銀色で細長い魚体に、ギザギザの鋭い歯を持つ強面の顔。特徴的な見た目を持つタチウオですが、非常に美味しい高級魚で、タチウオ釣りも高い人気を博します。中でも船から天秤仕掛けで狙うタチウオ釣りは、初心者でも釣果を上げやすくオススメの釣り方です。今回はそんな天秤タチウオ釣りの仕掛けの詳細や、釣り方・誘い方を紹介します。
(アイキャッチ画像提供:渡辺釣船店)
天秤タチウオ釣りのタックル
船タチウオ専用ロッドやライトゲームロッドなどを使用します。調子は食い込み重視なら7:3、誘い重視なら8:2の先調子気味のロッドが使いやすいです。
リールは深場にも対応できる小型電動ベイトリールが主流。浅場メインの高水温期であれば手巻きでも対応できます。
ラインは深場に備えて、船宿指定のPEラインを300m巻いておくと安心です。PEラインの先にフロロ8号程度のリーダーを1mほど付けておくとタチウオの歯による高切れ防止に役立ちます。
天秤タチウオ釣りのエサの付け方
エサはサバやコノシロなどの切り身を使用します。軽く塩や添加剤で締めておくと、エサ持ちがよくなります。エサ付けは丁寧に行わないと、誘ったときにエサがくるくると回ってしまいアタリが減るので、天秤タチウオ釣りでは重要な要素です。エサの付け方は縫い刺しで、下記のような手順で行います。
1.針を刺す方をまっすぐや台形状にカットし、身側の端からエサの中心を刺すように皮側へ針を通す。
2.今度は針を反転し皮側から身側に出るように刺す。
3.ハリのチモトまでエサをこき上げたら、再度身側から皮側に針先を抜く。
4.エサの中央から針が出ていて、針の軸に沿ってまっすぐ刺せているか確認する。
5.2~3cmの垂らしを作るように先端をカット。垂らしが短すぎるとアタリが出なくなり、長すぎると食い逃げが多発するので注意。
タチウオ天秤仕掛けの釣り方
船長から下限のタナと上限のタナを指示されるので、下限のタナから上限まで誘いながら巻いてくるのが基本。指示ダナの範囲内でアタリの多いタナを見つけたら、そのタナ付近の狭い範囲を集中的に攻めるのも有効です。
タチウオ天秤仕掛けの誘い方
誘い方は竿先を海面に下げた状態で45度ぐらいの角度までシャクりステイ、竿先を下げると同時にリールを8分の1~4分の1回転ほど巻く……という動作を繰り返します。すべての動作で糸フケをつくらないように心掛けましょう。小さいアタリがあったらそのまま誘い続け、大きく引き込まれたら聞き上げてアワセます。アタリがなければシャクリ幅を小さくしたり大きくしたり、リールの巻き取り幅、ステイ時間を変えてみるなどして反応を試しましょう。
電動リールの機能を利用し微速で巻き上げながらシャクってくるのも省エネながら効果的。竿の操作に慣れていない初心者でも糸フケを出さずに誘えるので、小さいアタリも感じ取りやすいのもメリットです。
また、食い渋っているときは、あえてティップを跳ね上げて糸フケを作り、仕掛けがフワっと浮くようにシャクリ。そのまま竿先をストンと落として長めにステイなど、フォールの誘いも試してみましょう。
ほかには、一定の速度で巻き上げるだけの誘いや、アタリのあるタナでたまにシャクって誘いをいれつつ基本はステイなど、誘い方は多種多様。その日の状況に応じたパターンを見つけることがコツで、周りで釣れている人が居たら参考にしてみるといいでしょう。
アワセと取り込み
アタリがあっても反射的にアワセず、しっかりと食い込んで竿先が引き込まれるような本アタリが来るまで誘い続けましょう。本アタリがあったら、竿を立ててアワセます。
やり取りは一定速度で巻いてきますが、タチウオが上に泳ぐとテンションが抜けることがあります。その際は速めに巻いて対応しましょう。天秤が海面に見えたら、巻くのをやめて天秤を手に取り、ハリスを持って抜き上げます。
釣れたタチウオの持ち帰り方
釣り上げたときに注意したいのが、鋭い歯で怪我をしてしまうこと。フィッシュグリップは必須アイテムです。調理時にもうっかり手を切ってしまう可能性があるので、締めた後に口の部分を歯ごとハサミで落としてしまうのも一つの手です。
タチウオの締め方
ハサミを使って目の後ろあたりから延髄を断ち切る方法がオススメです。締めてからエラを切って血抜きを行いましょう。
タチウオの捌き方
鱗がないので捌きやすい魚で、内臓を取るだけで下処理は完了です。食べるサイズにぶつ切りにし、そのまま調理に使うか、三枚に卸すといいでしょう。
<TSURINEWS編集部・渡辺竜平>