都市部の河川に潜むチヌを狙うアーバンチニング。トップウォータープラグからボトム系プラグ、そしてワームのフリーリグまで多様なルアーが使われる。地形条件も護岸あり、立ち込みありと多岐にわたる。今回、オリムピックフィールドテスターの藤井大介さんが福岡県福岡市を流れる都市型河川に潜むチヌをラン&ガンで追った。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)
実釣開始
藤井さんは護岸のある比較的手狭なポイントと、足下が浅く流心部のカケアガリを狙うようなオープンエリアでスーパーシルベラードGSILSS-762MLを使った。
使用したルアーはホッグ系ワームと7~10gのシンカーを用いたフリーリグ。取材に先立つプラクティス釣行では、ボトム攻めで釣果が良かったため、これを軸にゲームを展開した。
プラクティス釣行で手にした大型チヌ(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)スーパーシルベラード762MLのスピニングモデルは、張りのあるティップを備え、ポッパーやペンシルベイトをテクニカルに動かすのが得意。一方で、ボトムゲームでは着底時の感度を活かしたり、速掛けでフッキングさせていくようなスタイルにマッチする。
今回は、ラン&ガンをしながら、適宜プラグも用いる算段もあり、このモデルでの実釣となった。
フリーリグ+ホッグ系ワームで攻略(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)ちなみに、同シリーズのベイトモデルGSILSC-762MLはボトムチニングを意識した繊細なティップを備えたモデル。加えて、優れた反響感度を備えるこのモデルのブランクスは、ボトムの形状や底質を的確に感知し、慎重なチヌのバイトをフックに乗せたいシーンで威力を発揮する。
足場の高い護岸でのゲーム
フリーリグをキャストし、しばしばチヌのアタリを拾いながら、河口側から釣り上って行く。移動を続けるなか、足場が高くスロープ状の護岸で固められたエリアに到達。
立ち位置となる河岸には安全柵が設けられているため、川べりまでは降りられない。立ち位置から水面まではだいぶ距離があるシチュエーションだ。
ここで、藤井さんはロッドをシルベラードUX 25GSILUS-812MLに変更。ロングレングスを活かした攻略を開始する。
水面まで距離があり812MLで対応(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)チヌの姿を発見
リサーチしていくうちに、橋の下のシェードにチヌが泳ぐ姿を発見。立ち位置を変えながらルアーを投入していく。
至近距離から攻めるとチヌも警戒するため、若干距離をとってキャスト。魚がいたところよりも少し先にルアーを投入し、ボトムをフリーリグで丁寧に攻めていくと待望のバイトが。藤井さんがスィープにアワセると同時にドラグ音が鳴り響いた。食い込みの良い中弾性カーボンのブランクスがうまく魚を乗せてくれた。
チヌの鋭い走りをいなす(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)良型キビレを攻略
足場が高い場所でのファイトだったが、よく走る魚を相手にロングレングスのロッドが優れたコントロール性を発揮。橋脚の際へと向かう相手をうまく引き離し、開けたエリアへと誘導する。
加えて、追従性の良いブランクスが曲がり込んでうまく魚をいなしてバラシを防いだ。難なく取り込んだのは良型のキビレ(キチヌ)。本命のクロダイではないものの、厳しい状況下ではうれしい一匹だった。
長さを活かしたファイトで良型キビレ(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)突然の大雨で撤収
その後、潮位が下がってきたため釣り場を変え、同じく福岡市内を流れる多々良川の河口に移動。
この場所でシャローに出てきている高活性な個体を狙い撃っていく算段だったが、ここで突然の大雨。天気予報の予想雨量をはるかに超え、さらに雷も鳴り出してしまった。
フッキングも完璧に決まった(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)潮位的にもまだまだチャンスがある状況だったが、さすがに雷雲が迫っている状況での釣りは危険。やむを得ずロッドオフとなった。
とは言え、ワンチャンスでしっかり魚をキャッチできたのはすばらしいこと。とくに、足場が高く橋脚も絡むような場所で一匹を引っ張り出せたのはロングレングスのロッドの恩恵だ。
長尺ロッドの利点
すでにチニングを楽しんでいる人、またはこれから始めるという人は、ポイントへの対応力を高めるうえでもロングレングスのロッドを持っておけば、攻略の幅が広がるだろう。
なお、スーパーシルベラード762MLのほうは、プラッギングでぜひ使ってみたいロッド。筆者も実際にこのロッドに触れてみたが、パリッとした操作感は、いつも攻めにくいと感じているピンポイントへのルアーの投入や、トップウォータープラグを操作したくてうずうずしてくる感覚にとらわれた。
762MLはプラッギングで本領を発揮(提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)操作性の高さに注目
また、ベンディングカーブを撮影するため、ロッドを手にした同僚から思わず「軽っ!」と声が出た。カタログスペックもさることながら、ロッドの感覚的な軽さは重心位置で大きく変わる。
バットについても、グッと負荷を掛けると曲がり込みながらある段階でグッと踏ん張る感じは、まさに硬い顎にフックを貫いたり、隙を与えず相手をストラクチャーから離したいときとても頼りになりそう。ユーザーを満足させるための妥協なき設計だ。
都市型チニングに挑戦しよう!
身近な場所で長いシーズン楽しめるアーバンチニング。あなたの住まいの近くにフィールドがあれば、ぜひルアーを投げてみよう。その時はシルベラードシリーズをお忘れなく。
<五井貴矢/週刊つりニュース中部版編集部>

