ、ルアーの操作性や感度では「チューブラーティップ」に劣ることが多く、ただ巻きなどのリトリーブメインの釣りに向く。
その他
ティップのデメリットをロッド全体の調子で補うなど、乗せ調子と掛け調子の両方の釣りが出来る「乗せ掛け調子」のロッドも販売されている。
こういった特徴も踏まえ、狙う魚種によって使うロッドを選択しよう。
1,エリアトラウト
エリアフィッシングでもアジングロッドを流用することが可能だ。
エリアフィッシングではリトリーブメインの釣りになる事が多く、バーブレスフックの使用が基本なこともあり、やりとりでトラウトの首振りや突っ込みをいなせるスローテーパーの柔らかいロッドを使うことが多い。同様のスタイルで釣りをするならロッドテーパーの違いはあるが「乗せ調子」のアジングロッドを使ったほうがいいだろう。
また、エリアミノーイングや、スプーンでのボトム攻略など、スタイルによっては、先調子のアジングロッドならではの操作性や感度が活きることもある。
2,ハゼクラ
ゲーム性の高さで、ここ数年流行の兆しを見せている「ハゼクラ」。ハゼをクランクベイトというルアーで狙うこの釣りだが、専用ロッドがまだ少なく、軽量のルアーを扱いやすいライトソルト用のロッドやトラウトロッドを流用して使っている人が多い。
基本アクションはクランクベイトのリップで底を小突きながら巻いてくるというもの。ただ巻きがメインになるためアタリを自動的に乗せやすい「乗せ調子」のアジングロッドのほうが良さそうだが、「掛け調子」のロッドには底を小突く感覚が分かりやすいことや、ハゼの反応が悪い際に有効なアクションが付けやすいメリットもある。
3,メバリング
アジングと並ぶソルトライトゲームの代名詞「メバリング」。メバリングロッドとアジングロッドは使うルアーも同じようなものが多く、先調子の竿が多いなど共通点が多い。メバリングではトラウト同様にリトリーブがメインの釣りになるため、メバリングロッドは食い込みを良くするように柔らかいティップが採用されていることが多い。そのためアジングロッドを使う場合でもソリッドティップをオススメするが、チューブラータイプで能動的に掛けていくスタイルもあるため幅広く流用が可能だ。
4,カワハギ
エサ釣りでもアジングロッドは流用が可能だ。特にカワハギ釣りにおいてはカワハギの繊細なアタリを取れ、先調子で素早くアワセが可能なアジングロッドはカワハギ専用のロッドと共通点も多く向いている。ただアジングロッドではあまり重いオモリを背負うと折れてしまうため、軽いオモリを使用した胴付き仕掛けで堤防の足元を狙ったり、虫ヘッドでのフカセ釣りなどに限定される。
5,穴釣り
テトラやゴロタの間に落とし込み「穴釣り」もおすすめ。アジングロッドは先にも述べたように先調子のものが多く、また5ft~6ftと短めのものもが主流。5ft程度であれば、ブラクリ仕掛けでテトラの間を狙いやすい。ブラクリ仕掛けはとても簡単で、エサも時にはウインナーなどでも釣ることができるのでおすすめだ。
ただ、穴釣りは思わぬ大物が掛かることも。タックルのバランスがおかしいと、ロッドの破損につながる。ライン選びやドラグ調整はきっちり行おう。
<渡辺/TSURINEWS・関東編集部>