何事にも向き不向きがあるもので、釣りにもある。釣りはあくまで趣味・娯楽の一つだ。よし釣りをしようと竿を持って、現に魚を釣ってみても、人によっては「?」とピンとこないかもしれない。では、あなたの釣り適正は、どれくらいのものだろうか?筆者の印象から、「きっと釣りに向いていますよ」または「向いていないかも……」という話をしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
あなたは釣りにむいている?
人と釣りが趣味だという話をしていると、「ああ、私も一度やってみたいんですけどね」とまんざらでもなさそうな言葉が返ってくることがある。しかし、なんというか、そうやってずっと釣りに行くことを留保している人は、まあこれから釣りを始めることはないだろうな、という気がする。これはもう……そういうものなのだ。
私はこれまで、何人かに釣りの魅力を伝えてこの世界に引き込み、または、残念ながら竿を持たせることさえできなかった。そんな経験から、なんとなく人の「釣り適正」というべきものが、日常の雰囲気や性格からわかるようになってきた気がする。
ということで、今回はそんな私の経験から、釣り適正のある人・ない人について私見を述べたい。
釣りに向いている人
では、まず釣りに向いている人、だ。釣り適正のある人は……。
自然が好き
海・山・川……自然が好きな人は、まず釣りもやってみようという気になるだろう。経験者から魅力を説いて、その上竿も渡すよと言ってしまったら、まあ、まったくそっぽを向いてしまうということはない。
だが私は、この種のアクティブな活動家にとって、釣りはあまり優先順位が高いことではないのだろう、とも思う。彼らの多くは自然相手の趣味の幅が広く、釣りに割こうという時間が決して大きくならないのだ。
ぼーっとしている時間が好き
よく宙を見ている人がいる。何を隠そう私も日常坐臥、宙の一点見つめの人間である。この手の人は、わりと釣りが好きな傾向にある。これまで自分と似たニオイのする「ぼーっとしている時間が好き」という人を、何人か釣りに引き込むことができた。特に海釣りなんてものは果てのない水平線をぼけーっと見ている時間が長いくらいなのだから、この手の人が好まないわけがない。
その他、もはや偏見レベルだが、たとえば「手先が不器用な人」や、「喫煙者」は、釣りにのめり込みやすいものだと思っている。「手先が不器用」というのは、釣り人の弱点みたいだが、実は釣りにおいて求められる手先の所作は、ノットやロッドワークやリーリングを含めて10通りくらいしかない。マスターしてしまえば、なんでもないのだ。自分が不器用だと嘆いている人ほど、やってみれば「自分だってできるじゃん……」と得意に思えてしまうことから、のめり込んでしまったり。
「喫煙者」も大体、釣りが好きですよね。大自然の前で吸う煙草はおいしいものだ、元喫煙者の私もそう思う。
釣りに向かないかもしれない人
では、続けて釣りに向かない人の条件について……あくまで私の考えを述べよう。
短気・せっかち
これが一番まずいのではないだろうかと思うのだが、釣りは短気な人や、せっかちな性格の人には向かない。魚釣りとは、そんなに簡単に結果が出るものではないからだ。
実利益追求型の人
金儲けが好き、とまでは言わないが、何かしら行動する限りそれが現実的な成果をもたらしてくれないとダメ、というタイプは釣りに向かない。釣りは、どんな釣りも、釣れないキャストの方が多い。釣れるのは、300投げて1つのこともある。それが「退屈そう」「時間の無駄だ」と思ってしまうなら、たぶん釣りはやめておいた方がいい。
食べない釣りは無意味では?と思う人
「魚釣りするんだったら、食べるんですよね?」と釣りをしない人によく言われるが、必ずしもそうではない。「食べない釣りって、どうなんですか?」と怪訝そうにされる。
このタイプの人も、あまり釣りには向かないんじゃないかという気がする。こういう質問をされたときの答えはいくらでもあるが、私がよく言うのは、「魚釣りの目標はただ魚を釣ることであって、食べることではないから」だ。
最初はエサ釣りから入ろう
これから釣りデビューしようかと考えている人、何かしら参考になっただろうか?もし気分を害するようなことを言ってしまったなら、すみません。
まあでも……当然ながら私が言ったことがすべて正解ではなく、やってみなくちゃわからないところがある。最初は気楽な堤防のエサ釣りからはじめてみてほしい。ブラクリでカサゴ、サビキでアジ。釣る面白さがわかったら、本質的に適性がなくても、ハマるかも。
<井上海生/TSURINEWSライター>