東京湾の船釣りのなかで、一年を通して多くのファンを集めているタチウオ。近年のさらなる人気を牽引する一つの要因となっているのが、関西発祥のテンヤで狙う釣法の広がり。120cmを超える通称・ドラゴンと呼ばれる大型のキャッチ率が高く、ゲーム性の高さと、ダイナミックな引きを味わえることが大きな魅力となっている。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース関東版APC・田中義博)

メーターオーバー連釣
すると、ソフトに竿先を跳ね上げるアタリ。すぐにアワセは入れず、反応を消さないよう短いストロークで誘い上げていく。徐々にアタリが大きくなり、グッと引き込んだところでアワセを入れる。
無事取り込んだのは、船中1尾目となる指4本サイズ。まずは本命の顔が見られたことで、ホッと胸を撫でおろす。
同時に、電動の巻き上げ音が鳴り始める。右舷には、市川市のご近所さんという3人が連座。まずは、トモの齋藤さんがメーターオーバーをゲット。

続いて、胴の間の橋さんも指4本サイズを手にすると、ミヨシに座る田中さんはメーターオーバーをキャッチ。

船中全員安打
左舷では、ミヨシに座る世田谷区の大塚さんが、ていねいな誘いからアタリを出して連釣。

胴の間の横浜市・鳥越さんは掛け損じも多かったが、船長からのアドバイスで本命をゲット。無事に船中全員安打を達成し、船長も安堵の表情を見せていた。

渋いなかでも良型主体に楽しめた
だが、アタリを出せていたのは開始直後の数流しだけ。その後は、触りのアタリが出ても、本アタリに繋がらない状況が続いてしまう。
船長のアドバイスを元に試行錯誤を繰り返していくが、なかなか打開策が見えないまま時間だけが過ぎていく。
そんな重苦しい状況に変化が表れたのは、上げ潮が効き始めた11時半過ぎ。明らかに生体反応が増え、テンヤの周りにタチウオが寄る気配が感じられるようになる。
派手なアタリは出ないものの、最初のアタリで早掛けせず、しっかりと追わせてからアワセを入れることでキャッチ率を高めていった。また、沖上がり直前に連チャンしたシーンでは、テンヤのカラーローテーションが効果的だった。
最終的に8尾まで釣果を伸ばせたのは、船長のアドバイスが奏功した形となった。14時に沖上がり。船中釣果は、70~118cm2~8尾。

今後の展望
下船後、一之瀬遥斗船長に今後の展望を聞くと、「今日は難しいなかでしたが、何とかみなさん本命を手にできてよかったです。自然相手ではありますが、タチウオの活性は浮き沈みしますので、シケなどで海がかき混ぜられたりすると、一気に状況が変わったりもします。宿のホームページには毎日、情報を更新していますので、チェックしておいてください。テンヤタチウオをやったことがないという初心者の人には、釣り方をアドバイスしますので、ぜひチャレンジしてみてください」と締めくくってくれた。
釣行日は、低活性ながらアタリを出すための試行錯誤が、次の釣りに繋がるスキルアップを実感する一日にもなった。ドラゴン級も狙える東京湾のテンヤタチウオ。かけ引きを楽しみにあなたも挑戦してみてはいかが?

<週刊つりニュース関東版APC・田中義博/TSURINEWS編>
一之瀬丸

全10隻の釣り船でさまざまな釣り物に出船。定番のアジやシロギス、人気のタチウオやカワハギ、高級魚マゴチやマダイ、多彩な魚種を狙えます。初心者もベテランも誰もが楽しめる。