内臓が美味しいサカナは実はたくさん 鮮度・調理法・魚種には注意が必要

内臓が美味しいサカナは実はたくさん 鮮度・調理法・魚種には注意が必要

秋のサンマやカワハギ、アンコウなどは内臓が美味しい事でもよく知られています。しかし、その他のサカナで内臓を食べる話をあまり聞かないのはなぜなのでしょうか。

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サカナの内臓は食べられる?

多くの人はサカナを食べる際、身を美味しく食べると思いますが、通の人は身だけでは満足できず、むしろ内臓を好んで食べる人もいます。

え、サカナの内臓ってたべられるの?と思う人もいると思いますが、サカナの内臓は非常に美味しい部位であり、サンマの内臓はよく大人の味だと表現されますよね。他にもカワハギやアンコウの肝は愛好家が非常に多い人気の部位です。

また、内臓というと臓器のイメージが強いですが、イクラやタラコのような卵、タイの白子も言ってしまえば内臓にあたります。

ですので、まずはサカナの内臓は基本的には食べることが出来ると覚えておいて下さい。そのうえで、避けた方が良かったり、ぜったいにNG な場合もある事を知っていければと思います。

どんな部位を食べるの?

まず、先にも述べた通り基本的には内臓に毒があるような以外はどのサカナも内臓は食べることができます。

サカナの内臓はほとんどが珍味扱いですが、肝臓だけでなく胃や心臓、卵が美味しい内臓としては一般的です。

他の部位も食べることはできますが、非常に苦かったり、小さ過ぎて調理が難しいことからある程度の大きさを必要とするため上記の部位が好まれています。

内臓が美味しいサカナは実はたくさん 鮮度・調理法・魚種には注意が必要卵も内臓の一部(提供:PhotoAC)

何より鮮度が大事

内臓を食べられるサカナとしてよく知られているのがサンマやイワシなどですが、内臓を食べられるサカナと食べられないサカナにはどこに違いがあるのか。

まずサンマやイワシについてはそもそも消化器に胃や腸がありません。驚く人もいると思いますが、サンマの食べたものは食道から入って肛門から出るまで一度もとどまることなく排泄されていきます。これにより、サンマはの体の中に排泄物がほとんどたまりません。

この消化されて行く行程が非常にシンプルであることが内臓を食べられることにおいて非常に大事なのです。

他のサカナの場合はもちろん胃や腸があり、その中には消化中のものがあります。サカナが死ぬとまずこの消化物から腐敗が進んでいくのです。これは時間がたてばたつほど進んでいき、鮮度が非常に悪いものはどれがどの内臓か分からない程どろどろに溶けてしまいます。

こうなるともう食べることなど不可能になってしまうので、内臓を食べたい場合はまず鮮度。これをなによりも大事にしなければなりません。

排泄物が入っていると考えると内臓を食べることに抵抗を感じてしまいますが、それがたまっていない胃や腸がない魚なら食べられますね。

どんな食べ方?

基本的には内臓の生食はあまり推奨されていません。焼いたり、茹でたりと加熱調理をすることで食中毒を避けることが出来ます。

こういった危険性を回避する調理をすることで、内臓は美味しく食べることが出来ます。

食べるサカナは選んだ方が良い

基本的には内臓が食べられるとしても、食べるサカナは選んだ方が良いでしょう。

フグの肝はどんなものよりも美味しいと言われていますが、その代償に食べたらほぼ間違いなく死んでしまいます。

他にも同じサカナであっても漁獲される地域によっては内臓に毒がある場合もあるため、内臓を食べるには注意が必要です。

この現代、調べればあっという間にその判断はできます。自己判断ではなく、正しい知識を持ってぜひ内臓を食べてみて下さい。

<近藤 俊/サカナ研究所>