12月に茨城県・大洗で開催された「第9回ハッスル!杯争奪大洗沖タコ釣り大会」に参加。この大会には、大洗をホームグランドにする鈴木斉プロも参加しており、開始早々タコを連発。他の参加者が釣れていない中で釣果を上げる鈴木プロに、「釣果を上げる秘訣」を教えてもらった。その内容を紹介していきたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部・河野)
目次
真冬の常磐沖「渡りタコ」釣り
12月~1月の釣り納め&釣り始めに人気の釣り物が「常磐沖の渡りタコ」。渡りタコは、東京湾にいる居着きの小型タコと違い、産卵場所やエサを求めて長い距離を移動する3〜5kg級の大型タコのことを指す。
時期にもよるが、浜値3,000円/kgを記録することもある超高級な水産物。色味も縁起の良い赤色なため、1杯でも釣れれば家族から喜ばれること間違いなしだ。
常磐沖の渡りタコは肉厚で美味しい(提供:TSURINEWS編集部・河野)「渡りタコ」は初心者向き!
大型と聞くと「初心者には難しいかも……」と思う方もいるかもしれない。しかし、個人的には東京湾のタコ釣りより初心者におススメしたい。
理由は「根掛りの少なさとアタリの取りやすさ」。この海域のポイントは東京湾と比べて根掛りが少なく、大型が多いのでアタリも明確。仕掛けの着底さえ把握できるなら、タコ釣り入門編としても最適だと考える。
早朝出船のタコ釣りは防寒対策に工夫が必要【PR】
日の出前~日中かけて楽しむタコ釣りでは、時間に応じた体温調節が重要。出船~実釣スタート時はじっとした状態でも暖かく、日が昇って汗をかいてしまっても汗冷えしない多機能なアンダーウェアを着用したい。
数あるアンダーウェアの中で、筆者がおすすめしたいのはミズノから発売されている「プレミアホットインナー ブレスサーモ」シリーズ。暖かさが1〜4の4段階(※ミズノ調べ)あり、冬の船釣りでは1番温かい「Activeモデル 厚手」が良い。
冬の船釣りで活躍する「プレミアホットインナー ブレスサーモActiveモデル 厚手」(提供:TSURINEWS編集部・河野)寒さ厳しい冬の船釣りで、このアンダーウェアが活躍する理由は「発熱力の高さと持続力(保温力)」。
「プレミアホットインナー ブレスサーモ」シリーズは身体から発生するわずかな水分も吸収して発熱し続けてくれるため、実釣開始の寒い時間や、釣れていない時間であっても温かく快適に過ごすことができるのだ。
この時期船釣りに行くときは、アンダーウェアに厚手のパーカー、薄手のダウン、厚手のダウンと重ね着をして臨むが、「プレミアホットインナー ブレスサーモ Activeモデル 厚手」の上下を着用していれば、厚手のダウンを着なくても汗ばむほどだった。
薄手のダウン1枚の着用で済むほど暖かい(提供:TSURINEWS編集部・河野)大洗のタコ釣り大会に参加
12月上旬、大洗港の光来丸で開催された、柔道家小川直也さん主催のタコ釣り大会「ハッスル!杯争奪大洗沖タコ釣り大会」に参加。参加者の中には、プロアングラーの鈴木斉さんや、釣り業界のレジェンド・村越正海さんといった錚々たるメンバー。和気藹々とした雰囲気の中、早朝5時に出船した。
釣り業界のレジェンドたちも参加(提供:TSURINEWS編集部・河野)タフなコンディション
当日の気温は5℃と、この時期にしては平均的な気温であったが、風が強く体感温度は0℃くらいに感じた。海上はうねりが強く、船酔いをする人が続出するタフなコンディション。船酔いをしなくても、うねりと風でエギの誘いを入れにくい状況だった。
当日のタックル
・ロッド:アルファソニック エギタコ183
・リール:ディーノタコ300PH/L
・ライン:PE3号
・リーダー:フロロ10号
・エギ:ぷりぷりポルポ3.5号、他4号エギ
・錘:80号
当日使用したタックル(提供:TSURINEWS編集部・河野)実釣スタート
1時間程度船を動かし、6時ごろ実釣スタート。底を取った後、錘が常に底についた状態を意識し、エギだけを上下させるよう誘いを入れていく。しかしながら、実釣後2時間が経ってもアタリはなし。一部の乗船者を除いてヒットはないようだ。
しかし、鈴木プロは厳しい状況下でも2杯の良型マダコをキャッチしており、プロアングラーの凄まじさを感じた。
良型のタコを釣り上げる鈴木プロ(提供:TSURINEWS編集部・河野)鈴木プロに聞く釣果アップ法
他の方が釣れていない状況でもタコを釣り上げる鈴木プロに、1匹も釣れない筆者となにが違うのか、どうすればヒット率があがるのかを聞いたところ、丁寧に解説をしてくれた。
ロッドの持ち方
まず教えてもらったのは、「ロッドの持ち方」。凪の日や潮の効きが弱い日は、ロッドを片手で持ち、誘いの回数を増やすことを意識しているとのこと。
しかし、冬の常磐沖はうねりや強風が吹き付ける日も多いため、そんな日はロッドを両手で持って丁寧に誘っていく。こうすることで、誘いの安定性が増し、荒れた日でもアタリもとりやすくなるようだ。
荒れた日は両手でロッドを持って誘いを安定(提供:TSURINEWS編集部・河野)時間帯に応じたエギのカラー選択
鈴木プロが実釣開始直後に使用していたのは、イエロー系エギとグローカラーのエギ。
船中ファーストキャッチの鈴木プロ(提供:TSURINEWS編集部・河野)エギに餌は巻かれていなかった。朝一はとにかく目立たせることが重要で、日が昇ってからはオレンジやレッドなど、原色に近いカラーに変更すると釣れる可能性が上がると教えてもらった。
エギのサイズは混合させる
最後に一番重要な「エギのサイズ」について解説をしてもらった。鈴木プロはすべて同じサイズのエギではなく、3.5号のエギと4号のエギを混合させていた。
3.5号と4号のエギを混合させる(提供:TSURINEWS編集部・河野)この理由について、大洗だとでかいタコが掛かるので、針が太くてシルエットも大きい4号エギは必須だが、すべて4号エギだけで揃えるとバレる可能性も上がってしまう。一回り小さい3.5号のエギも混合させてタコを誘い、4号エギでしっかりとフッキングさせる方法が有効だと解説いただいた。
4号エギの方は針が太くてバレにくい(提供:TSURINEWS編集部・河野)教え通りに良型マダコ手中
鈴木プロに釣果アップの秘訣を伺った後、早速実践。既に日が昇っていたため、エギのカラーをオレンジとレッドに変更し、3.5号の小型エギも混合させて再スタート。
丁寧に底付近で小突いていくと、2投目で竿に重みを感じた。竿を曲げてしっかりとフッキングさせて、根が掛かりかと思うような重みと格闘しながら上げていくと浮かんできたのは良型のマダコ。
薄手のダウン1枚でも温かく過ごすことができる(提供:TSURINEWS編集部・河野)重さを計測するとジャスト3kg。こんな大きなタコを釣ったのは初めてだったので大興奮。初心者にもやさしく丁寧に解説してくださった鈴木プロに深く感謝したい。
初めての良型タコに四苦八苦(提供:TSURINEWS編集部・河野)これから大型が釣れる季節に!
光来丸・中野船長からは、「これからの時期は、本格的に磯場で4〜5kg級の渡りタコ釣りが楽しめる」というコメントをいただいた。レンタルタックルの用意もあるため、年明け一発目の釣行は大洗の渡りタコを狙ってみるのはいかがだろうか。
<河野陸/TSURINEWS編集部>

