ファンも多いメバルゲーム。釣りやすいポイントはアングラーが多く、フィネスさが求められる一方、人の少ない大場所ではタフな条件に対応するタックルの性能が試される。そんな条件を克服するロッド「25フィネッツァシリーズ」がオリムピックより誕生。今回は実釣を通して、そのシリーズの戦術的な使い分けを紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版編集部・五井)

若狭湾でメバリング釣行
メバリング釣行に訪れたのは多くのアングラーが集まる若狭湾。時期は4月下旬。当エリアの最盛期は5月なので、ハイシーズン直前の釣行だ。
昼過ぎに今回実釣を担当するオリムピックの奥戸さんらと現地で合流。事前情報によると、イージーな状況ではなく、夕マヅメの一刻が勝負どころとのことだった。
メバルは大規模な港湾から小さな漁港、磯などさまざまな場所で狙えるが、今回は水深があり潮通しの良い堤防と、常夜灯が絡んだ定番的な小規模漁港。それぞれ時間帯を分けて釣りに臨んだ。
沖堤でメバルを狙う
午後5時すぎ、まずは大飯郡大井町の大島にあるあみや渡船を利用し、同地区の沖堤に渡った。

堤防に着くと、非常に潮が澄んでおり、海中の様子は丸見え。魚を釣るにはタフな条件だが、海底の状況が手に取るようにわかった。水深は足元で3〜6mほど。沖に向かって堤防の右側は深く、左側は浅い。堤防の基礎を形成する敷石群は数m先まで入り、スロープ状に深くなっていた。
ちなみに左端側は敷石と藻場が混在し、堤防左端からはテトラ帯が伸びており、理想的な根魚マンションといえるポイントだった。

ジグ単で底を攻略
奥戸さんは堤防左側に入り、まずはジグ単で敷石群の上スレスレを通していく。潮があまりに澄んでいるため、メバルも根魚もオープンな場所には出てきそうにない。ゆえに、ボトム狙いに徹する戦術を採った。
ここで選択したロッドは、オリムピックの25FINEZZA(以下フィネッツァ)GFINS-752L-T。操作性と感度に優れたチューブラートップモデルで、バイトはもちろん、底質も繊細にキャッチできるのが特長だ。

極小アナハゼのバイトを取る
奥戸さんはこのロッドの特性を活かし、藻や岩の起伏を乗り越えながら、窪みになっているポイントにワームを器用に通していった。
その最中、藻場の上をトレースしているときにマイクロバイトが発生。自然とロッドに乗るような形でフックアップし、極小サイズのアナハゼをキャッチした。

苦笑いを浮かべる奥戸さんだったが、このサイズの魚のバイトが分かり、しかも弾かずに掛かったという点では、釣果としては微妙ながらも、ある意味驚異的といえる。
しばらく続けたもののアタリがなくなったため、奥戸さんは堤防右端の様子を見に移動することにした。

深場で20cm超メバルゲット
堤防左端の水深は足元で5〜6m、敷石の先はさらに深い。水深があるぶん攻めにくいものの、ベイトの姿も確認でき、期待が持てそうな雰囲気だ。
引き続き1gのジグヘッド+ワームをキャストし、海底と敷石が形成するカケアガリを、地形に沿うように丁寧にトレースしていく。日没とともに回遊してきた個体や、ストラクチャーから出てくる個体を狙う戦略だ。
すると、まるでマニュアルどおりの流れでヒット。下方向への鋭い突っ込みがドラグ音を奏でる。奥戸さんはベリーのクッション性を活かし、口切れを防ぎつつ無事ランディング。キャッチしたのは20cmオーバーのメバルだった。

テトラ際を遠投で探る
1匹目をキャッチした後、堤防左端から伸びるテトラ帯を攻めることにした。
奥戸さんはここで、より遠投が可能な25フィネッツァGFINS-7112ML-Tにロッドをチェンジ。プラグをキャストし、テトラ帯に沿って生える藻場を横切るようにサーチを始めた。

7112ML-Tは、先ほどまで使っていた752L-Tに比べて二回りほどパワーを持たせたモデルで、12gまでのルアーキャストに対応。重めのジグヘッドやプラグはもちろん、フロートリグ(Fシステム)やマイクロジグを遠投するケースにも適している。
また、テトラ周りや藻場の際など、魚に主導権を与えたくない状況でのファイトにも十分なパワーを発揮。磯場でのゲームにも最適で、岩や藻が無秩序に広がる中層〜ボトム層を安心してトレースできるロッドだ。

ジグ単で繊細アプローチ
しばらく探ってみたが、表層ではバイトが得られなかった。奥戸さんはジグ単に切り替え、プラグで攻め切れなかった藻場のポケットなどを、ジグヘッドリグで立体的に探っていく。
藻との接触や沈みテトラの頭とのコンタクト、小さなバイトを嗅ぎ分けながら、必要に応じてリフト&フォールを入れ、丁寧にレンジを刻んでいった。
隣で見ていた私が「めちゃくちゃ器用ですね」と声をかけると、奥戸さんは「手感度だけを頼りに手探りでやってます」と笑顔で返してくれた。
