毎週第二日曜日、海岸でゴミ拾いをしている方々がいる。釣り人やその家族、釣り具メーカーの方、釣具屋さんなど立場は様々だが、皆釣りが好きで釣り場を守っていきたいと思っている人たちである。静岡から始まった『地元の海を綺麗に残すために』をテーマにした活動、フィッシングボランティアの参加レポートをお届けしたい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター黒犬ちこり)
フィッシングボランティアとは
静岡県沼津市の海岸から始まったボランティア活動。月1回の活動もすでに40回を超え、現在は沼津のみならず静岡・焼津・富士といった静岡県各地だけでなく愛媛や沖縄など、全国に活動が広がりつつある。問合せも多いとの事。
釣り人主体ではあるが決して堅苦しい集まりでは無く、当日現場に行けば誰でも気軽に参加することができる。必要な物は用意して頂けるので『釣りの合間にちょっとだけ』といった参加も可能である。
釣りが好きな方が集まっているので釣り談義できるのが最大の魅力。様々な情報交換をしたり、場合によってはメーカーテスターの方から直接アドバイスを頂いたりもできる。
当日の様子
富士市の富士川海岸、通称『ポリプラ裏』で行われたボランティアに参加してきた。
年明け一回目とあって「今年もよろしくお願いします。」の挨拶が飛び交う。あちこちで生きた情報が交換されていく。開始前のこの時間が既に楽しい。顔見知りだけでなく初めての方も居れば子供連れで参加される方、メーカーテスターの方、釣具屋さんといろんな方がいらしていた。受付を済ませ、軍手やゴミ袋を受け取る。
総勢40名近くが集まったところで時間になり代表からの挨拶。その後既定の時間まで各自散らばりゴミを拾う。
ここ富士サーフは最近ボランティアが始まったエリアなのだが、活動の甲斐あってゴミを探すのに苦労するくらい綺麗になってきた。その分皆さん遠くまで歩いてゴミを探されていた。
約1時間のゴミ拾いの時間が終わりゴミを分別していく。当日はプラスチックや発泡スチロールなどの不燃物、ペットボトルや缶・瓶、家具のパーツや園芸ポットなどが見られた。
ゴミをまとめたら参加者全員で記念撮影。ご都合で帰られた方も居たが、ほとんどの参加者の方と集合写真を撮ることができた。代表の一言を頂き、ボランティア活動としてはここで終了となる。
最後はレクリエーションタイム。当日はFishArrowテスターの根緒さんによる近隣エリアの当たりパターンと効果的なFishArrow製品の使い方がレクチャーされた。実物の展示と、希望者にはサンプルのお土産もある大盤振る舞いであった。
お茶を頂き流れで解散となる。すぐに帰られる方もいるし情報交換や雑談を楽しむ方、片付けのお手伝いをする方、根緒さんに直接レクチャーを受ける方など各自楽しんでいた。
集合から解散まで1時間半ほどであったが実に有意義な時間だった。
富士エリア代表紹介
富士フィッシングボランティア代表の望月さんに色々とお話を伺った。
ずっと富士市が地元という望月さん。「サーフに立ってルアーを投げるのが楽しい」とのことで大変優しい、穏やかな雰囲気の方である。
釣りチームに所属して沼津サーフをメインにルアーフィッシングを楽しんでいらっしゃり、沼津フィッシングボランティアに毎回参加していた所、そちらの代表から「富士の活動の代表を引き受けてくれないか」とお話があり、現在代表として活動されている。
富士での活動は地域企業からのご提案から始まったのだが、協賛・賛同いただける企業も多くとてもありがたいとのこと。今後も富士川海岸でのボランティアを続けていきたいが、駐車場など参加者が集まるための場所確保が現在の課題だそうである。
ご苦労されていることを伺うと「人前でしゃべることが苦手で……。」とはにかんでいた望月さんだが、「朝早くからの準備は大変ではないですか?」という筆者の問いに対しては「釣りのついでなのでたいした事はないですよ。」とおっしゃっていた。しかし、行政への申請、使用する資材の運搬や配布、当日の運営、集まったゴミの処分など、仲間と協力しているとはいえ情熱が無ければできない仕事量に感じた。