投げずに楽しむ堤防釣り:クロダイ(チヌ)の落とし込み(前打ち)釣法

投げずに楽しむ堤防釣り:クロダイ(チヌ)の落とし込み(前打ち)釣法

1980年代に端を発して一大ブームを巻き起こした「チヌ(クロダイ)落とし込み釣法」が、愛好家たちの間で絶滅危惧種のごとく今も生き永らえているのをご存じだろうか。この記事では、釣り場を関西の沖防波堤に設定して、チヌ落とし込み釣法を、私(筆者)の経験をもとにコンパクトにまとめて紹介したい。投げずに楽しめる釣り方の一つとして、この夏に挑戦してみてはいかがだろうか。

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(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

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伴野慶幸

へっぽこ釣り師の伴野慶幸です。尼崎~垂水間の渡船利用の沖堤防 がメインフィールドです。

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堤防釣り 海釣り

釣り方について

落とし込み釣りは、呼び名の通り釣り場を移動しながら、エサを壁面ぎりぎりに垂直に落とし込んでいく釣法である。

「壁面ギリギリ」と「垂直」の2つが重要なキーワード。エサが壁面から20cmより離れてしまうと釣れないと言われており、エサが波や潮に流されて垂直に保てずハリスが斜めになると、魚はエサの落ち方の違和感からアタックして来ない。

投げずに楽しむ堤防釣り:クロダイ(チヌ)の落とし込み(前打ち)釣法壁面ギリギリにエサを落とす(提供:TSURINEWSライター・伴野慶幸)

この微妙な操作を実現するために、竿先で目印仕掛けを巧みに誘導しやすい専用タックルが必要になる。この落とし方は、活字だけでは分かりづらく、経験を積まないと上手くいかない。

幸いなことに今の時代は、落とし込み釣りの実践映像がDVDやネット配信動画で視聴して学ぶことが出来る。一例として、関西でチヌ落とし込み釣法の一大ブームを展開した伝道師的存在の山本太郎氏による実践解説動画が、シマノ公式YouTubeで公開されているので紹介させていただきたい。

潮回りと時間帯が重要

盛期でチヌの寄り付きがよほど良い場合は日中まんべんなく釣れることもあるが、普通は潮回りと時間帯が重要で大潮か中潮で、満潮の前後1時間が朝マヅメ(夜明けから朝8時頃まで)か夕マヅメ(夕方4時頃から日没まで)に到来する日がベストだ。

ただし、強風や高波、前日までの雨の影響による水潮、盛夏の高水温によって生じる赤潮や苦潮といった自然の摂理の負の要素には敵わないので、天候や海況が安定している時を選んで釣行したい。

落とし込釣りのアタリと取り込み

落とし込み釣りにおけるチヌのアタリは微妙で、ウキ釣りやルアーフィッシングなどのように魚が掛かった瞬間が明確には判らない。初の1匹を手にするまでは、アタリは判らないかもしれない。だからこそ目印仕掛けやリールに巻くラインマーカーが微妙なアタリを判別する助けとなる。

アタリは目印を引き込んだり、落下速度が緩んだり、時には竿先から魚の感触が伝わったりと様々だ。アタリを感じたら、竿先を鋭く沖に払い出すようにして跳ね上げるようにしてアワセる。

魚を掛けたら、壁面から魚を沖に離して、糸をリールから極力出さずに、竿の力を信じてひたすら耐えて魚を海面に浮かせることに専念する。魚を海面に浮かせようとすると、海面で魚は激しく抵抗するが、無理にタモ入れしようとせず、海面で魚に空気を吸わせて勢いを止めてから取り込むとよい。

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