暖冬の影響で海水温が高く、各地で春の釣り物のスタートが早まっている。アオリイカも例外ではない。三重県・南伊勢町迫間浦のイカダでは早くも春アオリの一報が。老舗船宿の日乃出屋を利用して、ひと足早く春の大型アオリを狙って3月1日に釣行した。
陸っぱりタックルを流用
今回同行してくれたのは、川中さんとその釣友の高橋さん。川中さんはエギング初挑戦、高橋さんはそれなりに経験はあるが、ヤエン釣法も得意にしているとのこと。
午前6時30分に出船し、今年初釣果が出たというイカダへは10分ほどで到着。早速準備にかかる。初挑戦の川中さんのタックルは、高橋さんが準備。イカダの場合、陸っぱりで使うタックルをほぼそのまま流用できる。
エギは三重県で抜群の実績を誇るダートマックス3.5号。カラーはオレンジ系とパープル系を用意した。岸からイカダの手前まで群生しているウイード(藻)周辺を狙っていく。
初挑戦で500g級アオリ!
この日は雨上がりの強風が吹いていたが、終始吹き続けることはなく吹いたりやんだりの繰り返し。若干釣りにくいが、釣りにならないほどではなく、風の合間を狙ってキャストを繰り返す。
エギング初挑戦の川中さんはシャクリこそぎこちないが、徐々に感覚をつかんできたようで大きめのシャクリを入れてフォールを長めに取っている。
そして開始から30分たたないうちに、川中さんから「何か引っ張られた~」との声。振り返ってみると、グングンとロッドが曲がり川中さんは半ばパニック状態。すぐに高橋さんがサポートに回り、「テンションを抜かないように巻き続けて」とアドバイス。
ほどなく水面に浮かんだのは、本命アオリイカ。サイズは500gほどか。
高橋さんと「ビギナーズラックだね」と顔を合わせて笑いながら記念撮影を済ませる。エギはダートマックスの魔女クロスパープル。メッキボディーと特殊加工を施した布地が効いたようだ。
1kg超も初挑戦者が!
「次は自分が!」と勢い込む高橋さんだったが、次にロッドを曲げたのも川中さん。しかも先の1匹を掛けた時よりも、ロッドの曲がりが大きい。グングンとロッドを絞り込むジェット噴射にチリチリとドラグも滑る。
明らかな良型に、慌ててタモを用意する高橋さん。初めて経験するデカイカの引きに必死で応戦する川中さんだったが、ヒットした距離が近かったこともあり、1分ほどで明らかにサイズアップしたアオリイカが水面に姿を現した。すかさず高橋さんがネットでランディング。
優に1kgは超えている春のアオリイカだ。
前述したが川中さんはエギング初挑戦。初めてで連発、秋の数釣りシーズンなら分からなくもないが…。しかもキロオーバーゲットとは。最初はビギナーズなんたらと笑っていた高橋さんの顔も若干引きつっているのが分かった。
ようやく経験者にも
その数分後、今度は高橋さんがロッドを曲げる。待望のアオリイカ…と思いきや、上がってきたのは迫間浦で多いコウイカ。苦笑いしながらスミをかけられないよう慎重にスカリに入れる。
ヤエンでマトウダイ?
ここで高橋さんが生きアジを投入し、得意のヤエンで狙うようだ。
しばらくしてユルユルのドラグがけたたましくサウンドを奏でる。すかさずヤエンを手にし、投入のタイミングを計る高橋さん。ラインの角度を見てここぞのタイミングでヤエンを投入し、大きくアワセを入れた。だが引きがどうもおかしい。上がってきたのはなんとマトウダイだ。
この後高橋さんはマトウダイ2連発。合わせて3匹のマトウダイがスカリに入った。
今年は多いと聞いていたが、これほどとは。ノマセ仕掛けで本格的に狙っても面白そうだ。
肝心のアオリイカの方は朝の時合いが過ぎてから音沙汰がないが、川中さんは諦めずにシャクり続ける。潮の緩みで一度アタリはあったが、これは掛けられず。