「大豆肉」をはじめとするプラントベース食品(植物由来の原材料を使用した食品)市場では、日々新商品の開発が進んでいます。そんな中、肉の代替品としての利用が多かったプラントベース食品の流れが、ついに魚介類の世界まで広がってきました。見た目や味、食感まで忠実に再現された<植物性シーフード>とは、どのような食品なのでしょうか。
(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)
刺身そっくりの植物性シーフード
あづまフーズ株式会社(三重県三重郡)は、2021年から刺身の代替食品として「まるで魚シリーズ」という商品を販売しています。
こんにゃく粉をベースにマグロやサーモンの白い筋まで再現されており、本物の刺身と見間違うほどのクオリティだといいます。また、見た目だけでなく、脂の乗った“もったりとした舌ざわり”まで再現しています。
植物性由来の原料のみで動物性エキスを使用しないため、ヴィーガンにも対応。本商品の売上は右肩上がりで、ラインナップの拡充や、新たな「漬け商品」の開発も進めるとのことで、今後の植物性シーフードの進化にも注目です。
植物性白身魚フライが登場
大手ファストフードチェーンのモスバーガーは2023年、大豆たんぱくを主原料とする「ソイシーバーガー」を発売しました。衣のサクサク感はもちろん、白身魚の風味やほぐれ感が忠実に再現された逸品です。
タルタルソースも植物性油脂を使用しており、動物性のものは一切使用されていないヴィーガン認証商品です。
本商品は期間限定発売でしたが、再販を待ち望む声も多いとか。

ウニ風味の豆腐が人気
最後に紹介するのは、海の高級食材ウニを再現した<ウニ豆腐>です。
相模屋食料株式会社(群馬県前橋市)が2022年に発売した「うにのようなビヨンドとうふ」は、僅か2か月で60万パックを販売する大ヒット商品となりました。
豆腐こそ、日本が誇る最強のプラントベース食品なのかもしれませんね。

植物性シーフードで広がる代替食品
筆者はエビアレルギーなので、えび風味を再現したかまぼこが登場した時にとても感動しました。
今回紹介した植物性シーフードはいずれも、魚アレルギーなどを持っている人が魚介の風味を感じることのできる素敵な商品だと感じます。
植物性シーフードの開発はこれからもまだまだ進んでいくと思われます。持続可能な食生活に貢献するのはもちろん、それをきっかけに新しい食の楽しみ方が広がっていると言えるでしょう。
誰もが安心して食べられる新しい“食”の選択肢を、皆さんの食卓にも取り入れてみてはいかがでしょうか。
<桐田えこ/サカナトライター>