テレビやネット、新聞など、さまざまなメディアで発信される天気予報。釣行前にはチェックする機会も多く、「どんなものを見ればいいのか」と悩む釣り人も多いことだろう。そこで、編集部としてお勧めするのが、何かひとつの情報だけを参考にするのではなく、各種情報を活用する方法。遊漁船の船長や、釣り場に精通した釣り人の多くは、ひとつの情報だけではなく、テレビやラジオさまざまなメディアでの情報を活用して、万全の準備を整えている。
天気図の見方
記号などが並び、ハードルが高く感じるが、広域情報や、天気の傾向などを把握するのに最適なので、まずは天気図をチェックして、必要な情報は詳細なエリア予報などを参考にするという使い方がいいだろう。
「見方が分からない」と敬遠していた人も、「だいたいの傾向を押さえればいい」と割り切れば意外と難しくない。
天気図を見るうえで、抑えておきたいポイントは以下の4つ。
等圧線の間隔
「等圧線の間隔が狭い=風が強い」と覚えておくといいだろう。例外もあるが、逆に広ければ風は弱い傾向。
低気圧と高気圧
低気圧は、気圧の中心へ向けて反時計回りの空気の流れを生み、高気圧は気圧の中心から外側へ向けて流れる。
気圧の中心の位置と、高気圧か低気圧かをチェックすることで、広域な風向きを予測できる。
前線の有無
等圧線のほかに、釣行予定エリアに掛かっていたら要注意。前線は基本的に「性質の違う空気の境目」と覚えておく。つまり、急な天候変化や強風突風、落雷などの危険がある。
等圧線の間隔は広くても、前線が長期間ある場合は悪天候となるので、どちらも一緒にチェックしておく。
天気は西から
日本の場合、「天候は西から変わる」。これは偏西風と呼ばれる高度5000~1万m付近で吹く風の影響で、西~東へ変わる。
西側の気圧配置や前線の位置などをあらかじめチェックしておけば、ある数日先の予測をたてることができる。
地域別予報を活用しよう
近年インターネットを中心に詳細な地域別の予報が公開されている。ここで確認しておきたいのは、以下の2つ。
天候
晴れか、曇りか、雨が降るのはいつごろか? などを確認。これについては大抵の釣り人は常習的にチェックしているだろう。
大抵の釣り人が見ているであろう地域予報 風向きの変化などが一目瞭然
風
天候以上にも大切なファクターとなる風。
まずは、天気図で大まかに風向きを確認したところで、地域予報では風や強さが釣行時間の間にどう変わっていくかを確認しておこう。
例えば、沖釣りであれば風を利用して船を動かして探る横流しの釣りも多い。
風が徐々に弱くなる予報であれば、朝イチ~のチャンスタイムを逃さないよう万全に準備するといったように、「釣れる時間帯」などを絞り込むことができる。
また、陸っぱりであれば、急な風向き変化があるような場合、予報を参考に風裏の釣り場をリサーチしておくことで、すぐに対処できる。
予報以外からも
船長や地元釣具店などは、その地方ならではの気象情報に精通している。
また「〇〇山に雲がかかっていれば北風」などの長年培われてきた観天望気(かんてんぼうき)と呼ばれる手法でピタリと的中することも多い。
また、ここまで確認してきた情報の答え合わせをする意味でも、以下のように確認することを勧める。
例1:横流しヒラメ釣りの釣り人と船長の会話
釣人「あしたは北風が強そうだけど、出船しますか?」
「徐々に弱くなる予報なので出船予定です」
釣人「そうなると朝イチが勝負でしょうか?」
「そうだね、午後からはあまり船が流れないだろうから。エンジン流しでやる予定だよ」
釣人「仕掛けは同じで大丈夫ですか?」
「あまり流れなくなるから、ステイトは短くするとといいかもね」
例2:釣り人と地元釣り具店店主の会話
釣人「明日、〇〇港でエギングをやるんだけど、午後から風が強くなりそうだね。」
「そうだね、底が取れなくなるから移動したほうがいいね。」
釣人「〇〇港に移動しようと思うけど」
「その手前の磯場も風裏になるから、寄ってみたら?今年は結構釣れてるみたいだよ。」
以上のような具合に、さらに突っ込んだ情報を得ることができるはずだ。
自分なりの天気情報の見方を身につけて、情報を味方にして釣りをさらに楽しもう。
<週刊つりニュース関東版 編集部/TSURINEWS編>