あっという間に梅雨が明け、例年より早く灼熱の夏がやって来た。そして気温以上に熱くなるのが、熊野灘沿岸の陸っぱりライトソルトゲームだ。温暖化により十数年前までは見なかったターゲットが増え、その是非はともかくこの釣りが面白くなったことは確かだ。今回はそんなライトソルトゲームを紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版編集部)
ライトソルトゲームの釣り方
さてポイントに到着したら、まずはメタルバイブかメタルジグで広範囲をサーチしよう。フルキャストして底まで落としたら、細かいジャークを入れながら巻き上げ、表層まで探ったら再びボトムまで落とす。これを繰り返していく。
広範囲を探る(提供:週刊つりニュース中部版編集部)ルアーの動きや速度によって魚の反応は大きく変わるので、細かいジャーキングで反応がなければただ巻きや大きくシャクってフォールなど、アクションを変えていく。もちろんルアーの大きさやカラーも、適宜変えていくことが大事だ。どんな釣りでもそうだが、どのパターンが正解か探していくのが、釣りの楽しみ。
メタルジグで釣ったオオモンハタ(提供:週刊つりニュース中部版編集部)釣行前にシュミレーションしておき、ローテーションの順番を決めておくと、次の一手に迷うことが少なくなる。
攻めるポイントは捨て石や敷石が絡む場所(提供:週刊つりニュース中部版編集部)ジグヘッドで底を攻める
そして次はジグヘッドリグで、底周辺をねちっこく探ってみる。リフト&フォールがメインとなるが、スイミングも有効だ。底まで落としたらロッドティップを下げてリールを巻くだけ。このときはシャッドテールやカーリーテールのワームが望ましい。
この巻きスピードもいろいろ変えてみることが大事。回収しようと速巻きした途端に食ってきたなんてこともあるから、固定観念にとらわれずスローからファーストまでいろいろ試してみたい。
ライトソルトのコツ一覧(提供:週刊つりニュース中部版編集部)こうやって書くと、1カ所のポイントでやることは山ほどある。時間がかかるので、スピーディーに探っていきたい人は、自分の好きなルアーやアクションだけでサーチし、反応がなければどんどん移動していってもいいと思う。それが個々の釣りスタイルだ。
中層まで探る意識が重要
だが押さえておきたいポイントとして、必ず中層まで探ることはどんなスタイルでも徹底してほしい。ハタ類は底だけでなく、中層でのヒットも多いためだ。盛期には足元までクエが追ってきた……なんてこともよくあるので、最後まで気を抜かないで探りたい。
アタリはルアーの着底と同時にコンッとくるものや、リトリーブ中にガツンとひったくっていくものまでさまざま。特に分かりにくいのがフォール中のアタリ。
ラインテンションを抜いていると全く感知できないので、ルアーを落とすときはテンションフォールを心がけるようにしたい。それでも明確なアタリとはいえないので、ラインの動きや手感度には常に集中しておこう。
根魚特有のやり取りに注意
ハタとカサゴの共通点として、ヒット後は根に潜ろうとすることが挙げられる。ヒットしたら有無をいわせず、ロッドの弾力をフルに生かして一気に巻き上げるようにしたい。
ヒット後はパワーファイト(提供:週刊つりニュース中部版編集部)そのためアジングやメバリングよりも、ドラグ設定ははるかに強めだ。ガチガチに締めるまではいかないが、ヒットした瞬間にジージー鳴るような設定は避けたい。
タモが必要な魚はよほどヒットすることはないと思うが、クロダイやシーバスがヒットすることもあるから、邪魔でなければ1本タモを携帯しておくのもありだ。
資源保護に協力を
ライトソルトはそのゲーム性を楽しむことに重きを置いている…と考えているが、釣れる魚はおいしいものが多い。ハタ類がメインなのだから当然といえば当然だが、やはり小型が多い。自分でキープサイズを決めておき、それ以下は全てリリースするなど、資源保護に協力してほしい。
もちろんアフターフィッシングで、釣った魚を食べるのも釣りの楽しみのひとつ。無節操に持ち帰るのではなく、自分の中でルールを決めて釣りも食も楽しんでいただければ……と思う。
食べない魚はリリース(提供:週刊つりニュース中部版編集部)暑さ対策は必須
今年は猛暑の訪れが早かった。すでに毎日のようにニュースでは、熱中症に警戒…と繰り返し流れている。この釣りにおいても同じ。暑さ対策は万全にして楽しんでほしい。
帽子や偏光グラスの着用はもちろんのこと、ランガンでも飲料は必ず携帯するようにして水分補給、塩分補給は欠かさないようにしたい。そして少しでも体に異変を感じたら、すぐに釣りをやめて涼しい所で休むようにしよう。
暑さ対策を万全にして釣りを楽しもう(提供:週刊つりニュース中部版編集部)ハタ類は日中しか釣れないことはない。むしろ夜に分があるといってもいいので、早朝と夕方に絞って釣行するのもアリだ。その方が体にも優しいし、効率がいい。
一番怖いのは釣りに夢中になりすぎて、自分が危険な状態になっていることに気づかないこと。時々力を抜いて、自分の体の状態を客観的に見るようにしてほしい。
まだまだ暑さは続くが、熊野灘沿岸のライトソルト好シーズンも続く。ルールやマナーを守ることはもちろん、自分の身を守ることも頭に入れて楽しんでいただきたい。
熊野灘沿岸でライトソルトを楽しもう(提供:週刊つりニュース中部版編集部)<週刊つりニュース中部版編集部/TSURINEWS編>


