水温の上昇とともに波止周りや浅いサーフへ接岸してくるのがキス。豪快な投げ釣りも楽しいが、小気味いいそう快なアタリと引きを、ライトタックルで楽しめるチョイ投げのキス釣りは春から初夏のお楽しみ。関西の波止やサーフで手軽に楽しむためのキスゲームを紹介しよう。
ポイントの選び方
ここからは実際の釣り方について。キスの生息する海底はほとんどが砂泥底。なので、足場に関係なく砂底、砂泥底ならキスが釣れる可能性は高い。ただ、水温が上がりきらない春先は、そのエリアにキスがやってきているかどうかが問題になる。
まずは投げてみて仕掛けが着底したら、サオでごくゆっくりと引きずっては止めるのを繰り返す。これで根掛かりするようなエリアならすぐに移動だ。
根掛かりしなければできるだけ足元まで探る。案外、足元の捨て石の際で釣れたりする。
サーフの場合は、一見、何もないように見えて、実はブレイクと呼ばれる段差がある。狙い目はそのブレイク周辺だ。目安としては、ブレイクを境に深さがかわるので、目視で判断できる。
キスのアタリ
キスのアタリは強烈で、いきなりサオをひったくるようにブルブルッと反応があるのですぐに分かる。アタリがあれば軽くサオを立てるくらいのアワセを入れて、巻き上げにかかろう。基本的には追い食いは待たず、1尾ずつを確実に釣っていきたい。
釣り方としては案外簡単なので、後はあちこちを広範囲に探ってキスの潜む場所を探すのがいい。
時合いはやはり早朝がまず第一、そして潮の動き始めなどの変化がある時だ。
夜明けからの時合いはかなり活性が高いのでぜひ狙っていただきたい。日が高くなると同じポイントでも急にキスのアタリがなくなり、イトヒキハゼなどの外道オンパレードとなることも多い。そんな時は潮の変化がある場所を探して大きく移動をするのも作戦だ。
ハリを飲み込まれたら
ちなみにキスはエサを吸い込む魚なので、けっこうハリを飲み込まれることが多い。そんな時はキスの腹側を上にして、親指と人差し指でエラの中に指を突っ込んでエラを開き、ゆっくりとハリスを引っ張ると不思議なくらいカンタンに抜けるので、飲み込まれたら試してみよう。
釣る際は必ず安全に
最後に、キス釣りは手軽な釣りである事は間違いないが、手軽だからといって、海がいつでも安全であるとはいえない。必ず、救命具や足回りなどの安全対策は十分にしたい。立ち入り禁止地区や釣り禁止エリアでの釣りは絶対にやめていただきたい。
また、キス釣りにはハオコゼのようなヒレに毒のある外道も掛かってくる。知らない魚はむやみにつかまず、魚つかみとプライヤーを持参して魚に触らないようにハリを外したい。
<松村計吾/TSURINEWS・関西編集部>