ティクトの人気シリーズ「SRAM MSR」に、新たなキャロ&フロート対応のロングキャストモデルが登場。アジングロッドとしては異例の長尺ながら、軽快な操作感とパワーを両立した2機種「SRAM MSR-74TC "Shippuu" 疾風」「SRAM MSR-80TC "Reppuu" 烈風」を実釣テスト。豊後水道や臼杵港での検証を通して、遠投性能や強風下での操作性など、その真価を徹底検証した。
(アイキャッチ画像提供:ティクト)
目次
豊後水道でテスト釣行
私がこの両機種を使用するのはジグ単では届かない港湾エリアのミオ筋や沖の本流、遠浅のシャローエリアのブレイクライン、海峡筋の本流、10m以上の水深があるディープエリアなど、狙いたいポイントが遠かったり、軽量ジグ単タックルでは対応できない状況で一番性能を発揮してくれる。
本格的に開発スタートしたのは2023年の秋からだが、今回ほぼほぼOKとなった両機種プロトモデルを使用し、2024年12月の大分県の豊後水道で実釣を行った。
潮の早い遠浅のシャローエリアで検証(提供:ティクト)まず入ったのは大分市内にある開けた漁港。潮の流れがやや速く、3mくらいの遠浅のシャローエリアで外海に面した堤防をチョイスした。
先行者がいたので挨拶して空いて場所に入らせてもらいタックルを準備する。海の様子を見ていると明暗の奥の暗がりで単発だがアジらしいライズがある。
まずは SRAM MSR-74TC”Shippu” をチョイスしMキャロN-4.6gにアジスタS-0.4g+ブリリアント2.5inをセット。
様々な状況に対応できるよう多彩に準備(提供:ティクト)軽量キャロで良型アジキャッチ
常夜灯の明暗の先の暗がりにフルキャストして5カウント沈めてジグ単のように「チョンチョン」と軽くアクションを入れながら表層付近をリトリーブして探ってみる。
こういった遠目のシャローを狙うような状況でもMキャロは浮力体が入っているので沈下速度が遅くレンジキープしやすい。数投すると「モゾ」っとアタリがありヒット!上がってきたのは27cmほどのアジ。読み通りキャッチしたので一安心。
ライズは続いており「まだいるな」とキャストして同様にリトリーブしているとまたもヒット!これまた同サイズをキャッチした。
良型アジ3連発でキャッチ(提供:ティクト)キャロの優位性を再確認
その後も3連続ヒットに成功すると先行者の方から「キャロ使ってます?やはり明暗の先でアタリます?」と質問されて、「そうです」と答えたら「キャロ用のロッドは持ってきてなくて、ジグ単だと3gの重いの使わなきゃ届かないし乗らないんですよ」とおっしゃっていた。
4g程の軽量Mキャロでジグ単を操作する様にアクション&リトリーブで誘い表層付近で使うと、先にある0.4gの軽いジグヘッドの恩恵で、魚が吸い込みやすく食い込みが良くなり好釣果に恵まれることもある。
3gのジグ単でも近い距離を攻められてはいるが、アプローチの仕方はまったくの別物という状況で、仕掛けは複雑にはなるものの、やはりキャロやフロートタックルも準備しておくということの重要性を改めて感じた次第だ。
ロッドも2種類準備しておくと有利(提供:ティクト)爆風下テスト:臼杵市の漁港へ
やがてこのポイントの反応がなくなり、挨拶をして移動しようとしたら先行者の方が親切に臼杵市の漁港は最近好調ですよと教えてくれたのでせっかくなので向かってみた。
ポイントに着くとこの日の風向きと地形的にかなりの爆風で思ったよりアングラーはいなかった。「流石に釣り辛いな……」そう思ったが、こういうあえて風の強い状況もテストの一環と考えて少しやってみることにした。
あえて風が強い状況で検証する(提供:ティクト)キャロタックルでパターン再現成功
先ほどのMSR-74TCのタックルのまま、実際に投げて様子をみてみると5mくらいかと思うが、先ほどの場所よりは水深がある。風の影響から表層にはさざなみも立ち、状況が見えないので、一気にボトムから中層を狙ってみることに。
ここではSRAM MSR-80TC”Reppu” に変えてMキャロN-8g、0.4gアジスタ+フィジットヌード2.7inをセットして常夜灯の明暗の先の沖の潮目にキャストしてボトムを取る。
爆風の為ロッドを下げてラインメンディングしながら先程の様にリトリーブ主体で探っていると反応がなかったが、しばらくすると潮の流れが速くなり中層付近でアタリが出始めた。
ただキャロが重いのか活性が低いのかアタリがあったが乗らなかった為、キャストした後に2〜3回シャクり潮の流れに乗せて潮下へドリフトさせながらカーブフォールで探っていく。
すると「コン」と明確なアタリが出てすかさず合わせヒット!上がってきたのは25cm
くらいのアジ。
キャロのウェイトを重くして攻略成功(提供:ティクト)同様に探ると再現性がある。パターンを見つければこちらのもの、その後も潮目付近や手前の明暗付近でヒットし4匹追加した。キャロのウェイトを一気に倍近くに重くしてポイントまで届かせ、風があったためにラインを張り気味にドリフトさせてアタリを拾えたのがよかった。
遠投タックルがもたらす可能性
このシチュエーションではジグ単では一切太刀打ちできず、キャロタックルじゃないと獲れなかった魚と言っても過言ではないだろう。やはりこんな状況では遠投できるタックルが実に役に立ってくれる。その後はかなり冷えてきて更に風が強くなり反応が少なくなってきたのでここで納竿とした。
遠投できるタックルの強みを実感できた(提供:ティクト)今回フロートやメタルジグの出番はなかったが、風のないような状況で表層ボイルがある時はフロートを使用したり、マヅメ時などの短い時合いで沖でボイルが起きたらメタルジグなど使用したいと思う。
表層ボイルがあり風がない日はフロートで(提供:ティクト)
メタルジグも状況をみて使い分ける(提供:ティクト)人気釣り場でこそ力を発揮!
全国的にもアジングは人気で、手軽にジグヘッド単体で狙える人気のポイントは場所取りしないとなかなか入れず、動きやすい週末ともなればなおさらだ。
入れないならば他の空いているポイントに入るしかない。こんな時に役に立つのがこのMSR-74TCやMSR-80TCのようなロングキャストロッドである。
まずジグヘッドでは届かない飛距離が必要なポイントでは独壇場で、先行者と入れ替わりで入ったポイントでは沖は攻められていないといったサオ抜けも楽しめる。
好ポイントに入れなくても狙える強みがある(提供:ティクト)また今回の実釣のように強風で軽いルアーでは何をやっているかわからなくなるような状況でも、キャロやヘビージグヘッドを使用できることで釣りが継続できたりもする。
案外軽く荒れたぐらいがアジの活性は上がったりするものだ。使用用途が広く様々なリグや、色々な場面で楽しみたいという方には、ジグ単だけではなくこういったロッドをもう一本持っておくのが絶対的におすすめだ。
臨機応変に立ち回り、好釣果をゲットしよう(提供:ティクト)<防野孝之/週刊つりニュース西部版編集部>>

