居酒屋で酒を飲む時に、アテとして注文する人も多い『イカの塩辛』。実は食べるだけで、体にとっていいことが…?イカの塩辛を食べるだけで得られる健康面のメリットを調べてみました。
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『イカの塩辛』の概要
お酒のおつまみや、おかず、料理の材料にも使える万能食材『イカの塩辛』。イカの切り身と肝などの内蔵と一緒に塩漬けにして発酵させた、日本に古くから伝わる保存食です。
居酒屋でも人気のメニューであり、スーパーでも置いていない店はまず無い程の定番商品です。
含まれる栄養成分
イカの塩辛に含まれている栄養成分はタンパク質、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンE、タウリン、銅、カリウム、亜鉛、リン、マグネシウムなどがあります。
発酵の段階で栄養が増すため、イカの刺身やスルメと比べるとビタミンの含有量が多くなっています。
塩辛とお酒の相性
塩辛とお酒の相性がいい理由はいくつかあります。
・箸を進めるペースがあまり早くならず、ゆっくりお酒を飲むことができる
・アルコールが塩辛の生臭さを消し、両者の旨みを引き立てたせる
・少量から簡単に用意することができる。
こう言った理由がお酒によく合う理由とされています。
塩辛食べれば二日酔い知らず?
お酒をたくさん飲んだ時に辛いのが二日酔い。二日酔いの原因は肝臓でアルコールの分解される時に生成されるアセトアルデヒドという物質であるとされています。
肝臓で作られたアセトアルデヒドは血液中に溶け込み、血管内を通じて全身へと回ります。
それの血液を内臓や細胞が取り込むことで頭痛やめまい、吐き気などの中毒症状を引き起こします。
イカの栄養素の中でもっとも注目されているものは「タウリン」です。
イカの塩辛に豊富に含まれるタウリンには、アルコールの分解やアセトアルデヒドの解毒をサポートする作用があります。
二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを解毒する作用があるためイカの塩辛は二日酔いに効くと言われています。
普段何気なくイカの塩辛をおつまみにしている人が多いですが、実はイカの塩辛とお酒の組み合わせは理にかなっています。
食べ過ぎには注意
どの食品にも言えることですが、一つの食品を食べ過ぎることは好ましくありません。
イカの塩辛は塩蔵品なので、塩分を非常に多く含んでいる食品です。市販されているイカの塩辛には100グラムあたり4~10gもの塩分が含まれています。
日本人の一日当たりの塩分摂取量は成人男性で8g、女性で7g未満とされているので、塩分の取り過ぎに注意が必要です。
また、イカにはプリン体が多く含まれています。イカの塩辛は生のイカを使っているので、プリン体も多い食品です。
尿酸値が高く痛風を患っている方は、このプリン体の摂取量に注意して下さい。食べ過ぎると症状が悪化する恐れがあるので、食事の際は食べる量をコントロールする必要があります。
生のイカを使っているので消化も良くありません。イカの塩辛を食べ過ぎてしまうと胃や腸に負担がかかってしまいます。
食べ過ぎて体調を崩してしまうこともあるので、身体の負担のかからない程度に味わいましょう。
適量を守って美味しくお酒を飲もう
健康面で見ても相性が良いからと食べすぎるのは良くないですし、イカの塩辛と併せて飲めばお酒もたくさん飲んで大丈夫と言う考え方はNG。
そんな自分に都合の良い考え方をして度を過ぎた食べ方・飲み方はしないようにしましょう。
<近藤 俊/TSURINEWS・サカナ研究所>