釣り糸は消耗品だ。特に小物釣りに用いるライトラインとなると、消耗が早い。太さが強さではないが、PE1号よりも0.3号の方が間違いなく早めに交換した方がいい。しかし、都度巻きかえるほどの贅沢はできない・・・。では、どのように節約しながら使えばいいだろう?
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
ライトラインは取り扱いが難しい
ライトラインは傷みやすい、というか傷むと使い物にならない。冒頭でも述べた通り太いラインほど強い、わけではないのだが、やはりライトラインの方が消耗は早いし、突然切れるなどのリスクが高い。
PE・エステル・フロロ・ナイロン。ライトゲームなどの小物釣りに用いるラインはいくつかあるが、何にせよ0.4号とかそれ以下の号数になると、切れやすい。ライトラインの平均的号数といえば0.3号だろうが、およそこれくらいの太さ(そして強度)では、アクシデントを防ぐために、どのように管理すればいいのだろうか?
頻々とダメージチェック
まずは、ダメージチェックだ。PEラインを見ていればよくわかるが、どんなに見た目に細くて視認しにくいラインでも、目を凝らすと使用ごとに毛羽立っていくのがわかる。手で触った感触でも、ざらつきが感じられるはずだ。また、ラインの色の褪色。これらが蓄積したダメージの表れである。
とはいえ、ダメージチェックして、すぐに新品に巻き換える必要は筆者はないと思う。露骨にざらついたりクルクルとねじれてきたらその部分は切った方がいいが、アベレージでそんなにデカい魚が来るのではないならば新品交換は必要ではない。ちょっとした節約術を実践すれば、ラインは1年は保つ。
ライトライン節約術
次の3つの節約術を意識して、ライトラインは大事に使おう。
コーティング剤を試す
「PEにシュッ」などの商品、また溶剤の入っていないシリコンスプレーを用いれば、PEラインは傷んでいる状態をごまかしながら使える。0.3号~0.5号くらいならば、10回に一回吹いてやると、行く末3ヶ月は寿命を延ばせるだろう。
ただコーティング剤はあくまでコーティングの役割しかなく、失った強度を取り戻せるわけでもなければ、切れる寸前のラインの脆さを補えるものでもない。まあ、潮噛みからラインを多少守れる程度なので、これによって強度が増すなどとは信じないように。
切りながら使う
これが何よりの節約術と言える。ライトラインは切りながら使おう。すべての材質のラインでそうだが、エステルとナイロンあたりは確実にラインをカットしながら使った方がいい。
実際のところ、ショアのアジングやメバリングでは、先端から10m、20m程度しかラインを使わない。それも1回で悪くなるわけではない。10回くらいは持つ。それくらいで10m切れば、ほとんど消耗していない新品のラインがスプールの上に現れてくる。そこからさらに10回ほど使って切る。すると、ラインの鮮度を保ちながら、寿命を延ばすことができる。
裏返して巻く
節約の究極手段。何より新品のライン単価が高く、ライン強度そのものも高いPEラインは、「裏返して巻く」という手が有効だ。ラインを切りながら使って、最初に巻いた量の半分くらいになったら、釣り具店に行って、裏返して巻いてもらおう。
つまり、スプールの内側に入っていたラインを、上側に来るように巻き直してもらうということだ。そうすると、スプールに巻いたまま実質未使用状態だったラインがスプール表面に来るので、新品のラインで使用できる。
潔く新品交換も
筆者は150mのエステルラインを、およそ2年使う。最近は釣行頻度がめっきり減ったこともあるが、何より、切りながら使っても(あるいは、バックラッシュで相当切っても)、「そろそろ残り短い」と思ったところから、異様に保ったりするからだ。実は目減りしていると思うラインでも、60mほど残っていたりするので、すぐ換えるのはもったいない。
ただこのやり方はいいものではないと思う。ボラを掛けて60m走られてプールの根元から破断したら終了だ。釣りができなくなる。
とあるプロが言うには、「現代のリールはもうほぼ完成しているが、ラインだけはまだまだ発展途上」とのこと。特に釣果に直結するラインは、節約しながらとはいえ、あるところでごそっと巻き換えた方が気持ちもいいだろう。
<井上海生/TSURINEWSライター>