ハゼ釣りで一番釣れるハリ(針)の色と形状を検証 色は関係なかった?

ハゼ釣りで一番釣れるハリ(針)の色と形状を検証 色は関係なかった?

ここ数年、既製仕掛けの商品群が非常に充実してきた。サビキから投げ釣り仕掛け、川釣りの仕掛けまで、釣具店では一つのコーナーを形成している。アングラーが自ら仕掛けを作る時も、これらの既製仕掛けの仕様は参考になる。そこで、ハゼ釣りの仕掛けを取り上げ、そのパーツの一つ一つの要素を実釣テストで検証してみた。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・牧野博)

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牧野博

初めて投げ竿を持ったのはもう50年近く前、関東で就職してからクラブに入会し、投げ釣りの面白さに魅了されました。根掛かりの多い砂地の磯場や河口内でわざわざ引き釣りをするという特異な習性があるほか、秋にはヘラ竿を持って汽水域を徘徊することもあるようです。

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淡水の釣り 小魚釣り

ハリの形を変えた実釣テスト

次の段階として、ハリの形を変えたテストを実施した。

キス釣りなどでもよく議論されるが、活性の低いときに、単純に短軸の小針が良いとも言い切れない時がある。読者の方々もよくご存じのように、キツネ型か、袖型のタイプか、キス釣りのハリも実に多種多様の形のものが販売されている。

このことはハリの形ということの悩ましさを物語るものであり、さらに深く突き詰めてゆくと竿の調子などとも関連し、非常に難しい問題であるともいえる。

今回はハリの形以外の要素をできるだけ共通化するため、同じ赤色のハリ同士で、ふところの大きさや形もできるだけ近いものを選び、短軸と長軸の比較の形を取ってみた。

ハゼ釣りで一番釣れるハリ(針)の色と形状を検証 色は関係なかった?針の色の違い(提供:TSURINEWSライター・牧野博)

タックルとテストの場所・日時

タックルは、竿、道糸、オモリまでは先のハリの色を変えた実釣テストの時と同じである。

仕掛け:次のA、C2種類の連続仕掛けを用意し、2本バリにカットして使用。針の色は同じで、ハリの形だけが違う。赤袖は袖型、赤ハゼは流線袖型(長軸)。

A:ハリ 赤袖5号 ハリス1号 モトス2号 枝バリの間隔15cm      
C:ハリ 赤ハゼ7号 ハリス1号 モトス2号 枝バリの間隔15cm

この2つのハリはともに赤色である。針の表示号数は異なるが、ふところの大きさはほぼ同じで、短軸か長軸かの違いといえる。ともに針にヒネリは入っていない。

エサ:イシゴカイ
実釣テストの場所:紀ノ川河口
実釣テストの日時:10月14日 13:50~18:00(右岸2か所、左岸1か所、3か所のポイントで実釣)

・第1ラウンド:紀ノ川右岸 紀之国大橋下の河原(13:50~14:30)
・第2ラウンド:紀ノ川右岸 市民スポーツ広場前の護岸(14:50~15:40)
・第3ラウンド 紀ノ川左岸 北島橋下(17:00~18:00)
  
テスト時の川の状況:濁りなし
天候:雨 

具体的な実釣テスト方法

実釣テスト2と同様で、3投ごとにハリス止めから下の2本バリの部分をAからCに交換し、釣果をすべて記録した。また、釣れてくるハゼのサイズも大まかではあるが調べた。

釣れてくるハゼのサイズは、第3ラウンド>第2ラウンド>第1ラウンドの順に大きかった。

ハゼ釣りで一番釣れるハリ(針)の色と形状を検証 色は関係なかった?針の形の違いによる釣果(提供:TSURINEWSライター・牧野博)

針の形で釣果に差が出た

同じ赤い色のハリで、袖型(短軸)と赤ハゼ(長軸)の実釣比較テストを実施した結果、次のようなことがわかった。

・長軸の赤ハゼバリの方が、ハゼの匹数の面でやや優勢であった。
・赤ハゼバリの仕掛けでは、2点掛けがあった。また、良型がくる傾向が見られた。

赤ハゼバリは、ハゼ用として市販されているハリである。ハゼがエサを食う時の習性なども考え、メーカーでも繰り返し実釣テストをされていると思う。特に、今回のテストの第2ラウンドでは、赤袖のハリに対してダブルスコアの差をつけた。

袖バリの方は、主に淡水での汎用のハリである。短軸なので、一般的な考え方からすれば吸い込みはいいと考えられるが、今回のテストでは、赤袖バリの場合、アタリがあっても素バリを引くことが多かった。

しかし、小型のハゼが多かった第1ラウンドでは赤ハゼバリよりもハゼの数で上回っているなど、ハゼ釣りに適したハリであることは間違いないと思う。

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