PEラインは長持ちするラインだ。ナイロンラインやエステルラインは、使った長さだけその都度切るような使い方をするが、PEラインはメンテナンスを怠らなければまあ半年に一度くらい消耗した部分をカットするだけで済む。しかし、疲労が蓄積してか、高切れが頻発するタイミングがくるのも確かだ。今回は、そんなときに実践すべき「裏返して巻く」という手段を紹介したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
PEラインの寿命
PEラインは細イトほどやはり弱い。細イトとはここで定義するなら、0.8号くらいまで。とはいえ、週1回の釣行で、水洗いのメンテナンスを怠らず、適度に消耗した部分をカットしながらならば、1年は問題なく使用できる。
筆者の印象として、ライトゲームではそこまで遠投することがないので、0.3号ならば3か月に1度10mカットでフレッシュな状態を維持できると思う。ただ、細イトとはいっても50m近くキャストするエギング用の0.6号、シーバスやワインド用の0.8号ならば、投げた分は消耗が早いと考えた方がよい。半年で30m、1年で50mは巻き替えが必要だ。
もともと200m巻いているラインならば、1年でおよそ2回、合計50m切って、残り150mくらい。そこからもう少し使ったら、そろそろPEラインの裏返しを考えた方がいい。
PEラインを裏返して巻く
PEラインを裏返して巻く、とはどのような意味か?
これは、スプールのオモテ面に来ているラインを内側にして、内側に巻いている部分をオモテ側にするという意味だ。スプールの奥で、まだ使用していない新品部分をオモテに持ってくる。こうすることで、実質PEラインを新品未使用の状態で、まだ使うことができる。
うまくラインを残していれば、裏返して巻いた状態からあと1年は使うことができる。PEラインは実は、2年以上使えるキャパがあるのだ!
高切れ連発が疲労蓄積のサイン
PEラインのカットをケチるのはよくない。疲労が蓄積して、必ずブツブツと切れるタイミンがくる。細イトではそれが顕著で、どこかで高切れが頻発する日がくる。こうなるとその日は釣りにならない。
筆者の最近の釣行では、つい先日、1年半使用のPEライン0.5号が、1日に3回高切れしてしまい、また最後には30m近くバックラッシュするという憂き目にあってしまった。
釣り場で目減りしていくラインを見るのは精神衛生的にも良くない。「何かあったら切れるんじゃないか?」と心配で、キャスティングが怖くなる。攻めた釣りができなくなる。ただ、筆者の場合ラインウェイト14lbに対し20g近いリグをフルキャストしていたので、ラインの疲労もひどかったのだと思うが。
飛ばす釣りほどこまめなメンテ
最後にPEラインのメンテの基本術を紹介しておこう。キャスティングの距離が長い釣りほどメンテは入念に、裏返しと交換は早く。そうでないライトゲームなどは、やや緩めの対応でいい。
水洗い
釣行後の水洗い。特にソルトで使うPEラインは絶対にこれを欠かしてはならない。水洗いは水道から水を出して念入りに、ラインを揉みながら洗おう。スピニングリールの水洗いの際ドラグは締めて、ベールの可動部分も入念に水洗いしておこう。ここが意外に潮噛みするのだ。
シリコンスプレーの塗布
PEラインの強度を復活させるものではないが、たまにシリコンスプレーの塗布もしておきたい。シリコンスプレーは水に削られたラインの表面のコーディングをごまかす程度のものだが、飛距離アップや高切れ防止にはまあ多少は寄与する。
カット
上述の通りだ。釣行頻度を考え、ラインの色褪せや損傷も見て、適量をカットしよう。
裏返して巻く
最後の手段が、裏返して巻くことである。こうすれば、PEラインを実質2倍の寿命で使うことができるのだから、経済的。傷みが激しいライトショアジギングなどでは、特に早めの裏返しや交換を推奨する。
<井上海生/TSURINEWSライター>