せっかく釣った魚を家で食べたら味がイマイチ……そんな経験はありませんか? 魚の鮮度を守るカギは「ドリップ管理」。吸水と保湿を両立するグリーンパーチなら、包むだけで旨味を逃さず美味しく保存できます。今回は船釣り初心者代表として紙屋街の鈴木さんが、プロ船長に学んだ『釣った魚を美味しく持ち帰る基本』をレポートします。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版編集部・牧田)
目次
さぁ!どんどん釣っていこう
ジギングは一日にしてならず…あきらめずにしゃくり続けた鈴木さん。船長に教わった下処理。後は実践あるのみ!
待望の大型青物か(提供:週刊つりニュース中部版編集部・牧田)しかし、目当ての青物はなかなか周ってきません。時間は無情にも流れていき、いよいよ納竿の時間です。楽しい時間はもうすぐおひらき。
帰港前のスマートな準備
帰りの支度をしながら、または港に着く前にクーラーボックスの冷海水を抜いておくと、下船の際にスムーズです。冷海水を入れたまま運ぶのは重く、危険も伴うため、極力クーラーボックスを軽くしましょう。同船者と協力しながらスマートに荷物を降ろすのがマナーです。
船中ではハマチが連発(提供:週刊つりニュース中部版編集部・牧田)持ち帰りにも「グリーンパーチ」活用
せっかく最高の鮮度に仕上げた魚を家まで維持しながら持ち帰ります。 冷海水を抜いたら、いよいよ魚をビニール袋に収納します。ここで活用したいのがグリーンパーチです。グリーンパーチでひと巻きすることで、以下のメリットがあります。
ビニール袋の保護
魚の歯やヒレなどのトゲでビニール袋を傷つけることなく収納できます。
冷えムラ防止
直に氷が当たって起こる「冷えムラ」を防ぎ、魚体を守ります。
処理の容易さ
新聞紙と違い破れにくく、魚体にへばりつくこともないので、自宅での後処理が非常に楽です。
おさかな袋
さらに、グリーンパーチで包んだ魚の収納には【おさかな袋】がおすすめです。やや厚手で破れにくく、前述の「水道水氷を入れる袋」としても活躍し、溶けた氷は下船後の手洗いやタックル洗いにも再利用できます。
使用後はゴミ袋として釣行時に出たゴミをまとめ入れたり、自宅でさばく際の魚のエラや内臓、骨などの処理にも大活躍。
当日の釣果(提供:週刊つりニュース中部版編集部・牧田)魚の収納について
魚をクーラーボックスに収納する際、冷海水で十分に冷えたボックス内の冷気を維持できていればOKです。帰宅までの時間を考慮して、必要に応じて氷を追加しましょう。
ワンポイント:氷の配置
氷は魚の身に直接当てず、頭と尻尾側に配置しておくと、冷えムラなく、身を痛めにくいです。氷をビニール袋に入れておくと散らばらず、解け出た水分も気になりません。
氷は直接魚の身に当てない(提供:週刊つりニュース中部版編集部・牧田)大型青物を狙うためのセット
私たちが取材した日は10月上旬とはいえ、日中の気温も30℃近く海水温もやっと下がり始めた時期。まだサワラの釣果に日ムラがありましたが、11月にもなると魚たちも冬に向けて荒食いを始め、脂肪を蓄えた大型青物が釣れ始める本格シーズンが到来します。
そんな大型青物を追い求めるアングラーの皆さんには、ブリやサワラが丸ごと包める紙屋街のグリーンパーチ全判サイズと、チャック付きでスマートに収納できるおさかな袋Lサイズをお勧めします。
おさかな袋Lサイズ(提供:週刊つりニュース中部版編集部・牧田)今回の釣行では、紙屋街の鈴木さんは残念ながらサワラをゲットできませんでしたが、タチウオやアジなどを釣り上げ、船釣りの楽しさに目覚めた様子。
キャッチしたタチウオ(提供:週刊つりニュース中部版編集部・牧田)船上で学んだ「活け絞め」と「グリーンパーチ」での保存術を活用し、ぜひリベンジを果たし、最高の青物を持ち帰って熟成にチャレンジしてもらいたいですね。
アジもキャッチした(提供:週刊つりニュース中部版編集部・牧田)動画で観る
魚を美味しく食べる準備
最高の鮮度で持ち帰った魚は、無理をしてその日のうちに全て処理する必要はありません。しっかり活け絞め・血抜きがされており、グリーンパーチで適切に保冷されていれば、エラと内臓は後日の処理でも大丈夫です。疲れている場合は、まずはゆっくり休みましょう。
寄生虫などが心配で寝られないアングラーさんは頑張ってエラと内臓だけ取り除いて安心してお休みください。(しっかり冷やしこめば寄生虫も寒くて動けなくなるので、帰ったらすぐチルド室に入れましょう)ウロコ、エラ、内臓を取ったら『水道水』でさっと洗い流しましょう。
そうすることで、ビブリオ菌による食中毒などにも対処できます。もちろん水気はしっかりふき取ってから調理してください。また、サワラやサバなど、アニサキスが気になる魚種は、アニサキスライトなどで念入りにチェックしておくと安心です。
最高の鮮度が保たれた魚を、どんな料理で楽しむか考えるのも釣り人の醍醐味。グリーンパーチで包んで冷蔵・熟成させ、ゆっくりと釣り魚の旨味と思い出に浸ってください。
内蔵処理(提供:週刊つりニュース中部版編集部・牧田)船長に聞いた美味しい食べ方
もちろん釣りたても美味しいのだが……と前置きしながらも2~3日寝かせたハマチとタチウオは、脂が身全体に回って旨味が凝縮。格別な味わいに!
せっかくなので持ち帰ったままグリーンパーチで包んだ状態で熟成。
釣った魚を美味しく調理(提供:週刊つりニュース中部版編集部・牧田)しゃぶしゃぶ
2日熟成させたタチウオとハマチを、昆布だしにさっとくぐらせるシンプルな調理法です。熟成によって増した魚の旨味がだしに溶け出し、さらに美味しくいただけます。
・材料(魚):グリーンパーチに包んだまま2日寝かせたタチウオ、ハマチ
・だし:昆布だし
・タレ:ポン酢(または醤油にすだち)
・薬味:ネギ、もみじおろし、大葉など(お好みで)
熟成魚の濃厚な旨味と風味をより引き立てるために、今回は澤田酒造の「からから 白老」を合わせていただきました。
しゃぶしゃぶでいただく(提供:週刊つりニュース中部版編集部・牧田)釣り船紹介
大型青物を狙うジギングをはじめ、伊勢湾の美味しいターゲットを追いかける釣り船。愛知県南知多町・片名漁港から出船する「ブルードラゴン」「ブルードラゴンZ(ゼット)」の全面協力のもと、伊勢湾の旬魚をジギングで狙ってきました。
紙屋街の鈴木さんも奮闘し、タチウオに加えてトビエイや、ジグサビキで良型のアジをキャッチ。ハマチ、タチウオ、アジなど多彩な魚種が次々に上がり、4人で60Lクーラーボックスが満タンになる好釣果となりました。
この日の取材には、山下斉船長・悠船長をはじめ、「ブルドラ」エースアングラーの大蔵さん、S山さんが同行。グリーンパーチはもちろん、おさかな袋も大活躍しました。
BLUE DRAGON(提供:週刊つりニュース中部版編集部・牧田)<牧田亘/週刊つりニュース中部版編集部>


