近年大人気のSLJ。スーパーライトジギングの略だが、狙える魚の豊富さとよりライトなタックルでのスリリングなファイトが魅力だ。今回はそんなSLJ発祥の地とも言われている三重県・志摩沖が舞台。南伊勢町宿浦から出船している釣船屋たにぐちにお世話になり、このエリアのSLJを掘り下げてみた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)
志摩沖の特徴
ひと口に志摩沖といっても、広大でとても広いエリアを指す。黒潮がガンガン当たる沖やトンジギをやるような所も志摩沖だし、ライトジギングやディープタイラバの舞台となるミドルディープエリアも志摩沖だ。
そしてSLJのフィールドとなるのは、その中でも比較的浅いエリア。水深は20mを切るような所から40m台まで、状況に応じて70~80mラインを攻めることも。
ボトムは総じて岩盤や岩礁帯が多く、ハタ類やカサゴ類がとにかく豊富だ。だが根掛かりのリスクもそれなりにあり、しっかりとしたボトムタッチの認識が必要不可欠となる。
ターゲット
志摩沖で釣れる魚種は非常に豊富だ。その中でもこの時期に本命視されているのがイサキだ。梅雨イサキといわれるように、この時期は産卵を控え身はぽってり厚みを増し、脂も乗りもぐんと良くなる。オキアミで釣るイメージが強いと思うが、魚食性も強くイワシや小アジなどのベイトを追い回すことが多い。
他に最も多いのがボトム周辺に潜むハタ類。オオモンハタやアカハタが多く、まれにクエやマハタなども上がっている。近年は温暖化の影響か、チャイロマルハタやルリハタなど、南方系のハタ類もちらほら見受けられるようになってきた。
マダイやワラサなどのヒットも多く、状況次第で何が掛かるか分からないという面白さもある。他にホウボウやオジサン、フエフキ系の魚も多い。この通り、浅場で釣りやすい上にこれだけ魚種豊富なフィールドもなかなかない。
2人の乗合で出撃
取材日は6月19日。この日は岐阜県可児市の市岡さんと、地元南伊勢町の山寺さんの2人の乗合だ。午前5時すぎに谷口智樹船長から簡単な説明があり、いよいよ沖へ向かう。
御座岬を回り込んだところでエンジンがスローになり、いよいよ釣り開始のアナウンスが流れた。水深は21mだ。
タックル
前述の通り、志摩沖のSLJは浅いポイントが多い。したがってスピニングタックルの使用頻度が非常に高い。SLJ人気を受けて各メーカーから多くのロッドが発売されているが、最初の1本として選ぶなら6~7ft前後の操作性のいいファーストテーパーのロッドを選ぶといいだろう。
リールはスピニングリールの3000番前後。パワーギアでもノーマルギアも、好みで選べばいいと思う。巻いておくラインはPEラインの0.6号。これにリーダーとしてフロロカーボンラインの3~4号を3~4mほど接続する。
使用するジグだが、水深や潮の速さによって使い分ける。重さは40~100gが主流。シルエットが小さいタングステン製のジグを使う人が多いが、決して鉛が不利というわけではない。鉛製のジグでも十分が実績があるので、さまざまな形状や重さのものを用意しておくといいだろう。
フックは2本バリ(タンデムフック)が主流。ジグを抱かないことが大前提となるが、完成品も多く販売されている。根掛かりの多いポイントならフロントのみ、中層をメインに探るなら上下にセットする。