釣りを楽しむ者なら、当たり前のように使用しているのがラインだ。仮に竿が無くても「手釣り」が出来るが、ラインと針が無ければ、釣りを楽しむことが出来ない。では、ラインの限界値というのは一体どんなモノなのだろうか?と、ふと考えてみた。これは、様々な釣りを経験してきた著者の、あくまで「体感の話」だ。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
著者の経験
ではこれらを踏まえて、様々な釣りを楽しんできた著者の経験を紹介したい。ここに記載している太さはハリスがメインだ。
0.6号~1号の世界
視力が良いメバルを狙う場合、柔らかい竿を使う上に仕掛けを真っすぐ落とす事が多い釣りなので、この号数が使える。過去には瀬戸内の船釣りで0.6号を使用し、29cmのメバルを釣ったことがある。上手くやれば30cmクラスも仕留められるはずだが、ラインブレイクでバラしてしまう事を考えると0.8号が無難だと感じる。
0.6号で釣った29cmのメバル(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)ちなみに同日、1号で50cmクラスの真鯛を仕留める猛者もいた。これは時期が2月であり、柔らかい竿+電動リールだから取り込めたのかもしれない。勿論、アングラーの腕による部分も大きい事を追記しておきたい。
1号~3号の世界
この号数は、堤防やチョイ投げで最もよく使用される太さだ。1~1.5号なら根魚・キスなど様々な魚が狙える。だが仮に20cmクラスのカワハギが掛かった場合、1.5号は切られる事がある。これはカワハギの歯が鋭い事、ポイントにカキ殻や岩がありラインが擦れやすいことが原因と考えられる。
では30cmを超える魚は2号以上、さらに大きいなら3号以上が安心……と考えたくなるが、実際はそうではない。著者が5月に1.85kgのアオリイカを釣った際のリーダーは2号。さらに、9月の夜にメバリングタックル+リーダー2.5号をセットし、活けイワシを足元に落として69cmのスズキを仕留めた例もある。
69cmのスズキ(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)寒い時期のエビ撒き釣りでは、1.5号や2号ハリスでスズキクラス(60cmオーバー)を釣っている人も多い。この辺りからラインというものがよく判らなくなってくるが、「魚種と時期、竿が特に重要」ではないかという仮説が立つ。
4号~6号の世界
歯がそれほど鋭くないハマチの場合、60cmクラスまでならハリス/リーダー4号(16lb程度)でルアーでも泳がせ(ノマセ)でも普通に釣れる。とはいえ、群れの中に80cmクラスが潜んでいることも考慮すると、4号ではあまりに心細すぎる。ヒラメも50cmを問題なく仕留めているが、歯が当たった瞬間にスパッと切れてしまった事を考えると、針掛かりの位置まで考慮すべきだろう。
ヒラメの歯は大変危険(提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)だがそうなると、8号でも切れそうな気がしてしまうのは著者だけか、はたまた釣り方(ウデ)の問題なのか……。このクラスの太さだと、サイズよりも魚種と釣り方が大事だという確信を得られる。
単純思考では決められない
ラインの強度というのは道イト・ハリスなど「どの部分」なのか、また「結束部と結び化・サルカン等を使用しているかどうか」によって大きく変わってくる。時期や魚種、タックル強度、どんな仕掛けなのか等を多角的に考え、確実に獲れるようワンランク太くしておくのが無難だろう。だがそうなると、警戒されて食いが悪くなるのもまた事実だ。
ラインの太さに困った場合は、当TSURINEWSで紹介される仕掛け図等を参考にしてもらえれば、大まかな太さを把握できるはずだ。その上で、対象魚をより深く研究し、日々腕を磨いてみてほしい。
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>




