春の釣りは条件が揃わなければ簡単に沈黙する。まして今年は、ちょっとどこもかも反応が渋い。そのことを理解していても、実際に現場で何も起きない時間を過ごすと、やはり焦りが生まれるものだ。今回の垂水漁港の釣行は、まさにその典型であった。釣れない前提で組み立てながらも、どこかで反応を拾いたい。その葛藤を抱えたままの苦しい釣行となった。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・井上海生)
垂水漁港へライトゲーム釣行
4月25日、小潮。垂水漁港へライトゲーム釣行に出かけた。長潮前というタイミングで、潮の動きとしてはかなり弱い部類に入る。一般的に見れば外しやすい日であり、積極的に選ぶような条件ではない。ただし天候は良く、気温も安定している。
釣りをする上での快適さはあるが、それがそのまま釣果につながるわけではない。加えて風はやや横風気味で、ラインコントロールには多少の気を遣う状況であった。総合的に見て簡単な展開にはならないと判断できる条件である。
持参したタックルは、アジングロッド6・4ftにスピニングの1000番。ラインはPEの0・1号を巻いている。基本的にこの漁港の中でかかる小魚ならば、これ1本で獲れる。垂水はビッグゲストをLTでかけることがほとんどないので、安心してライトゲームに専念できる。
日没前にエントリー
日没前にポイントへ入り、まずは広く状況を探る。完全に暗くなる前の時間帯は、魚の動き出しを捉える上で重要である。開始して間もなく、足元付近で明確なバイトが出た。上がってきたのはキジハタ、サイズは23cm程度。
キジハタが登場(提供:TSURINEWSライター井上海生)狙っていた魚ではないが、開始早々の反応としては悪くない。魚がいること、そして口を使う状況であることは確認できた。この一尾で期待はわずかに高まる。しかし、その後は続かない。
しばらくはアジングに切り替え、レンジを刻みながら様子を見るが、アジからの反応は得られなかった。ベイトの気配も薄く、回遊が入っている様子は感じられない。
ここにもアジがいないか…と少々うなだれる思いである。ホームの大阪南港にも泉大津にも泉南にもいなかった。しかもこの春は例年の釣り物がほとんど沈黙している。どうも物足りない状況で初夏を迎えることになりそうだ。
メバル探すも遠く
完全に日が落ちてからは、本命のメバルを意識した展開に移る。表層から中層を中心に、ジグ単で丁寧に探っていく。しかし反応は乏しい。ライズもなく、生命感自体が薄い印象である。レンジを変え、コースを変え、できる限りのアプローチを試すが、明確な答えは返ってこない。
潮回りの影響が大きいのか、それともそもそもの魚影が薄いのか。判断は難しいが、少なくとも簡単に釣れる状況ではないことは明白である。時間だけが静かに過ぎていく感覚は、春の釣り特有のものだ。
ラストにプラグに良型
流れが変わったのは、釣行の終盤であった。ジグ単での反応が得られない中、プラグに持ち替え、より広く、よりファストに探る展開へ移行する。すると、表層付近で明確なバイトが出た。上がってきたのは25cm弱のメバルである。
やっと出たメバル(提供:TSURINEWSライター井上海生)この日初めての「狙って釣った感覚」のある一尾であった。
サイズも含め、十分に満足できる魚である。ただし、この一尾で状況が劇的に変わるわけではなく、連発には至らなかった。あくまで一瞬のタイミングを拾えた結果である。
いいところにかかっている(提供:TSURINEWSライター井上海生)今回の釣行を通して感じたのは、垂水エリアにおいても今年のメバルはやや薄い可能性があるという点である。例年のような安定感はなく、タイミング依存の傾向が強い。
全体として、厳しい条件の中で最小限の結果を拾った釣行であった。春の海は期待と裏切りが隣り合わせにある。だからこそ、わずかな反応をどう繋げるかが問われる。負けはしなかったが、勝つこともできなかった。そんな微妙な手応えの残る釣行となった。
<井上海生/TSURINEWSライター>
垂水漁港





