晩夏。過ぎれば秋、短し。そして約半年の冬がくる。この時期に釣りが賑わう。沿岸の小さな釣り物では何と言ってもメバルだ。アジよりもムラがなく、安定して釣れる。序盤のタイミングをうまく掴んで数釣りを目指そう。メバルをルアーで釣るメバリングの基本情報と、序盤のパターンを紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
そろそろメバルが始まるぞ
メバルは早ければ10月から釣れる。適水温は14℃だがこの上3℃まで、マイナス1℃までは安定して釣れる。つまり海水温13℃~17℃まではメバルが相手をしてくれる。一度釣れるとスポーン(産卵)の時期を除いてずっと釣れ続ける、ほとんどが回遊しない居着きの魚だ。釣っていく上で大事なのは序盤の掴み方。今年2024年ほど暑いとなかなか浮上しにくいだろうが、一度浮いてくると長いこと居てくれるので、その始まりを掴むと早々にパターン化できる。
筆者は4月5月のメバリング最終盤よりも、序盤の10月11月のほうがずっと釣りやすいと思っている。はじめのはじめだけ苦労するが、そこも魚のレンジをとらえ、適切なルアーを通せば、再現性を持たせるのは簡単だ。
タックル要件と序盤のパターン
まずは基本情報について触れよう。
タックル要件
タックルは次のようなものを準備したい。
・メバリングロッド7ft台(またはアジングロッド6ft台、ライトロックフィッシュロッド6ft台)
・スピニングリール2000番PEライン0.3号リーダー5lb
・ジグ単リグ0.4g~1.2g程度ワーム1.6inch前後
メバリングは必ずしも専用タックルを要しない釣りだ。比較的ちょろい魚ともいえる。どちらかといえばアジングのほうが難しく、専門性が高いので、アジングタックルを流用する手もある。その中庸といえるライトロックタックルも使える。
序盤のパターン
適水温前、どちらかといえば高水温期(~20℃まで)に狙えるアーリーシーズンのメバルは、キーレンジが「ボトム」になる。通常メバルのレンジといえば表層なのだが、まだ水温が高い時期にはレンジが下がるのだ。「そろそろメバル釣れるかな」と外気温が低くなり、なんとなくそういう気配がしてくると、居着きの場所には実はメバルがボトムでふらふらしている。夜の上げ潮の時間に重ねてボトム付近に1.5g程度のジグ単を送り込んで巻くと釣れる。
それ以降、水温が低くなっていくと共にメバルは表層に浮上し始める。夕マヅメの食いにはあまり期待せず、ちゃんと夜になりきってから、足元の表層を打ち始めよう。大阪湾奥アングラーの筆者の釣り方としては、19時からメバルが浮上すると読んで釣っていく。それまではアジングだ。
適水温では表層1本絞り
メバルがパターン化できる上限水温の17℃になれば、まずボトムを見るのではなく、最初から表層1本絞りにしたほうが釣れやすい。メバルは基本的にどこにいっても表層の魚だ。あまりにそのパターンが露骨なことから、ここまでイージーなのである。わざわざ探す必要はない。表層で食ってくるヤツを狙えばいい。
ただしひとつの釣り場を順番に釣っていくと、群れにプレッシャーがかかる。そうなるとレンジが下がり始めるので、5カウント10カウント最大15カウントまでカウントダウンして釣ろう。ただしその際も、その場で通用する最軽量のジグ単を使って、なるべくふわふわとナチュラルな誘いで釣る。
序盤はカサゴと釣り分けられない
アーリーシーズンないし序盤のメバリングは、キーレンジがボトムなので、同じく根魚で反応がいいカサゴとは基本的に釣り分けられない。特にメバルが集中するピンポイントの釣り場ならばともかく、カサゴが半分以上混じってくる。これは仕方ない。こいつも本命と思おう。
またひとつ注意しなければならないのは、この時期のアジの動きだ。アジが入りまくっていると、メバルは極端に壁ピタになり、釣れにくくなる。アジが少ないところで釣るか、アジを本命の狙い物としたほうがいい。その意味でも、アジングロッド流用には、実に大きな意味がある。
<井上海生/TSURINEWSライター>
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