毎年厳しくなる夏の酷暑にようやくかげりが見える9月。まだまだ日中は暑いが、朝夕はほんの少しだけ秋の気配を感じるようになった。そうなると、シーズン開幕となるのがアオリイカだ。ひと潮ごとに成長し、秋が深まるごとに良型が狙えるようになる。今回はオフショアエギングの代名詞ともなっているティップランについて解説してみたい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
いざ実釣
さていよいよ実釣編だが、先にも述べたようにこの釣りで最も重要なことが底取りだ。開始の合図とともに目の前にエギをポトンと落とし、ひたすらラインを送り込んでエギを沈める。
着底の合図は、放出されるラインが一瞬止まるか、放出速度が遅くなる瞬間。これを見逃すと延々とラインが出され、着底を確認できないままだ。分かりづらければ、余分に多くラインを出して水面に浮かべておき、水中に引き込まれていくラインを観察しよう。スプールから出されるラインを見ているよりは、幾分着底が分かりやすいはずだ。
アタリが出たら即アワセ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)着底を確認できたら、素早く細かいピッチでシャクリを3~8回ほど入れて、ピタリと止める。このときリールのドラグは、シャクった瞬間にジッと鳴る程度に調整しておく。ガチガチに締めておくと、イカが乗った瞬間にアワセ切れしてしまうこともあるからだ。
止める時間は、長くても10秒まで。5秒待ってアタリが出なければ、回収してもいいぐらいだ。
アタリから取り込み
アタリが出るのは、エギを止めた直後がほとんど。そのアタリは出方がさまざま。ティップがすっと引き込まれたり震えたり、コツンと手元に軽く伝わったり。
その中でも最もティップランらしいアタリが、テンションがかかって曲がっていた穂先がふっと抜けて戻るアタリだ。これはアオリイカがエギを抱いて、持ち上げるのでティップにかかっていたテンションが抜けるためだ。
アタリを捕捉したら即アワセが鉄則。大アワセではなく、ストロークが短くてもしっかりシャープにアワせよう。イカが乗ったら、ロッドを曲げ込んだまま一定の速度で巻き続けよう。ポンピングはNG。テンションが抜けた瞬間にバレる可能性が高くなる。
ポンピングはNG(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)初期のイカはさほど大きくないのでタモを使うことはまずないが、ロッドを垂直に立てて抜き上げるのはやめよう。ロッドを破損する可能性が高い。
ティップとイカの距離を1mほどに詰めて45度ぐらいまでロッドを立てたら、そのまま腕を水平に持ち上げる。リーダーを手にしたら、素早くベールを返してラインをフリーにしておこう。初期はタモを使うことがない分、ロッドを折ったなんて話をよく聞く。
ティップに集中しよう(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)船にイケスがあれば、そのまま入れておけばいいし、なければカゴに入れて白くなるまで待つか、目と目の間に絞め具を入れて絞めてからファスナー付きの袋に入れてクーラーに入れておく。
最悪なのが、イケスに入れて死んだまま放置すること。イカの鮮度が著しく落ちる。死んだイカは速やかにクーラーに移すようにしよう。
最後に
これからシーズン本番を迎えるティップランだが、日中はまだまだ暑さが残る。こまめに水分補給をして、熱中症にならないように気をつけたい。もちろんライフジャケットの着用は必須だ。
良型が増えてくる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>


