東京湾の船イシモチ釣り(13時沖上がりのショート船)に出かけてきました。潮があまり動かない「小潮」の日に出かけたにもかかわらず、良型19匹(船中22〜18匹)を確保!ゲストのシロギスに悩まされた1日?をレポートします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)
東京湾の船イシモチ釣り
東京湾の船シロギス釣りがフェードアウトしていく10月、そこにフェードインしていく「東京湾小物釣りフリーク」のターゲット・イシモチです。残暑が厳しかった今年は少し遅れてのスタートとなりましたが、順調に滑り出したようです。
そして11月中旬辺りからは、良い日はトップ80匹に達する日もでてくるように!東京湾の船イシモチ釣りはこうでなくてはいけません。
タックル
タックルは特にこれでなくてはダメ、というものはなく、7:3のLTアジ用を中心に、スピニングリールのシロギスタックル、ムーチングのメバルタックル等。稀に先調子の竿も見かけますが、イシモチは捕食が不得意な魚なので、慣れないうちは食い込みさせにくい硬めの竿は選ばない方がベター。
以前カワハギ竿でやっていた方(某船の名人)に話を聞いてみたところ「ちょい投げがやりやすい、アタリが取りやすい」とのことでしたが、それは自作の特殊な仕掛けを使い、神領域のテクニックを駆使しているからであり、シーズン2、3回釣行の筆者レベルでは難しい、が個人的な結論。
ポイント
また、金沢八景周辺の船のポイントは本牧沖(水深20~30m)が主ですが、状況により猿島沖(水深40~60m)も行く可能性があるので、その場合電動リールがあると便利。HPの情報や予約時等で、事前に行くポイントをチェックしておくとよいでしょう。因みに横浜沖、八景沖、横須賀沖は本牧沖同様浅い水深です。
鴨下丸の船宿仕掛けは3本針(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)鴨下丸で釣行
この日お世話になった金沢八景の鴨下丸は、東京湾のイシモチ釣りにおいては古くから定評のある釣り船宿の1つ。集合は6時半(6時より受付)で出船は7時半。
この日は潮があまり動かない、要するにイシモチがあまり口を使ってくれそうにない日ということもあってか、日曜日にしてはゆったりの6名。釣り竿や舵輪よりも、ギターやドラムが似合いそうなタチウオ船の船長に見送られ、定刻の7時半に出船。一路、本牧沖に向かいます。
イシモチ船(奥)とタチウオ船(手前)(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)余談ですが、この日の鴨下丸はイシモチとタチウオの2隻出し。タチウオ船は観音崎沖の水深80mでやり、場合によっては120mのポイントに行くとのことでした。それを聞いた手巻きの方、金切り声で大悲鳴!「一応糸は巻いてあるけどさ~」心中お察しします。
エサ付けと基本の誘い方
船は30分程走り、イシモチの定番ポイントである本牧沖に到着。準備をし、糸を垂らします。エサは太めのアオイソメで、(ネムリ)ムツ針に0.5~1cm程通し刺しにして10cm前後の垂らしを作る。
ネムリ形状の針、ということで通し刺しが難しいようなら、硬い頭にチョン掛けでもOK。エサがかじられたりしてちょん切れたら継ぎ足していくのですが、継ぎ足し過ぎると逆に食いが悪くなるケースがあるので、エサは新品1匹もしくは新品とボロボロの2匹までで抑えた方が良いです。
あまり「沖」という感じがしない本牧沖(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)誘い方
誘いは有効ですが、底にいる魚にも関わらずオモリトントンの誘いは逆効果のことがあるので(特にこの日のような小潮の低活性時)、底スレスレでたま~にトン、誘いをかけたら仕掛けを落ち着かせて待つ、の繰り返しが理想。
また本牧沖は水深が浅く(20~30m)、かつ砂泥なので、ちょい投げ&引きずりは有効。船中LTアジタックル3名、シロギススピニングタックル2名、メバルムーチングタックル1名という布陣でしたが、食い渋りの時間帯は圧倒的にスピニングのちょい投げが有利でした。
アタリの出方
アタリは「ガツガツッ」と明確で、個人的にはアジやシロギスと比べてちょっと下品? そんな印象。明確なのだけど、先に書いた通り即アワセは厳禁。竿先が突っ込んだタイミングでゆっくり聞きあわせ、といったイメージで。
向こうアワセかゆっくりのアワセが基本(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)特に鴨下丸の船宿仕掛け(針)は先端が内側を向いている「ネムリ」の形状で、これは基本「向こうアワセ」を想定した作り。状況によっては置き竿の方が良く釣れる、なんてことも往々にしてある位。
これを使う場合はプライヤーが活躍します(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)また、イシモチの市販仕掛けにはネムリのない丸セイゴ針を使用したものもあり、これは多少の早合わせでもフッキングしてくれるのですが、活性高いと飲み込まれやすく手返しが悪くなる、という一長一短があります。
フロロかナイロンのリーダーでバラシ低減(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)
アベレージは25cm前後(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)シロギスが邪魔をする?
入れ食いとはいかないまでも、アタリは多く、船中ポツポツと本命が釣れる。ただし派手なアタリよりも「モゾモゾ」といったものが多い。そしてイシモチ釣りにしてはエサがよく取られてしまい、気づくと一番下のエサがちょん切れていたり、なくなっていたり。
実は、現在本牧沖はシロギスが多く、そして12号のムツ針はヤツらの口のサイズに合わず。船長に対策を聞くと「ないな〜」。加えて「かと言って、専門で狙う程たくさんいるわけでもないんだよね〜」とのこと。船長、実際にシロギス狙いで竿を出してみたそうです。
仕掛け変更でシロギスヒット
とはいえ、このまま手をこまねいていてもなんなので、道具箱に予備で入れておいた「針サイズが小さくネムリ形状でない仕掛け」でやってみる。
上手くやれば同時にシロギスも狙える!?(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)すると思惑通りにシロギスは釣れだしたのですが、本命のイシモチが掛かると針は大抵飲み込まれる。やがて、3本針の下の針が切られ終了。全面解決、とはいきませんでした。
ちゃんと釣れれば「良いゲスト」(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)最終結果
ショート船、ということで13時に納竿。結果は30cm級3匹含む19匹で、ゲストにシロギス4匹、アジ1匹、カサゴ1匹。
イシモチは良型が中心でした(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)船全体ではイシモチ18~22匹と平均的に釣れたとのこと。小潮にしてはまずまずといった釣果で、筆者としてはむしろ狙い通り。
カサゴは小さいのでリリース(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)あまり釣りすぎてしまうと、首都高の渋滞以上に「帰宅後のもう一仕事」が悩みの種になってしまうので(汗)。因みにこの日の首都高の渋滞は、昭和島と中央環状線でちょろっとあるだけでした。
欲をいえばもう少しアジほしかった(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)イシモチは美味しい魚!
その昔イシモチ専門船に乗った経験がない頃、シロギス釣りのゲストで釣れた小型のイシモチを天ぷらか何かにして食べたのですが、イマイチと言うよりも、あまり印象に残りませんでした。要するに「食味はシロギスより劣る」イメージ。
しかし、水温が下がる秋以降に専門で狙った、血抜きした良型のイシモチはそうではありません。鮮度が落ちやすいという欠点はあるものの、それをクリアしてしまえばとても美味しい魚です。
船上での血抜きは必須(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)13時起き上がりのショート船、19匹という程々の釣果、加えて首都高渋滞ほぼなしということで、帰宅後は無事、全ての魚の下処理を終えることができました。釣行当日はウロコと内臓処理したイシモチを蒸し、ぱぱっと味付けしてドン!
釣行当日の晩は簡単な蒸し料理に(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)翌日は一晩寝かせたイシモチのサクを「押し寿司」に。更には冷蔵庫を使った放置プレイで「シロギスの焼き干し」を作り、これで出汁を取って「お雑煮風おでん」に。
翌日は押し寿司とお雑煮?(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)ハゼの焼き干しは有名ですが、シロギスのそれにも負けない位良い出汁がでました。
15~20cmのキスが丁度良いです(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)蒲鉾をイシモチで作れば完璧でしたが……お正月のお雑煮なんぞにおススメです!
個人的にはさつま揚げがNo1レシピ(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)
<尾崎大祐/TSURINEWSライター>

