『BLEU LANE YOKOHAMA』としては遊漁船事業をスタートした筆者。法人立ち上げを含め、全てイチからの開業。今回は開業準備中に感じたこと、苦労したことを中心に、自身が船長になったきっかけを書いていきます。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライターCap.Sato)
石鯛で釣り好きに!
今でこそ魚を追い求める船長職をしておりますが、小さい頃から魚を食べることが得意ではなかった私。そんな私が「魚」を意識したのは、ある夏の当時の業務上(エンターテインメント業)での会食時。店内にあった大きな水槽を優雅に泳ぐ石鯛に目を奪われました。
夜の港(提供:TSURINEWSライターCap.Sato)その石鯛を調理注文していただくと「これまでなぜ魚が嫌いだったのか」と疑問に思うほどに美味しく、感激した覚えがあります。
良型石鯛を釣る
その会食以降、魚の魅力に取りつかれた私が興味を持ったのが「釣り」。周囲の方に「釣りがしたい!」と伝え回っていたところ、釣り好きの知人からのお誘いを受けて海へ行くことに。
もちろん初心者なので、なんとか仕掛けを作りつつ、自分なりに考えて攻めていると強烈なヒットが!そこでゲットしたのはなんと、あの水槽を泳いでいた魚、石鯛。サイズも50cm弱と大きく石鯛サイズ。なにか運命めいたものを感じ、一気に釣りへの情熱が爆上がりし、様々な釣りを始めることになりました。
シーバスでルアー釣りにハマる
季節は秋になり、今思えば東京湾のハイシーズン。別の知人からボートシーバス船に誘われ乗船をすると、3本ほどのシーバスをゲット。
この日、ルアーフィッシングの可能性とボートフィッシングの自由度の高さに、完璧に心を奪われ、気付けばその釣行から3日後に、今度は自身のみでボートシーバス船を予約し、シーバスを釣っておりました。
釣ってもらうと嬉しい!
その後、シーバスを中心に青物、太刀魚、タコ、アジ、カサゴ、メバル、黒鯛、メッキ、マゴチをターゲットに、ありえないペースでボートフィッシングをしつつ、自身で船舶免許を取得。
サワラヒット(提供:TSURINEWSライターCap.Sato)操船するようになってからは、エンターテインメント業の性なのか、自身が魚を釣るよりも同行者が魚を釣って喜んでいるほうが圧倒的に嬉しく感じることが多く、遊漁船の船長業をしてみたいという考えが頭を過ります。
シイラもキャッチ(提供:TSURINEWSライターCap.Sato)そんな時にひょんなことから「YOKOHAMA Diner.FC」を開業しましたが、諸事情により昨年夏に一旦閉業、現在の「BLEU LANE YOKOHAMA」の設立を目指すことになります。
オフショアルアーにハマる(提供:TSURINEWSライターCap.Sato)遊漁船事業に必要な資格類
先述のとおり、今回はイチからのスタート。遊漁船を営むにはまず以下の取得、条件のクリアが必要です。
(1)船舶操縦士免許の取得
※一級小型船舶操縦免許証又は二級小型船舶操縦免許証
船舶操縦士免許(提供:TSURINEWSライターCap.Sato)
(2)特定操縦免許の取得
※令和6年4月1日以降、特定操縦免許制度が改正され、かなりハードルが上がりました
(3)1年以上の実務経験、または遊漁船業務主任者のもとで30日以上の実務研修
※要証明書
(4)遊漁船業務主任者講習の受講
※要証明書
漁船業務主任者講習修了証明書(提供:TSURINEWSライターCap.Sato)(5)上記を取得した上で都道府県知事への遊漁船登録申請
・損害賠償保険への加入
・業務規程の提出
などなど……。
私はYOKOHAMA Diner.FCの経歴があるため、もちろん(1)から(4)については取得済み。
あとは船艇を購入し(5)の登録……だけではありませんでした……。
法改正により厳しくなったこと
北海道の知床半島沖で26人を乗せた観光船が沈没した事故を受けて、遊漁船に関する法律が令和6年4月1日から改正されました。
開業までの道のり(提供:TSURINEWSライターCap.Sato)「業務規程」の作成
この業務規程は、船のトン数・長さ・定員等の基本的なものから、案内する漁場、安全管理の体制、連絡責任者の明記、出航中止基準及び帰航基準や、安全の確保のため周知すべき内容及び方法などなど、一見すると頭がクラクラしそうなボリューム。
また業務規程の一部、登録票を、遊漁船のHPで公開することも義務付けられました。
※もちろんBLEU LANE YOKOHAMAのHPにも記載しております
安全のために大事なこと
従来の乗船名簿から、事前点検や業務日報、アルコールチェック等の記録簿の保管も義務付けられたことにより、これらのデータも作成。当該作業をしている時期は、かなりバタバタとしていた記憶があります。
しかし、この作業は申請においてはもちろん、ご乗船される皆様の安全を確保しつつ想い出の釣行を作るには必要不可欠なことなので、日々細かく考えながら取り組んでおりました。遊漁船事業を開始した今も「安全第一」ということを日々心掛けて運航しております。

