渓流魚を飼うということは金魚やメダカを飼うのと同じ機材だけでは不可能である。ただ金魚などを飼える機材がすべて使えないかというとそうではなく、基本的に水槽飼育としてはやっていることは同じなので必要な機材を追加することで十分飼育することができる。そこで渓流魚を飼育すると思ったらそろえておきたいアイテムをご紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWS編集部 藤村)

水槽用クーラー
このアイテムこそ自宅の水槽で渓流魚を飼育するために必要不可欠なもの。冷却方法として主に2種類あり、ペルチェ素子を用いて熱を放出させるペルチェ式クーラーと、冷蔵庫と同じ原理で水を冷やすチラー式クーラーがある。

チラー式で決まり
渓流魚飼育の場合、かなり強力に水温を下げる必要があるためチラー式クーラー一択である。しかも水温を18度以下に設定する必要もあるのでメーカーは限られる。
水温は15度
なお経験上一番失敗のない水温は15度。これより温度を下げてもいいのだが、電気代がかかるため15度が妥協点かと思う。夏場はもちろん冬でもこの水温設定で。
筆者が使用しているのはゼンスイのZCシリーズ。強力に温度を下げるパワーを持ち、しかも故障が少ない(というかほぼ無い)のでオススメである。正直お手軽な価格とはいいがたいがここは妥協をしないほうが失敗は減る。一番小型のZC100から最強のZC1300まであるがニジマスやイワナなどの高水温に強い種類なら一番小型のクーラーで室内エアコンと併用でも対応できると思われる。
ただ本来は強力なクーラーがあるほうが稼働時間も短くてランニングコストと故障リスクも下がるため、お財布の許す限り大型のものを準備したい。
ちなみに自宅の60cm水槽で使用しているのはZC500。
ライト
水槽内を美しく照らすライトも必要。というのも渓流魚を自然光で飼育できるのは理想だが、魚たちは日照時間の長さによって繁殖のトリガーが働いてしまう。場合によっては寿命が短縮されてしまう可能性があることと、光の不足のために骨の発育に異常が生じて変形を起こす可能性があるので必要なアイテムだ。ただ渓流魚飼育だけで考えるなら高価なものは必要ない。
また追加アイテムとして点灯、消灯時間が調節できるタイマーを併用して水槽内の明るい時間を管理しよう。
カルキ抜き・トリートメント剤
水槽で使用する水は水道水を利用する。ただそのままの水道水は人が直接飲用できるように微量の塩素で殺菌されている。その微量の塩素が魚にとって致命的な有害物質になるので、それを取り除くカルキ抜きやトリートメント剤を使用して魚にとって安全な水にする必要がある。

筆者は通常の水替えにはテトラパーフェクトウォーター、魚をお迎えした移動中や水槽導入直後には魚の粘膜を保護するテトラアクアセイフ、残念ながら病気が発生したときはトリートメント剤が薬の薬効を阻害するのでシンプルなカルキ抜きと状況によって使い分けている。もちろんシンプルなカルキ抜きだけですべてに対応することも可能だ。
保冷アイテム
少しでもランニングコストを抑えるため水温を低く保つためのアイテムとしてスタイロフォームとフィルター等を接続するホースには保温用のパイプカバーを使用する。

これらはホムセンで購入できるのでスタイロフォームは水槽の外枠に合わせてお店でカットしてもらい、水槽底面、背面、側面に隙間なくピッタリ密着させることによりクーラーボックスのように水槽を保冷させることができる。先の水槽のところでフレーム付きではない水槽を推した理由もここにある。

またフィルターに保温シートを巻いて結束バンドで固定し、できるだけ冷気の放出を防ぐ。
砂利や石
水槽内のレイアウトとして砂利や石を配置して生息している環境に近づけると、渓流魚本来の色彩が出るため準備したい。まだお迎え直後のおびえる魚にレイアウトで隠れ家も提供できる。

これらの砂利や石は水道水で洗浄したのち、煮沸してから使用すると水槽の水の濁りを抑えられる。なお砂利はあまり厚く敷きすぎると汚れが蓄積しすぎるためやや薄めにしいたほうが良いだろう。他アク抜きをした流木を配置しても雰囲気が出る。