離島遠征は、未知の大型魚を身近に感じられることに加え、自己記録更新への挑戦と、記憶に残る大物への期待がかかる夢の釣行でもある。関東近郊から行ける離島のなかで、八丈島は羽田空港から直行便を利用すれば、わずか50分。身近な遠征として、非常に人気が高い。
八丈島アサギクで大型魚狙い
私が所属する釣りグループ〝味釣会(みつるかい)〟では毎年、有志が集まり、この島へ釣行していて、今年も6月8日(土)からの三日間、アサギクを利用し、総勢10人で大型魚を狙った。
初日、飛行機は無事に着陸できたものの、海は低気圧の接近により大荒れのため出船中止。
翌9日(日)、大きなウネリが残るなか、八重根港から3隻に分かれ、5時に出船。
最近の状況
例年、活きアカイカをエサに泳がせ釣りをおこなっていたが、今年はそのアカイカが現地で手に入らなかったため、各自で冷凍のイカエサを準備。ヤリイカやスルメイカはもちろん、なかには豊洲市場まで出向き、生のアカイカを仕入れたメンバーもいた。さらに、前日に堤防でムロアジを釣り、それを活かして船に持ち込むなど、各自、気合十分で出船。
私は、丸山さん、福西さん、冨岡さんとともに幸漁丸に乗り込む。船長に状況を聞くと「ここ数年の傾向ですが、黒潮の影響を受けて潮流が速く、水温が高い状態が続いています。例年ならエサになるアカイカが入ってきている時期ですが、今年は気配がないので、状況としては厳しいですね。それでも魚のスイッチが入れば口を使ってくれると思うので、頑張ってやってみましょう」と話す。
カケアガリに合わせ誘う
ポイントまで航程約40分。丸山さんはムロアジ泳がせ、私と冨岡さんはヤリイカ、福西さんはスルメイカをチョイスして、投入のアナウンスを待った。
「じゃあ、始めてみましょう。水深は250mで、どんどん浅くなっていきます」のアナウンス。
各自、思い思いのエサで第1投。オモリ着底後、素早く底からオモリをきり、20m上までをイレギュラーなスピードを加えながら探っていく。活きエサなら、みずから泳いで自然とアピールできるが、デッドベイトでは、活魚のようにみせられるかがカギとなる。そのため、カケアガリの地形に合わせて、底の取り直しをひん繁に行い、何度も誘いをかけていく。
船中1尾目は6㎏カンパチ
アタリがないまま3時間が経過したころ、福西さんに待望の反応。「食った~」という声が船内に響き、見にいくと、やりとりのまっ最中。竿を立てて構え、ファーストランをいなし、巻き上げにはいっている。
「あまり大きくないな」と言いながら、途中に見せる突っ込みはなかなかのもの。無事に仕掛けが上がり、取り込まれたのは後検で6kgのカンパチ。